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和紙の魅力―技術記録と料紙の変遷―

  • 『造東大寺司解(部分) 奈良時代・天平宝字元年(757)』の画像

    造東大寺司解(部分) 奈良時代・天平宝字元年(757)

    平成館 企画展示室
    2016年9月13日(火) ~ 2016年11月6日(日)

    平成26年11月に「和紙」はユネスコ無形文化遺産に登録されました。この登録は、昭和38から41年度にかけて行われた全国の主要な和紙の実態調査にもとづいています。当館ではこの実態調査の際に作成された技術記録を所蔵しています。展示ではそのなかから、人間国宝である8代岩野市兵衛の「越前奉書」、安部榮四郎の「雁皮紙」をはじめ、ユネスコ無形文化遺産に登録された島根の「石州半紙」、岐阜の「本美濃紙」などをとりあげます。技術記録のうち和紙の実物、原料、紙漉きの道具の他、津和野藩御絵師の描いた天保15年「製楮図鑑」、明治5年にウィーン万博に出品するために作成された「越前紙漉図説」などを展示します。

    さらに奈良から江戸にいたる各時代の料紙をご覧いただきます。奈良時代の製紙技術を示す「造東大寺司解」、宮中の紙屋院で作られたと考えられる「円珍戒牒」、11世紀の色紙の典型例である「群書治要」、日本独自の紙漉き技術を集大成した「石山切」、中世を代表する檀紙を用いた藤原定家の「申文」などです。これらの料紙の変遷をとおして、和紙の特徴である強さ、しなやかさ、白さの秘密を解明し、世界に誇る技術とその魅力をご紹介いたします。
     

    担当研究員の一言

    繊維は、処理の仕方によって、白くしなやかに、あるいは強い紙になる。こうした和紙の秘密をご紹介します。/高橋裕次

 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
 主な出品作品
*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
国宝 円珍戒牒(円珍関係文書の内) 平安時代・天長10年(833)
国宝 群書治要 巻第二十六 平安時代・11世紀
重要文化財 申文 藤原定家筆 鎌倉時代・13世紀
 

関連事業

平成館 大講堂  2016年9月10日(土)   13:30~15:00 *開場は13:00を予定   当日受付