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教育普及スペース みどりのライオン 制作工程模型展示「一木造(いちぼくづくり)ができるまで」

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    本館 20室
    2010年6月15日(火) ~ 2010年10月3日(日)

      当館では、東京芸術大学との連携事業として、学生ボランティアによる制作工程模型の展示を行っています。平成15(2003)年度を皮切りに、脱活乾漆 (だっかつかんしつ)、鋳造(ちゅうぞう)、鍛造(たんぞう)、一木造の4種類の造像法による彫刻の模型、そして裏彩色(うらざいしき)、截金(きりか ね)という絵画の彩色技法の工程模型を作成しました。いずれも、作品の制作工程を4段階から6段階に分けて紹介したもので、時にはスライド画像や使用され た材料、道具なども併設し、制作技法について理解を深めていただいています。

       今回は、平成18(2006)年度に作成された、京都・醍醐寺蔵の聖観音菩薩立像を題材に一木造の技法を紹介する模型を展示いたします。一木造とは、仏 像の主な部分をひとつの木材から彫りだす作り方のことをいいます。腕や、坐っている仏像の場合は脚など、突き出している部分は、別の木材を足してつくるこ ともあります。

       一つの木材から、どのようにして仏像がつくられていったのか、この制作工程模型でご紹介します。


制作工程模型 聖観音菩薩立像 1 制作工程模型 聖観音菩薩立像 2 制作工程模型 聖観音菩薩立像 3 制作工程模型 聖観音菩薩立像 4
(1)原木・墨描き
材料は、カヤの木。墨で仏像の姿を描きます
  (2)粗彫り
粗彫りをし、さらにあたり線を引きます
  (3)中彫り
おおよその形が出来たら、耳、目鼻、衣のひだなどの細部を彫りすすめます
  (4)小作り・仕上げ
完成。この後、ビャクダンの色に似せるため、黄白色に塗ります

制作工程模型 仏像彫刻(一木造)聖観音菩薩立像
平成18年度東京芸術大学学生ボランティア作 平成18年(2006) 原品=京都・醍醐寺蔵