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中国漆工

  • 『重要文化財 龍涛螺鈿稜花盆 元時代・14世紀』の画像

    重要文化財 龍涛螺鈿稜花盆 元時代・14世紀

    本館 14室
    2009年8月25日(火) ~ 2009年10月18日(日)

     漆(うるし)の樹液(じゅえき)を器物に塗り、装飾を加えた工芸を漆工(しっこう)といいます。古くから日本はもとより、中国・朝鮮半島・東南アジアなど、さまざまな土地で漆工が行われ、漆器が 使われてきました。同じ漆を用いていても、地域や民族ごとに独特の技法や表現が工夫されてきました。漆工は多様なアジアを象徴する工芸といえます。

      この特集陳列では、中国の漆工を展示します。中国の漆工には赤・黒・黄・緑などの色漆(いろうるし)を厚く塗りかさね、文様を彫刻する彫漆(ちょうしつ)、貝片(かいへん)を組み合わせて文様を 表わす螺鈿(らでん)、小刀で線彫りした溝に金箔(きんぱく)を付着させ文様を表わす鎗金(そうきん)、漆地を彫り、色漆を嵌め込み文様をあらわす存星(ぞんせい)などの技法があります。これらの技 法を駆使し、皇帝のシンボルである五爪(ごそう)の龍、唐草文(からくさもん)をうずまき状に表現する屈輪(ぐり)、花鳥や人物や宮殿など、多彩な文様があらわされました。その一方で、文様を施さ ずに器の形を楽しむ無文漆器(むもんしっき)もあります。中国漆工のバラエティーあふれる魅力を紹介します。
主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
重要文化財 龍涛螺鈿稜花盆 元時代・14世紀
黒漆輪花盆 南宋時代・13世紀
犀皮盆 南宋時代・12~13世紀
堆朱蓮形盆 元時代・14世紀
牡丹唐草鎗金箱 明時代・15~16世紀
花鳥漆絵盆 「萬暦辛丑春月/松林余淵泉備」銘 明時代・万暦29年(1601)