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中国国宝展

中国国宝展 / 平成館 特別展示室   2004年9月28日(火) ~ 2004年11月28日(日)

  
菩薩立像(部分)  東魏時代・6世紀 山東省青州市龍興寺址出土 高110cm 山東省・青州市博物館蔵

中国文化の真髄を、中国仏教美術1000年の歴史と世界を驚かせた中国考古の新発見に焦点を当て、約170件の優品により紹介します。

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開催概要
会  期 2004年9月28日(火)~11月28日(日)
会  場 東京国立博物館 平成館 (上野公園)
開館時間 9:30~17:00 毎週金曜日は20:00まで(入館は閉館の30分前まで)
休館日 月曜日 (ただし10月11日(月・祝)は開館、10月12日(火)休館)
観覧料金 一般 1300円(1100円/1000円)、 高校・大学生 900円(800円/700円)、小・中学生 無料
( )内は前売り/20名以上の団体料金
障害者とその介護者一名は無料です。入館の際に障害者手帳などをご提示ください。
前売り券は、東京国立博物館 正門観覧券売場(休館日を除く),及びJR東日本みどりの窓口・びゅうプラザ、チケットぴあ、東急テコプラザなどで、9月27日(月)まで発売中
交  通 JR上野駅公園口・鶯谷駅より徒歩10分
東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分
主  催 東京国立博物館、朝日新聞社、テレビ朝日、中国国家文物局、中国国家博物館(中国文物交流中心)
後 援 外務省、文化庁、中国大使館、(社)日中友好協会、人民日報社
協 賛 トヨタ自動車株式会社、凸版印刷株式会社、松下電器産業株式会社、東日本旅客鉄道株式会社
協  力 講談社、小学館、ニッセイ同和損害保険、全日空
お問い合わせ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
展覧会ホームページ http://www.asahi.com/china/
展覧会ホームページは会期終了時をもって終了いたしました。
巡回予定
大阪中之島・国立国際美術館(新館) 2005年1月18日(火)~3月27日(日)
関連事業
  記念講演会
第1回/記念講演会「中国の仏教美術」
平成館 大講堂 2004年10月9日(土)13:30~15:00 講師:特別展室長 小泉惠英 受付終了
第2回/記念講演会「中国考古学の新発見」
平成館 大講堂 2004年10月30日(土)13:30~15:00 講師:列品課長 谷豊信 受付終了
  コンサート
ティンティン・ミニコンサート  ~中国琵琶・蓬莱の調べ~
平成館 大講堂 2004年11月5日(金)18:00~19:00 演奏:ティンティン 受付終了
展覧会の構成と主な展示作品
考古学の新発見  
一 新石器時代後期~戦国時代
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 中国で国家形成の動きが始まった新石器時代後期(前3500~前2000年頃)から、秦の始皇帝が中国を統一する前221年までの時代の遺跡で近年発見された優品を紹介します。この時期の中国美術工芸の双璧は玉器(ぎょっき)と青銅器です。中国では新石器時代後期から、本格的な玉器が作られはじめました。前2000年頃から作られはじめた青銅器は、工芸品であるとともに歴史や古代文字を研究する上で重要な資料です。各時代の玉器、青銅器を中心に、さまざまな作品を紹介します。
玉鳥   玉鳥 (ぎょくちょう)
新石器時代・前3500年頃
安徽省含山県凌家灘遺跡出土 長6.5cm
安徽省文物考古研究所蔵


翼を広げた鷹のような玉製の鳥。胸の文様は太陽で、天を飛んで太陽を運ぶ鳥を表わしたものと想像される。翼の両端は豚のような獣の頭となっている。豚は中国では古代から重要な家畜で、神聖視されることもあった。身分の高い人物が持った宗教的な器物と考えられる。
銅製透彫豆   日本初公開 透彫香炉 (すかしぼりこうろ)
戦国時代・前5~前3世紀
陝西省鳳翔県雍城遺跡出土 高34.5cm
陝西省・鳳翔県博物館蔵



