編繡裂 緋色繻子地牡丹鳳凰文様(部分) 中国 明時代・15世紀
東洋館 5室
2019年11月26日(火) ~ 2020年2月16日(日)
古来より人々は、幸いをもとめて、衣服や身の回りの持ち物に縁起の良い文様を表わしてきました。日本でもなじみのある鶴文(つるもん)や宝尽文(たからづくしもん)といった文様は、もともと中国で伝統的に用いられてきた吉祥文様です。中国の染織に表わされる文様はほとんど吉祥文様といっていいほど、それぞれの文様に吉祥の意味が込められています。たとえば、蝙蝠文(こうもりもん)は日本の伝統的な吉祥文様には見られませんが、中国では、蝙蝠の「蝠(ふく)」は「福」と韻が共通することから、幸福の吉祥文様と考えられ、衣服や陶磁器といった工芸品にしばしば表わされてきました。また、龍が天空に現れたという記録は、皇帝が治める国家が泰平であることを知らせる瑞祥として中国の歴史に残されましたが、また、有徳の皇帝の象徴でもありました。
中国の吉祥文様には人間ならば誰しも願う、裕福・長寿・成功・子孫繁栄といった祈りが込められています。中国の春節(2020年1月25日)に合せて、刺繡で吉祥文様を表わした掛幅、衣服の裂(きれ)や装飾品、織物などを、その隠された意味とともにご覧いただきます。
指定 | 名称 | 員数 | 作者・出土・伝来 | 時代・年代世紀 | 所蔵者・寄贈者・列品番号 | 備考 | |
おすすめ | 刺繡唐子図 | 1幅 | 中国 | 清時代・18~19世紀 | TI-481 | ||
袖口飾り 白繻子地孔雀蜂蛾芙蓉柘榴文様刺繡 | 1枚 | 中国 | 清時代・19世紀 | TI-79-2 | |||
袖口飾り 白地牡丹蛾文様刺繡 | 2枚1組 | 中国 | 清時代・19世紀 | TI-82 | |||
金地金襴 紫地宝尽文様 | 1枚 | 中国 前田家伝来 | 明時代・16~17世紀 | TI-190-7 | |||
萌黄地大牡丹文様縫紗 | 1枚 | 中国 | 明時代・16~17世紀 | TI-453-14 | |||
金紗裂 白地葡萄模様 | 1枚 | 中国 | 明~清時代・17世紀 | TI-23 | |||
おすすめ | 編繡裂 緋色繻子地牡丹鳳凰文様 | 1枚 | 中国 | 明時代・15世紀 | TI-556 | ||
襟飾り 紺紗地龍模様刺繍 | 1揃3枚 | 中国 | 清時代・19世紀 | TI-116 | |||
おすすめ | 纏足用靴 黒地花蝙蝠文様刺繡 | 1足 | 中国 | 清時代・19世紀 | TI-139 | ||
淡萌黄地雲鶴文様緞子 | 1枚 | 中国 | 清時代・18~19世紀 | TI-453-27 |