本館 15室
2016年1月2日(土) ~ 2016年2月28日(日)
建築史家・関野貞(せきのただし/1867~1935)は昭和5年(1930)から10年にかけて、中国大陸各地を踏査し、寺院、宮殿、陵墓などの史跡・建造物を調査しました。関野の助手として随行し、調査記録の作成と写真撮影に当たったのがやはり東洋建築史の研究者であった竹島卓一(たけしまたくいち/1901~92)です。
竹島は関野の没後も調査を続けるとともに厖大な資料の保管と整理に力を注ぎました。その一部は戦災で失われましたが、竹島が持ち伝えた4000件以上にのぼる焼付写真が平成25年(2013)に竹島の親族から当館に寄贈されました。竹島の適切な整理により、ほとんどの写真は調査時期と調査地が明らかで、史跡の過去の状況を物語る学術資料として重要な価値を持っています。
当館では、関野と竹島が所属した東方文化学院から関係資料を引き継いだ東京大学東洋文化研究所と共同してこれら写真の全貌の把握に努め、平成26年度に目録を公開しました。今回、現在では失われたものも含まれる中国の史跡や建造物を撮影した多くの写真の一部を展示します。