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アフガニスタンの染織

  • 『フェルト刺繍餌袋 赤地渦巻文様 製作地=アフガニスタン 20世紀 小西明人氏寄贈』の画像

    フェルト刺繍餌袋 赤地渦巻文様 製作地=アフガニスタン 20世紀 小西明人氏寄贈

    東洋館 第3室
    2006年12月12日(火) ~ 2007年3月4日(日)

     アフガニスタンは、イランの東側に位置する多民族国家です。海がなく、土地の大部分が高原地帯であるアフガニスタンでは、昔から、遊牧が盛んでした。牧草を求めながら羊の群れとともに移動する生活の中で、欠かせないものの一つが染織です。遊牧民たちは、羊毛や馬毛などの身近な繊維を利用して、糸を紡ぎ、染め、さまざまな模様を織り出して、衣料やかばん、テントの帳や飾り紐、敷物などを制作しました。日本でいう菱形や鋸歯文(きょしもん)、三角形や渦巻形など、幾何学形文様(もんよう)が特徴ですが、その文様には、豊饒(ほうじょう)や繁栄、多産や和合などを願 う意味が込められているようです。

      今回は、20世紀前半にアフガニスタンで製作された毛織物を展示します。現代では「キリム」の名で親しまれている綴織(つづれおり)や、絨毯(じゅうたん)の基本組織で日本にも江戸時代に伝えられた毛羽が特徴のパイル織、羊毛の天然色を生かして文様を配置し、繊維をそのまま圧縮させたフェルトなど、遊牧生活の中で培われた多彩な毛織物の文化を紹介します。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
綴織敷物 茶紅段幾何学形文様 製作地=アフガニスタン 20世紀
フェルト刺繍餌袋 赤地渦巻文様 製作地=アフガニスタン 20世紀 小西明人氏寄贈
綴織敷物 赤濃紺段花菱幾何学形文様 製作地=アフガニスタン 20世紀