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歴史を伝えるシリーズ 雛形に学ぶ

  • 『京都大仏雛形 伝藤村忠円作 江戸時代・寛文4年(1664)頃』の画像

    京都大仏雛形 伝藤村忠円作 江戸時代・寛文4年(1664)頃

    本館 16室
    2007年4月24日(火) ~ 2007年6月3日(日)

     雛形(ひながた)とは、実物を小さくかたどって作ったもの、あるいは模型・様式を示す見本、書式のことです。制作前にデザインを確認する、作品のかたち・技術を弟子に伝授するなど、雛形が作られる目的はさまざまであったと考えられます。

      京都・方広寺(ほうこうじ)にあった大仏(原物は寛政10年(1798)焼失)の雛形や、明治宮殿(明治21年(1888)に完成した皇居。昭和20年(1945)焼失)の謁見所(えっけんじょ)雛形など、現在は雛形でしか見られない貴重なものもあります。原品は聖徳太子の玩具であったと伝えられる逆沢潟威(さかおもだかおどし)鎧雛形(展示品は模造。原品は宮内庁宮内庁三の丸尚蔵館所蔵)、精巧に作られた紙製の京都・西本願寺飛雲閣(ひうんかく)の模型、実物の約4分の1のサイズの直衣(のうし)や飾太刀(かざりたち)、烏帽子(えぼし)の雛形のほか、江戸時代の髪型(髷(まげ))の雛形や、料紙装飾の雛形、紐の結び方や地引網(じびきあみ)の雛形など、展示作品は多岐にわたります。これらがなぜ作られたのかを考えてみると、モノづくりの伝承という観点からも、私たちが学ぶことはたくさんあるように思われます。

      流行のきっかけとなったデザインや、伝統的な技法などを今日に伝える、多彩で楽しい雛形の世界をご覧ください。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
模造 逆沢瀉威鎧雛形 堀越紫郷作 原品=平安時代・12世紀 宮内庁三の丸尚蔵館蔵
京都大仏雛形 伝藤村忠円作 江戸時代・寛文4年(1664)頃