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おひなさまと人形

  • 『牙首雛(一式) 江戸時代・19世紀 三谷てい氏寄贈』の画像

    牙首雛(一式) 江戸時代・19世紀 三谷てい氏寄贈

    本館 14室
    2010年2月16日(火) ~ 2010年3月28日(日)

     3月3日は桃の節句と呼び、雛人形を飾って女の子の健やかな成長を祈ります。雛祭り(ひなまつり)に人形を飾ってお祝いすることがい つ始まったのかわかりませんが、少なくとも江戸時代前期には年中行事となっていたようです。貞享年間(1684~88)の『江戸鹿子(えどかのこ)』によれば中橋・尾張町一丁目・十軒店(じっけんだな)・人形町・麹町四丁目などで雛市(ひないち)が立ったといいます。

      江戸時代前期は紙製の立雛(たちびな)が主流でしたが、江戸時代中期に入ると衣装を着せた坐り雛(すわりひな)が飾られるようになりました。室町時代の 風俗を写したといわれる室町雛、重ねられた錦が華やかな享保雛(きょうほうびな)、関西で人気の白い丸顔の次郎左門雛(じろうざえもんびな)、江戸で人気 のあった面長の古今雛(こきんびな)などです。今では、雛壇には一対の内裏雛と三人官女、五人囃子を飾ることが普通ですが、当時はさらにたくさんの雛人形 を飾り、その他にも京都の伝統工芸として知られる御所人形や、地方色豊かな郷土の人形なども一緒に並べました。繊細な細工が施された人形や雛道具には、ミ ニチュアをいつくしむ日本人の国民性が現れています。
主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
裸嵯峨 江戸時代・18~19世紀 個人蔵
享保雛 江戸時代・19世紀 個人蔵
御所人形 鶴亀 江戸時代・19世紀