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黒田清輝-作品に見る「憩い」の情景

  • 『重要文化財 舞妓 黒田清輝筆 明治26年(1893)』の画像

    重要文化財 舞妓 黒田清輝筆 明治26年(1893)

    本館 18室
    2012年2月21日(火) ~ 2012年4月1日(日)

    フランスでサロンの画家ラファエル・コランに師事し、アカデミックな絵画教育を受けた黒田清輝は、当時のフランス画壇で主流となっていた絵画観に 基づき、抽象的な概念を人物群像によって表現する大画面のコンポジションを画家の本業と位置づけていました。そうした作品の主題として、黒田が画 業の初期から晩年まで大切にしていたのが「労働」と「休息」です。

    本展示では黒田が「休息」を主題として描いた作品を集めました。 滞欧期の作品としては、初めてのサロン入選作となった≪読書≫(1891年)、 1892年のサロン出品を目指して構想し、水辺で遊ぶ女性群像を描いた≪夏図≫(未完)などがその例として挙げられます。帰国後も、ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ筆≪休息≫図の構図を意識した大作≪昔語り≫(1898年。1945年に焼失)をはじめ、人々が語らう、遊ぶ、眠るといった憩いの情景を黒田は好んで描いています。

    これらの絵画が醸しだす憩いとやすらぎをお楽しみいただければ幸いです。

 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
重要文化財 舞妓 黒田清輝筆 明治26年(1893)
重要文化財 湖畔 黒田清輝筆 明治30年(1897)