このページの本文へ移動

特集陳列 漆芸にみる桜

  • 『枝垂桜蒔絵棗 江戸時代・17世紀 広田松繁氏寄贈』の画像

    枝垂桜蒔絵棗 江戸時代・17世紀 広田松繁氏寄贈

    本館 12室
    2011年3月15日(火) ~ 2011年6月5日(日)

     桜は春寒がゆるむとともに一斉に開花して景色を彩り、人々の目を楽しませますが、瞬く間に散ってしまいます。 しかし、その潔さや儚さが人々の心の琴線に触れたのではないでしょうか。和歌の古典で「花」といえば桜の花を指し、古来より日本人は貴賎を問わず、花見に 興じてきました。

    ただし漆芸の分野に関していうと、桜を主題にした作品の登場は意外に遅く、室町時代以降に作例が見られます。特に近世以降は堰を切ったように、桜をデザ インに取り入れた漆芸品が多数制作されました。桜は、日本の漆工における典型的な文様の一つとなっています。中でも蒔絵の名品には古典文学に因んだ意匠が 多く、花の名所として知られる初瀬(奈良県)や比良(滋賀県)を詠んだ和歌を象徴的に表現した硯箱などを、その代表としてあげることができます。

    いろいろな用途や形式の作品に、様々な技法によって表わされた桜の意匠を通して、日本人がいかに桜を愛でてきたかをご覧いただきます。

    担当研究員の一言

    本音を申せば、桜は実際の樹を見るに限ります。それにしても私達は何故、こんなに桜に惹かれるのか.... 漆芸品に描かれた桜を通して、考えてみませんか?/竹内奈美子
 主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
重要文化財 初瀬山蒔絵硯箱 室町~安土桃山時代・16世紀
重要文化財 比良山蒔絵硯箱 塩見政誠作 江戸時代・18世紀
桜西行蒔絵硯箱 江戸時代・18世紀
吉野山蒔絵見台 江戸時代・18世紀

関連事業

<ギャラリートーク>   漆器に咲く桜
本館 12室  2011年4月6日(水)   15:00~15:30   当日受付