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能「紅葉狩」の面と装束

  • 『唐織 緑紅茶段青海波花熨斗扇夕顔模様 江戸時代・18世紀』の画像

    唐織 緑紅茶段青海波花熨斗扇夕顔模様 江戸時代・18世紀

    本館 9室
    2009年11月10日(火) ~ 2009年11月29日(日)

     晩秋にふさわしい演目「紅葉狩」の江戸時代の面と装束をご覧いただきます。舞台は信濃の戸隠山(とがくしやま)。平安末 期の武将・平維茂(たいらのこれもち)とその従者たちが鹿狩の途中、紅葉狩を楽しんでいる女性たちに出会いました。美しい高貴な風情の女性たちに誘われる ままに、維茂らは酒宴に加わります。杯を手に、女性の美しい舞を眺めているうちに、維茂とその一行は眠りに落ちてしまいました。維茂らが眠ったのを見て女 性たちは姿を消します。維茂が目を覚ますと、目の前に鬼女が現れます。先ほどの美女は実は人を食らう鬼女だったのです。維茂は夢の中で石清水八幡宮(いわ しみずはちまんぐう)の末社から授かった太刀を手に格闘の末、ついに鬼女を退治したのでした。

      現代でもこの季節に舞台にかかることの多い「紅葉狩」。高貴な美しさを持つ「増女(ぞうおんな)」面をつけ、王朝風の模様をあしらった華麗な唐織を着て いた美女が、再び登場したときには目を釣り上げて口の裂けた「顰(しかみ)」面をつけ、赤い髪を振り乱した鬼女となった姿に変わるのが見どころ。なじみの 演目も、美女、鬼女それぞれの面と装束に注目すると、一味違った楽しみ方ができるかもしれません。
主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
唐織 緑紅茶段青海波花熨斗扇夕顔模様  江戸時代・18世紀
厚板 紅緑段雲矢襖鱗模様 江戸時代・19世紀