球を押しつぶしたような形の身の中で香を焚くと、煙が蓋の上につけられた鳥の背から出るようなっている。身の周囲には蛇が絡まって網のようになった透かし彫りの装飾を伴う。台座には獣、鳥および人物を透彫で表わす。台座の人物はみな右手に戈(柄に対して直角に刃が付く武器)、左手に盾を持っている。青銅器の文様として珍しいだけでなく、当時の武器・武具の使用法を示す貴重な資料である。商・西周時代の青銅器とは対照的な、軽快な趣をもつ戦国時代の青銅器の特色がよく現れている。中国の香炉としては古い時期に属することでも注目される。
 
二 秦時代~唐時代 展示作品一覧へ
 前221年に秦の始皇帝が中国を統一して以後、秦、漢、唐などの王朝が興亡した時代に作られた優品を俑(よう:人間の姿を表わした像)と玉(ぎょく)を中心に紹介します。
秦の始皇帝陵(しこうていりょう)では、日本の皆さんにもおなじみの兵馬俑(へいばよう)に加え、文官や芸人あるいは力士と思われる人物の等身大の像や、石製の鎧など、珍しい器物が続々と発見されています。漢時代(前3~後3世紀)は玉文化の栄えた時代でもあり、身分の高い皇族は質の高い玉器に囲まれていました。同じ頃、中国西南の雲南省(うんなんしょう)では独自の青銅器文化が花開いていました。唐時代の彩色を施した俑は、華やかな唐の文化を今日に伝えています。
石製鎧甲   日本初公開 石製鎧甲 (せきせいよろいかぶと)
秦時代・前3世紀
陝西省西安市秦始皇帝陵出土 鎧:高75cm、重18kg 甲:高32cm
陝西省・秦始皇兵馬俑博物館蔵


本来、革や鉄でつくった鎧(よろい)・甲(かぶと)の小札を石片で作り、銅線で綴(つづ)ったもの。等身大であるが実用品とは考えにくく、呪術的な目的で作られたものと考えられる。このような鎧・甲が多数埋納されていることが確認されている。
金縷玉衣   日本初公開 金縷玉衣 (きんるぎょくい)
前漢時代・前2世紀
江蘇省徐州市獅子山出土 長170cm
江蘇省・徐州博物館蔵


多数の玉片(ぎょくへん)を黄金の針金で綴(つづ)ったもので、漢王朝の皇族の遺体を覆っていた。古代中国では玉は遺体の腐敗を防ぐ力があると信じられ、遺体に玉を供(そな)える風習があった。漢時代の高級貴族の間では遺体に玉衣を着せることが流行したが、本作は知られているなかでも最高級のもの。
狩猟場面貯貝器   狩猟場面貯貝器 (しゅりょうばめんちょばいき)
前漢時代・前2~1世紀
雲南省晋寧県石寨山71号墓出土 高64cm
雲南省文物考古研究所蔵


中国の西南部では、銅鼓(どうこ:壺をさかさまにしたような形の銅製の打楽器)など、独特の青銅器が作られた。これは二つの銅鼓を加工・接合したもので、貨幣として用いられた貝殻を納めた容器。蓋に付けられた銅製の人物と動物の像は、狩猟の場面を表わしている。
天王俑   日本初公開 天王俑 (てんのうよう)
唐時代・8世紀
陝西省西安市南郊西北法政学院南校区34号唐墓出土 高50cm(台座を含む)
陝西省・西安市文物保護考古所蔵


中国で墓に副葬する人形のことを俑(よう)と呼ぶ。紀元前5世紀頃から膨大な作例があるが、この作品は極彩色に彩られた当初の様を今に伝える、きわめて貴重な遺例。天王(てんのう)は、本来、仏教の守護神だが、唐時代には墓の守りとしてしばしば埋納された。
 
