本館 16室
2010年8月3日(火) ~ 2010年9月5日(日)
江戸時代に社会が安定し、交通が活発となったことで、文書や書籍、画像などによる情報の流通も盛んになります。さらに大量の情報を整理し、わかりやすく組織化した目録や索引、評価を加えた番付などの新しい形式の情報媒体が発生しました。
江戸のような大都市が発達すると、八百八町と言われた江戸の多くの町の所在地を知るための「江戸町々いろは分独案内」や商店ガイドにあたる「買物独案 内」が刊行されて、社会的な情報の整理が図られました。また、「広益諸家人名録」のように学者や文人の専門分野や居所までもが情報化されるほど、人を媒介 とした知識のネットワークは広がりました。全国の温泉尽くしである「諸国温泉鑑」や古い金石文(きんせきぶん)を番付仕立てにした「古物金石相撲」は、生 活や学術に関する知識が組織化され、広く社会に普及し、受け入れられていたことを物語っています。
この展示では、情報を伝えるさまざまな資料を示すとともに、街道の管理や飛脚、旅宿のような情報流通を支えた社会的基盤についても紹介します。