国宝 和歌体十種(部分)
平安時代・11世紀
本館 2室
2025年1月15日(水) ~ 2025年2月16日(日)
本作品は、天慶8年(945)、壬生忠岑(生没年不詳)が著した『和歌体十種』の現存最古の写本です。忠岑は『古今和歌集』の撰者の一人であり、三十六歌仙にも名を刻む歌人です。原本は現存していません。書写した人物は、江戸時代初期の古筆鑑定家・古筆了佐(1572~1662)が「御子左一流忠家卿真筆也」と藤原忠家(1033~91)に極めていますが、現在は別人の手によるものと考えられています。
『和歌体十種』は、和歌の様式を十種に区分して論じたものです。巻子には、古歌体、神妙体、直体等の各様式と、それぞれ例として和歌五首が仮名で書かれています。和歌のうしろの漢文は、様式の説明文です。料紙の装飾性も見事です。大ぶりでふわっと浮かぶ藍と紫の飛雲文様が、作品全体にリズムと彩りを与えています。
巻子には、華艶体(九体目)の漢文(説明文)から、両方体(十体目)の和歌にかけて欠損があります。合わせて展示する掛幅が、その欠損部のさらに一部の断簡です。
どちらの作品も、その内容の歴史・文学的な価値だけでなく、美麗な文字と料紙の装飾性の高さから、我が国が誇る名品といえるでしょう。
| 指定 | 名称 | 員数 | 作者・出土・伝来 | 時代・年代世紀 | 所蔵者・寄贈者・列品番号 | 備考 | |
| おすすめ | 国宝 | 和歌体十種 | 1巻 | 平安時代・11世紀 | B-3231 | ||
| おすすめ | 国宝 | 和歌体十種断簡 | 1幅 | 平安時代・11世紀 | B-3232 |