本館 特別1室
2007年9月11日(火) ~ 2007年10月8日(月・祝)
鎌倉時代以降、日本には中国から禅宗とともに多くの美術工芸品が舶載されました。それらの作品はやがて中国とは異なる日本人固有の価値観に基づいて鑑賞されるようになり、新たに「唐物」として意味づけられ、書院の座敷飾や茶の湯の道具として用いられてきまし た。特に足利義満の蔵品を中心に、足利将軍家に伝来した品々は、東山御物(ひがしやまごもつ)として珍重されました。
東山御物のひとつ、もとは三幅対であった梁楷の出山釈迦図・雪景山水図と、伝梁楷の雪景山水図とは、長い間、分蔵されていましたが、近年、三幅すべてが東京国立博物館の所蔵品となりました。そして今春、この作品は、東山御物の中でも最高の品格をもつ作品として、それぞれの指定を統合して、三幅一件の国宝として新たに指定されました。
これを記念して、特集陳列「東洋の名品―唐物」を開催いたします。梁楷の三幅対のほか、伝胡直夫の夏景山水図(久遠寺蔵)、伝毛松の猿図、青磁下蕪瓶(アルカンシェール美術財団蔵)、青磁茶碗(銘馬蝗絆)など、唐物の名品を心ゆくまでお楽しみください。