本館 16室
2010年6月8日(火) ~ 2010年7月11日(日)
特集陳列「日本を歩く」の第4回として東海地域を紹介します。この地域は伊豆・遠江・駿河・三河の国々が該当しますが、交通の大動脈「東海道」が貫いています。この街道の様子を二つの絵図でご紹介します。
一つは、江戸幕府が作成した「五海道分間延絵図並見取絵図」(重要文化財)です。これは各巻共いずれも彩色を施した大巻で、実測を基調とし、諸街道の実状を忠実に伝えています。
もう一つは、「東海道五十三次図屏風」です。東海道五十三次は、徳川家康が慶長6年(1601)、宿駅を設置してから、元和9年(1623)の川﨑宿の 成立によって完成しました。東海道には名所旧跡が多くあり、それらは歌枕に用いられたり、また文学作品にもしばしば登場します。江戸時代になると参勤交代 制度によって宿場が整備され、一方庶民の「伊勢参詣」の道としても賑わいをみせました。これにともない、街道にたいする関心も高まり、東海道を主題とした 絵画が観賞用に制作されるようになったものの一つがこの屏風です。
これらの絵図によって往事の東海道の光景を想像していただければ幸いです。