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海を渡った日本の漆器

  • 『花鳥螺鈿裁縫机 江戸時代・嘉永4年(1851)』の画像

    花鳥螺鈿裁縫机 江戸時代・嘉永4年(1851)

    本館 13室
    2010年3月24日(水) ~ 2010年6月13日(日)

      16世紀以降、ヨーロッパの上流階級の間には東洋趣味が広く浸透しており、日本の漆器は東洋を象徴する室内装 飾調度として、大いに人気を博しました。そのため、ヨーロッパの生活や使われ方や人々の好みに合わせ、日本国内で伝統的に用いられてきた漆器とは異なった 形や装飾の作品が創り出されました。このように輸出用に制作された漆器類を、輸出漆器とよんでいます。
     
       ヨーロッパへの漆器の輸出は安土桃山時代の末頃、日本へキリスト教の布教に来ていたスペインやポルトガルの宣教師や商人の注文によって始まりました。そ の後江戸幕府が彼らを日本から追放し、鎖国体制を確立させると、オランダ人が日本とヨーロッパの間の貿易を担います。オランダ東インド会社の帳簿には、当 時、彼らが大量の日本漆器を買い付けていたことが記録されています。
     
       以後20世紀に至るまで、数多くの様々な漆器が海外へ渡りました。
     
       この展示では、海外からの需要に応えて制作された、安土桃山時代から幕末明治期の作品を取り上げ、輸出漆器の歴史を概観します。海を越え、時代を越えて求められ続けた輸出漆器の魅力をご覧ください。
主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
桔梗蝶楓鹿蒔絵螺鈿聖龕 安土桃山時代・16~17世紀
楼閣山水蒔絵宝石箱 江戸時代・17世紀
花鳥螺鈿裁縫机 江戸時代・嘉永4年(1851)