本館 18室
2010年9月14日(火) ~ 2010年10月24日(日)
実業家高野時次(たかのときじ)氏の蒐集による、明治の洋画家浅井忠(あさいちゅう)の作品は、油彩画11 点、水彩・デッサン56点、掛軸6点の計73点におよび、浅井の円熟した画技を示す滞欧期の水彩画を多く含んでいます。高野コレクションは、この浅井作品 全73点が、昭和60年(1985)に氏のご遺志によりご遺族の方々から当館に一括寄贈されたものです。
高野氏は若いころには画家を志望され、実業家の道に進まれてからは尊敬していた画家浅井忠の作品蒐集に力を注がれました。20代後半から半世紀近くをかけて蒐(あつ)められたコレクションだけに、その作品群は氏の情熱を雄弁に物語っているといえましょう。
今回は、このコレクションのうち浅井の留学中の作品に注目し、グレー=シュル=ロワン(フランス)で描いた油彩画や水彩画の作品6点をご覧いただきます。滞欧中に描いた画面に光を感じさせる詩情あふれる浅井作品の魅力を紹介します。