平成館 企画展示室
2019年3月12日(火) ~ 2019年4月7日(日)
東京国立博物館では、文化財の公開と保存を両立し、未来へと伝えるため、「臨床保存」の理念のもと、保存修復事業を行なっています。「臨床保存」の理念を支える3つの柱は、展示・収蔵などの環境の整備を行なう「予防」、文化財の状態および展示室や収蔵庫の環境に関する「診断」、折れの緩和や剥落(はくらく)止めなどの応急的な対症修理から、解体を伴う抜本的な安定化のための本格修理まで状況に応じた「修理」です。
本特集では、近年修理を終えた作品を展示し、それぞれの修理のポイントや工程、その過程で得られた情報をあわせて紹介します。当館の保存修復事業の成果の一端をご覧いただくこの企画は、今年度で19回目を迎えました。今回は、絵画、書跡、金工、考古、東洋染織の分野から本格修理を行なった作品10件を展示いたします。
文化財の保存と公開に関わる当館の取り組みや、文化財の修理に関心を持っていただき、文化財とその背後にある文化や歴史についての理解を深める一助となれば幸いです。