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塔と厨子

  • 『春日宮曼荼羅彩絵舎利厨子室町時代・文明11年(1479)』の画像

    春日宮曼荼羅彩絵舎利厨子
    室町時代・文明11年(1479)

    本館 14室
    2024年1月16日(火) ~ 2024年2月25日(日)

    塔は仏教の開祖である釈迦が入滅して荼毘(だび)に付された後、古代インドで遺骨(舎利)を祀った施設(ストゥーパ)を起源としています。その後釈迦・舎利信仰の広がりとともに、中央アジア、中国、朝鮮半島を経て日本へも伝わり、形式もその土地に応じて変化を遂げ、各地で舎利を礼拝・供養するための塔や、これを模した小塔が多数作られました。また、『法華経』などに塔を造ることが功徳(くどく)となることが説かれたことから、多数の小塔を造立することも盛んに行われました。
    もう一方の厨子(ずし)は仏像や舎利などを安置し、礼拝・供養するためのいれもので、日本では一般に、台座と屋根、観音開きの扉を有しています。石窟(せっくつ)寺院に営まれた仏龕(ぶつがん)などを源流とし、仏堂や仏・菩薩の住まう浄土を模して大小様々な形式のものが作られました。中には舎利を納めた塔を厨子に安置する形式もあり、これらはそれぞれ建造物に起源する造形物として興味深い関係を有しています。
    本特集では、ともに建造物を模して製作された塔と厨子を概観し、その多彩な形式と魅力を紹介します。

    担当研究員の一言

    塔も厨子も仏教的な建造物をかたどっていますので、解説するにはどうしても仏教用語、建築用語が多くなり、わかりづらく思われがちです。まずは、それらは一旦措いて、作品をご覧いただき、多様なかたちや作りのおもしろさ、施された細工や工夫の数々、そして何よりそこに込められたそれぞれの祈りや願いを汲み取っていただければと思います。材質も時代も製作事情も様々ですが、どれも信仰の厚みがうかがわれる、魅力に富んだ造形です。/清水健

主な出品作品

(注)所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。

国宝 金銅能作生塔 鎌倉時代・13世紀 奈良・長福寺蔵

重要文化財 塔鋺 法隆寺献納宝物 奈良時代・8世紀

銭弘俶八万四千塔 中国 和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山出土 五代時代・10世紀(北又留四郎氏他2名寄贈)

金銅装水晶五輪塔形舎利容器 室町時代・15世紀

黒漆彩絵厨子 鎌倉時代・13~14世紀

 

関連リンク

1089ブログ  舎利を祀(まつ)る塔

1089ブログ  たくさんの塔を造る

 

パンフレット

塔と厨子 リーフレットの表紙画像

塔と厨子

会期中、本館インフォメーションにて配布しています。
(注)なくなり次第、配布は終了します。
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