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蒟醤(きんま)-タイの漆器

  • 『鳥獣蒟醤十二角形鉢 17世紀』の画像

    鳥獣蒟醤十二角形鉢 17世紀

    東洋館 第3室
    2005年10月4日(火) ~ 2005年12月25日(日)

     蒟醤(きんま)とは、まず器面に文様を線彫りし、その中に色漆(いろうるし)を充填(じゅうてん)して、乾いたのちに研(と)ぎ出す技法をいいます。タイ、ミャンマーに伝わるもっとも一般的な漆工芸技法です。この地方の人々は、檳榔樹(びんろうじゅ)の実を薄く切り、鬱金(うこん)の粉や香料と混ぜ合わせ、石灰(せっかい)を塗った蔓草(つるくさ)の葉に包んで噛(か)む習慣があります。一種の嗜好品であり、漆の容器に収められました。タイでは檳榔樹の実を噛むことをキンマークといいます。日本にはアユタヤとの交易を通じてタイの漆器がもたらされ、そのおりに蒟醤という呼び名が定着したと考えられています。タイの蒟醤は、黒漆地に朱で、小さな草花の連続文様や、さまざまな空想獣があらわされています。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
怪獣蒟醤十二角形高杯 17世紀
鳥獣蒟醤箱 17世紀
怪獣蒟醤小壺 17世紀 松永安左エ門氏寄贈
鳥獣蒟醤卓 17世紀