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歴史を伝えるシリーズ 日本を歩く―奥羽・東北―

  • 『奥州金華山図 江戸時代・19世紀 徳川宗敬氏寄贈』の画像

    奥州金華山図 江戸時代・19世紀 徳川宗敬氏寄贈

    本館 16室
    2008年5月27日(火) ~ 2008年7月6日(日)

      現在の東北地方は、7世紀に陸奥の国が、また和銅5年(712)に出羽の国が設置されたことから、「奥羽」または「奥州」と呼ばれてきました。当時大和政 権の支配は北東北にまでは及んではいませんでしたが、奥羽山脈をはさんで、およそ太平洋側が陸奥、日本海側が出羽と考えてよいでしょう。南東北は陸奥国の 国府(こくふ)・多賀城(たがじょう)が蝦夷(えみし)に対する支配の拠点として現在の宮城県多賀城市に設置されるなど、畿内政権との結びつきが早くから 強かったのです。一方、北東北は奥州藤原氏の本拠として古代世界で独自の文化を展開しました。

      今回の展示では、平安時代後期に陸奥・出羽両国でおこった「後三年の役」の様子を伝える「奥州後三年記(おうしゅうごさんねんき)」などの作品や、明治 時代の中尊寺の様子を今に伝える資料「中尊寺金色堂実写図(ちゅうそんじこんじきどうじっしゃず)」、さらに、この地を舞台にした文学や旅行記などで奥州 の文化や歴史を感じていただきたいと思います。また、重要文化財「奥州道中分間延絵図(おうしゅうどうちゅうぶんげんのぶえず)」や、「陸奥出羽國郡行程 全図(むつでわこくぐんこうていぜんず)」など江戸時代に作られた絵図で広大な奥州の地をご紹介いたします。
主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
奥州道中分間延絵図 道中奉行所作 江戸時代・文化3年(1806) 
東遊雑記 古河古松軒著 江戸時代・天明8年(1788) 徳川宗敬氏寄贈
高村光太郎書 高村光太郎筆 明治~昭和時代・19~20世紀 水原志やう氏寄贈
中尊寺金色堂実写図 (基壇正面) 木村武山模 明治時代・19世紀 西山亮教氏寄贈
関連事業

列品解説 「地誌・絵図にみる東北」
本館16室:2008年6月10日(火) 14:00 当日受付
講師:保存修復室長 冨坂賢