2005年4月12日(火) ~ 2005年5月22日(日)
こわい顔には大きく分けて2種類あります。不動明王や四天王のように怒っている顔と、鬼のようにもともと恐ろしい顔です。怒りにも、親がこどもを叱るように愛情から発するものと、愚かな行為や敵に対する憎悪をともなうものがあります。そうした怒りの表情が、日本の仏像や仮面にどのように表わされたかを御覧いただきます。
“こわい顔”の怖さは時代によって異なります。平安時代後期は、目だけで怒っていて恐ろしくありません。鎌倉時代は目が血走り、顔の筋肉も隆々として迫力があります。能面の般若の怒りの表情には、品があり、哀しさが透けてみえます。明王、四天王などの仏像、能狂言面、神楽面、鬼の面などあわせて20点ほどで構成します。