萌黄地花唐草文様緞子 笹蔓緞子 (部分)
中国 前田家伝来 明時代・15~16世紀
東洋館 5室
2025年8月5日(火) ~ 2025年11月3日(月・祝)
安土桃山時代に千利休(1522~1591)が大成した「茶の湯」では、さまざまな茶道具が用いられ、特に重んじられた器のことを「名物」と呼びます。「名物裂」と呼ばれる染織品もまた、茶の湯において珍重されたもののひとつです。有名な茶人や寺院などに由縁を持つ裂は、これにちなんだ名をつけられ、由来とともに「名物裂」として尊ばれました。名物裂は、宋・元時代から明時代に中国から日本に舶来した染織品が中心で、インド、イラン、東南アジア産の当時の日本人にとって珍しかった織物や染物も見られます。これらの裂は、茶人の好みによって取り合わせられ、掛け物の表具や茶道具の袋である仕覆などに仕立てられました。また、小さな端切れとなっても名物裂を知るための大切な資料として裂帖や裂箪笥などに仕立てられました。
名物裂に見られる染織品は、金糸・銀糸で文様を織り表した金襴・銀襴、繻子織を中心とした紋織物の緞子、多くの色糸を用いて文様を織り出した錦、縞や格子文様を表した間道など、文様はもちろんのこと、織りの技法、染めの技法ともにさまざまです。名物裂の世界を、作品の名前の由来とともにご覧ください。
指定 | 名称 | 員数 | 作者・出土・伝来 | 時代・年代世紀 | 所蔵者・寄贈者・列品番号 | 備考 | |
白地花兎文様金襴 花兎金襴 | 3裂 | 中国 | 明時代・16~17世紀 | TI-15 | |||
紺地一重蔓小牡丹唐草文金襴 東山金襴 | 1枚 | 中国 前田家伝来 | 明時代・15~16世紀 | TI-319 | |||
萌黄地一重蔓小牡丹唐草宝尽文様金襴 大黒屋金襴 | 1枚 | 中国 前田家伝来 | 明時代・16~17世紀 | TI-316 | |||
紺地龍唐草文様緞子 珠光緞子 | 1枚 | 中国 | 明時代・15~16世紀 | TI-5 | |||
梅石畳地宝尽文様緞子 伊予簾緞子 | 1枚 | 中国 前田家伝来 | 明時代・16~17世紀 | TI-342 | |||
縹地宝尽石畳文様緞子 遠州緞子 | 2枚 | 中国 | 明時代・16~17世紀 | TI-18 | |||
おすすめ | 萌黄地花唐草文様緞子 笹蔓緞子 | 1枚 | 中国 前田家伝来 | 明時代・15~16世紀 | TI-336 | ||
淡茶地亀甲文様錦 葛城裂 | 1枚 | 中国 前田家伝来 | 明時代・16~17世紀 | TI-322 | |||
段花葉文様モール錦 | 2裂 | インド | ムガール朝時代・16世紀 | TI-16 | |||
藍地縞文様間道 高木間道 | 1枚 | 中国 前田家伝来 | 明時代・16~17世紀 | TI-326 | |||
赤地格子縞文様間道 望月間道 | 1枚 | 中国 前田家伝来 | 明時代・16~17世紀 | TI-190-33 | |||
おすすめ | 萌黄地波鯉文様緞子 荒磯緞子 | 2裂 | 中国 | 明時代・16世紀 | TI-29 | ||
縹地向獅子雲文様緞子 襴絹緞子 | 2枚 | 中国 | 明時代・15~16世紀 | TI-35 | |||
白地角龍文金襴 | 1枚 | 中国 | 明時代・16~17世紀 | TI-19 | |||
縞地梅鉢文金襴 高木金襴 | 2枚 | 中国 | 明時代・16~17世紀 | TI-51 |