国宝 群書治要 巻二十六(部分)
平安時代・11世紀
本館 2室
2024年3月12日(火) ~ 2024年4月7日(日)
紫・茶・縹(はなだ)など濃淡の染紙(そめがみ)と藍・紫の繊維を漉(す)き込んだ飛雲紙(とびくもがみ)に、金泥(きんでい)で罫線を引き、『群書治要(ぐんしょちよう)』が書写されます。『群書治要』は、治世の参考となる文章を各種の典籍から選集した全50巻よりなる書物です。唐の太宗皇帝の勅命により、深い学識を具えた名臣魏徴(ぎちょう)や虞世南(ぐせいなん)らが編纂し、貞観5年(631)に中国で成立しました。
『群書治要』は、中国では宋時代に散逸しましたが、奈良時代にもたらされた日本では、帝王学の古典として尊重され、複数の写本によって現在まで伝えられてきました。本巻を含む当館所蔵の13巻は、料紙や書の特徴から平安時代中期の作、現存最古の写本と考えられています。
複数人で分担する寄合書(よりあいが)きにより、巻ごとに書きぶりは異なりますが、いずれも典雅な表現をしています。華麗な料紙と相俟(あいま)って、優美な風趣を湛(たた)えるこの書は、書道史や料紙装飾の研究においても貴重な作品です。もとは九条家に伝来し、戦後、被災した公爵邸内から奇跡的に発見されました。
指定 | 名称 | 員数 | 作者・出土・伝来 | 時代・年代世紀 | 所蔵者・寄贈者・列品番号 | 備考 | |
おすすめ | 国宝 | 群書治要 巻二十六 | 1巻 | 平安時代・11世紀 | B-2531-2 |