仏教美術  
一 仏教の伝来と受容(後漢・三国・晋・五胡十六国)2世紀~5世紀初
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 中国への仏教伝来初期から5世紀までの作品を概観し、中国における仏教の受容の過程をたどります。
中国に仏教が伝来したのは、前漢末から後漢初め(紀元前後頃)のことと考えられます。仏教受容期にあたる後漢から三国、西晋時代にかけては、中国の伝統的な思想・宗教と結びついた形で仏教が受けいれられ、仏像は中国古来の神仙と同列に表現されていました。それに続く東晋及び十六国時代には、仏教信仰が各地へ広がり始め、華北を支配した北方民族の間でも金銅仏などが多数制作されるようになりました。この種の仏像はガンダーラ仏に連なる作風を示し、当時の仏教をめぐる情勢の一端がうかがわれます。4世紀後半には敦煌石窟(とんこうせっくつ)の造営が開始されるなど、5世紀にかけて、本格的な仏教信仰が中国全土へ急速に拡大していきました。
揺銭樹台座   日本初公開 揺銭樹台座 (ようせんじゅだいざ)
後漢~三国時代・2~3世紀
四川省彭山県116号墓出土 高21.3cm
江蘇省・南京博物院蔵


揺銭樹(ようせんじゅ)は、死後の富貴や繁栄を願って墓に副葬された器物で、主に後漢時代の墓から発見されている。この作品は、揺銭樹の台座で、通常、神仙の像がおかれる位置に仏像が表現されている珍しい作例。中国の初期的な仏教信仰を物語る非常に稀少な遺品である。
二 仏教の広がり(南北朝)5世紀初~6世紀末 展示作品一覧へ
 漢族による南朝と北方民族が支配した北朝とが南北に並立した、南北朝時代の仏教美術を紹介します。
南朝では宋、斉、梁、陳(りょう)の4王朝が続き、特に梁の武帝(ぶてい:在位502~549)の時に仏教文化が繁栄しました。北朝では、北魏、東魏・西魏、北斉・北周という諸王朝が興亡しながら、国家的な規模で仏教が大いに盛行し、民衆の間へも広く浸透するようになりました。各地で仏教寺院が建立され、また石窟寺院も盛んに造営されるなど、仏教文化はこれまでにないほど広がりをみました。この時期の仏像は、外来様式の模倣、中国独自の様式の形成、外来様式の再流入という3つの段階にわたる変遷がみられ、また、地域的な特色を示す仏像も数多く制作されました。
如来三尊立像   如来三尊立像 (にょらいさんぞんりゅうぞう)
北魏時代・6世紀
河南省淇県城関出土 高96cm
河南省・河南博物院蔵


北魏の三尊像の典型作で、6世紀前半の作風をよく示す。舟形の細長い光背(こうはい)を負い、両脇侍を従えて立つ中尊の姿は、中国式の厚手の衣の表現とあいまって、威厳に満ちている。像の各部の巧みな造形や光背の細緻な文様など、上質な出来映(できば)えを見せる佳品である。
菩薩立像   日本初公開 菩薩立像 (ぼさつりゅうぞう)
東魏時代・6世紀
山東省青州市龍興寺址出土 高110cm
山東省・青州市博物館蔵


龍興寺址(りゅうこうじあと)で発見された多数の石像の1つ。三尊像の右脇侍(みぎわきじ)とみられ、下半身に裳(も)をまとい、各種の装飾品を身に付け、髻(もとどり)を結って立つ。各部に損傷があるものの、微笑を浮かべるような表情には気品と美しさが漂い、東魏の端正な作風が見事に凝縮されている。
菩薩半跏像   日本初公開 菩薩半跏像 (ぼさつはんかぞう)
北斉時代・6世紀
山東省青州市龍興寺址出土 高68cm
山東省・青州市博物館蔵


龍興寺址(りゅうこうじあと)から出土した3体の半跏像(はんかぞう)の1つで、最も残りがよい像。右手先を欠いているが、指先を頬にそえた、いわゆる半跏思惟(はんかしゆい)の姿をしていた可能性が高い。朝鮮半島及び日本に伝わる半跏像との関連が注目され、文化史上重要な位置をしめる。
 
