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歴史を伝えるシリーズ 世界への扉―東京国立博物館の洋書コレクション―

  • 『スリナム産昆虫変態図譜(フランス語版) マリア・ジビーラ・メーリアン著 1726年』の画像

    スリナム産昆虫変態図譜(フランス語版) マリア・ジビーラ・メーリアン著 1726年

    本館 16室
    2008年10月28日(火) ~ 2008年12月7日(日)

     日本や東洋の美術を展示している東京国立博物館に西欧の古い書物が所蔵されている、というと意外に思われるかもしれません。

      明治5年(1872)に明治政府が博物館を創設した際、その主な役目のひとつは西欧文明の知的な資源を保管し、近代社会の建設に資することでした。そのために博物館はさまざまなルートを通じて、欧米の書籍の入手に努めました。その結果、江戸幕府が長崎経由で入手したオランダ語書籍、シーボルトが2度目の 来日時に持参した博物学書、明治政府が購入した欧米各国の書籍など、さまざまな機会に日本にもたらされた洋書が当館に伝えられました。これらの洋書は研究の参考資料という位置付けだったため、文化財としての評価がなされることが少なかったのですが、近年、専門の研究者の協力を得て、順次調査を進めています。

      今回の展示はその中間報告とも言うべきもので、オランダ語の書籍を中心にご紹介します。欧米から見た日本情報のおもしろさや博物図譜の美しい手彩色図版 などもお楽しみいただけます。先人たちの書籍収集の努力に思いをはせていただければ幸いです。
主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
草木誌 レンベルトゥス・ドドネウス著 1644年
スリナム産昆虫変態図譜(フランス語版) マリア・ジビーラ・メーリアン著 1726年
日本誌 エンゲルベルト・ケンペル著 1733年
関連事業

列品解説 「東京国立博物館が所蔵する欧米の古典籍」
本館16室:2008年10月28日(火) 14:00 受付終了
講師:登録室長 田良島哲


上野の山文化ゾーンフェスティバル 講演会シリーズ(10)
月例講演会 東博所蔵舶載洋書にみる幕末維新期の洋学
平成館 大講堂 2008年11月8日(土) 13:30~15:00 (開場13:00) 当日受付
講師:京都大学大学院人間・環境学研究科教授(日本洋学史) 松田 清 氏