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キリシタンの祈りと聖母マリア

  • 『重要文化財 聖母像(親指のマリア)イタリア 長崎奉行所旧蔵品 17世紀』の画像

    重要文化財 聖母像(親指のマリア)
    イタリア 長崎奉行所旧蔵品 17世紀

    平成館 企画展示室
    2023年11月28日(火) ~ 2023年12月24日(日)

    16世紀にヨーロッパから日本へ伝わったキリスト教は、次第に信徒を増やし、西日本を中心に浸透してきました。その後、禁教になってからは弾圧を受けながらも潜伏することで信仰を守ってきました。当館が所蔵するキリシタン関係遺品のなかには、ロザリオ、十字架、メダイ、銅牌といったキリスト教の信仰の様子を示す品々があります。また、イタリア人宣教師シドッチがもたらしたとされる「親指のマリア」をはじめ、聖母マリアの姿を表わした油彩画や、白磁製の観音像を聖母に見立てたマリア観音像など、聖母マリアに関連した作品があります。

    クリスマスの時期に合わせて開催される本特集では、これらの作品を通じて、日本におけるキリスト教の受容や潜伏キリシタンが受け継いできた信仰、そして聖母マリアへの祈りについて紹介します。

    担当研究員の一言

    ヨーロッパからもたらされた十字架やメダイといった品々にはキリストやマリアなどが表わされ、日本の信徒は彼らの姿を具体的にイメージしながら祈りを捧げたことでしょう。また白磁製の観音像をマリアに見立てたマリア観音には、日本独自の祈りのかたちをみることができます。これらを通じて、日本におけるキリスト教の受容と展開の様子をご紹介いたします。/増田政史

主な出品作品

(注)所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。

重要文化財 三聖人像 ヨーロッパ 長崎奉行所旧蔵品 16~17世紀

重要文化財 聖母像(親指のマリア) イタリア 長崎奉行所旧蔵品 17世紀

重要文化財 踏絵 聖母子像(ロザリオの聖母) 萩原祐佐作 長崎奉行所旧蔵品 江戸時代・寛文9年(1669)

重要文化財 板踏絵 キリスト像(ピエタ) 長崎奉行所旧蔵品 江戸時代・17世紀

重要文化財 マリア観音像 中国・徳化窯 長崎奉行所旧蔵品(安政3年長崎奉行所に収納) 明~清時代・17世紀

重要文化財 ロザリオ ヨーロッパ 長崎奉行所旧蔵品(浦上にて収納) 19世紀