国宝 十六羅漢像(第三尊者)(部分)
平安時代・11世紀
本館 2室
2024年7月9日(火) ~ 2024年8月4日(日)
滋賀・聖衆来迎寺(しょうじゅらいごうじ)に伝来した現存最古の十六羅漢像の一幅です。お堂の前で経机(きょうづくえ)を置き、椅子に坐(すわ)る羅漢が描かれます。経机には経箱が置かれ、羅漢は経巻を手にしています。堂内には経箱を運ぶ侍者がいて、建物の外では、三人の天部が湧き出る雲に乗って、羅漢を礼拝しています。羅漢は、梵語(ぼんご)「アルハット」の音訳である「阿羅漢(あらかん)」の略で、仏教を開いた釈迦の教えを守り伝える聖者です。十六羅漢は、三蔵法師(さんぞうほうし)として知られる高僧・玄奘(げんじょう)が梵語から漢訳した『大阿羅漢難提蜜多羅所説法住記(だいあらかんなんだいみったらしょせつほうじゅうき)』に個々の名前や住む所が説かれ、これを典拠に様々に絵画化されました。本作品の画面右上には色紙形と呼ばれる区画があり、「東勝身州第三迦諾迦跋釐墮闍尊者(とうしょうしんしゅうだいさんなかばりだじゃそんじゃ)」というように 住所(東勝身州)と名前(迦諾迦跋釐墮闍尊者)が記されます。色紙形は白地に、蝶や鳥、草花が繊細に描かれ注目されます。
明るい色調で整えられえた優美な彩色、柔らかな輪郭線が生み出す穏やかな雰囲気が本作品の見所です。温和な画面を生み出す効果を与えているのが、絹の裏側から絵具を塗ることで、絹目を通して柔らかな彩色効果を生み出す、裏彩色(うらざいしき)という技法です。11世紀の貴族たちの美意識が感じられる、平安仏画を代表する名品です。
| 指定 | 名称 | 員数 | 作者・出土・伝来 | 時代・年代世紀 | 所蔵者・寄贈者・列品番号 | 備考 | |
| おすすめ | 国宝 | 十六羅漢像(第三尊者) | 1幅 | 平安時代・11世紀 | A-10946-3 |