本館 特別1室
2017年12月5日(火) ~ 2017年12月25日(月)
この度、当館が所蔵する重要文化財「朝鮮国書」を含む『朝鮮通信使の記録』が、ユネスコ「世界の記憶」(Memory of the World)に登録されました。「世界の記憶」は世界的に重要な記録物への認識を高め、保存やアクセスを促進することを目的とし、ユネスコの事業として1992年に開始されたものです。『朝鮮通信使の記録』は、日本と韓国それぞれに伝来する外交記録、旅程の記録、文化交流の記録から構成され、「朝鮮国書」は外交記録として登録されました。
当館では最後の使節となった1811年の国書を含む、計9回の使節の国書を有しています。なかでも1617年の国書は、安土桃山時代に断絶していた日朝間の国交が江戸時代に特異な形で再開されたことを示す大変貴重な資料です。国書の接受は国家間外交の象徴的な行為であり、文面には「誠信交隣」の精神が満ち溢れており、朝鮮通信使を介した日朝外交の平和的な展開を伝えるものです。
今後、益々、両国に伝わる文化財を通じた、友好的かつ継続的な交流を図り、文化財の保存と活用の意義を踏まえながら、朝鮮通信使に関する学術的な研究が深化することを願っております。