三 仏教の隆盛(隋・唐・五代十国・北宋)6世紀末~12世紀初 展示作品一覧へ
 仏教が隆盛をみた隋から北宋にかけての、豊かで多彩な造形をご覧いただきます。
南北朝の対立を終息させ、中国全土を統一した隋では、前代に引き続いて仏教文化が大いに振るい、全国的な規模で寺院の整備などが行われました。隋の後をうけ、さらに広大な地域を支配した唐にあっても、仏教寺院や僧侶は万の単位をもって数えるほど巷間に満ち溢れ、仏教文化は空前の繁栄をみました。この時代の仏像は、西方からの新たな影響を受けつつ、国際色豊かな文化の彩りが加味されて、写実味あふれる様式が形成されていきました。唐時代末期から、五代、北宋時代にかけては、中国仏教に変化のきざしが現われ、道教などの在来及び民間信仰と徐々に混交しながら、これまでにない独自の仏教が形作られるようになり、仏像の様式にも世俗的な要素が強く反映されるようになりました。
如来坐像   如来坐像 (にょらいざぞう)
唐時代・景龍4年(710)
山西省ぜい城県風陵渡東章出土 高93cm
山西省・ぜい城県博物館蔵


切れ長の目と引き締まった口元から作られる表情は、おごそかな雰囲気を漂わせ、肉体の表現にも優れた造形感覚をうかがわせる。初唐の様式的特徴をそなえた優作。台座に銘文があり、景龍4年(710)に張敬[篤]という者が発願造像したことがわかる。
阿弥陀経断簡   日本初公開 阿弥陀経断簡 (あみだきょうだんかん)
唐時代・9世紀
浙江省麗水市龍泉塔出土 29.3×45.8cm
浙江省・浙江省博物館蔵


『仏説阿弥陀経』(ぶっせつあみだきょう)巻第一の残巻。この作品は冒頭に近い部分で、極楽浄土の様子を経文と絵画を上下に組み合わせて表わす。当時人々が抱いていた浄土の具体的なイメージがよく理解できる。わが国に伝わる『絵因果経』(えいんがきょう)とよく似た構成となっている点も興味深い。
阿嵯耶観音立像   日本初公開 阿嵯耶観音立像 (あさやかんのんりゅうぞう)
10~12世紀
雲南省大理崇聖寺主塔出土 像高24cm
雲南省・雲南省博物館蔵


本体は金、光背(こうはい)は銀製。平板な顔立ちで、腰がくびれ、直立するこのタイプの像は、雲南(うんなん)地方に独特のもので、阿嵯耶観音(あさやかんのん)という名で信仰された。雲南の南詔(なんしょう)、大理国(だいりこく)では、王室が仏教を篤く保護した。この作品が見つかった大理崇聖寺(だいりすうせいじ)は、その代表的寺院。
 
四 仏舎利の信仰(唐・五代十国・北宋)7世紀~12世紀初 展示作品一覧へ
 釈迦(しゃか)の入滅(にゅうめつ)後、その遺骨(仏舎利)は8つに分けられ、各地で尊崇を集めました。仏舎利(ぶっしゃり)を得た人々は仏塔を造り、舎利を篤く供養(くよう)したといいます。中国でも、仏教が伝来した最初期の段階から、仏舎利に対する信仰が認められ、それを祀る仏塔も造られました。その後、各時代にわたり、仏舎利への信仰は深まりをみせ、唐時代には、国家をあげてその尊崇熱が高まりました。
ここでは、仏舎利信仰が民衆の間にも広く普及するようになった唐から五代、北宋時代に焦点をあて、仏塔から発見された舎利容器をはじめとする様々な納入品に注目し、中国における仏舎利及び仏塔に対する信仰の有様を眺めていきます。
舎利容器   舎利容器 (しゃりようき)
唐時代・9世紀初
江蘇省鎮江市甘露寺鉄塔出土 長11.6cm
江蘇省・鎮江市博物館蔵


仏舎利(釈迦の遺骨)を納めて仏塔に納入した舎利容器の一種。舎利容器は、金銀などの貴重な素材を用いた多重構造のものが多く、本器(銀製)の中にも小さな金製容器が2つ納められていた。精緻で手の込んだ文様表現にも、当時の厚い舎利信仰の様がうかがわれる。