平成館 企画展示室
2014年8月26日(火) ~ 2014年10月5日(日)
室町幕府の力が衰え、大名たちが勢力争いを始めた戦国時代。イエズス会宣教師フランシスコ・ザビエルがキリスト教を広めようと薩摩(さつま、今の鹿児島県)の港におり立ったのは、天文18年(1549)のことでした。それから約40年間、宣教師たちのたゆまぬ布教活動により、キリスト教は日本全国へと広がっていきました。しかし、キリスト教布教を後押ししたスペインが、布教を利用して領土拡大をもくろんでいると見て取った豊臣秀吉は、キリスト教を禁じ、キリスト教に関わる施設、信者ら一切を排斥しました。次第に厳しくなる弾圧の中、それでも信仰の灯が完全に消えることはありませんでした。
突如、ヨーロッパから入ってきたキリスト教は、日本においてどのような形で信仰されたのでしょうか。会場前半は、キリスト教受容期に宣教師が布教活動のため日本に持ち込んだ品々を展示しました。象牙(ぞうげ)のキリスト像や美しい版画を囲みながら、信者たちが覚えたてのラテン語の讃美歌を歌うミサの様子が目にうかびます。後半には、禁教時代、長崎奉行所が押収したキリシタン遺品を展示しました。遺品には信者たちのひたむきなの祈りがこめられています。