能面 黒髭
「徳若作」銘 上杉家伝来 江戸時代・18世紀
本館 19室
2026年4月8日(水) ~ 2026年6月28日(日)
能「春日龍神」は、釈迦を慕う明恵上人が唐(中国)や天竺(インド)の仏跡を訪ねる前に、春日大社に参詣する場面から始まります。春日明神にいとまごいに詣でたところ、明恵上人を天竺へ行かせたくなかった春日明神は、このように神託を下しました。釈迦がこの世を去った今では、唐や天竺に行く必要はない、春日山もまた釈迦が説法を行った霊鷲山と同じように仏法を学ぶことができると述べ、明恵上人の渡航を止めたとされています。能の後場では龍神が現われ、春日にいる明恵の目前に、八大龍王が釈迦の説法に耳を傾ける場面を描き出してみせます。神道の神である春日明神が、日本における仏教の在り方を示しており、神仏習合の神として知られる春日明神の本質をあらわした物語といえるでしょう。
舞台では、龍神は「黒髭」と称する龍神を演じるために専用面をつけ、「赤頭」と呼ばれる真っ赤な長髪の鬘を付けます。神々を演じる際に着用する高貴な衣装である狩衣をまとい、金襴や錦といった華やかな織物でできた半切という袴を着用した、華麗ないでたちです。
奈良の春日大社に奉仕した金春座の中興の祖、禅竹が創作したと伝えられることからも、春日大社にゆかりの深いお能です。江戸時代に描かれた『能狂言絵巻』にあらわされる能舞台の図と見比べながらお楽しみください。
| 指定 | 名称 | 員数 | 作者・出土・伝来 | 時代・年代世紀 | 所蔵者・寄贈者・列品番号 | 備考 | |
| 能面 阿古父尉 | 1面 | 「福来作/満昆(花押)/庸久(花押)/満昌(花押)」金字銘 | 安土桃山~江戸時代・16~17世紀 | C-37 | |||
| 尉髪 | 1頭 | 奈良・金春家伝来 | 江戸時代・19世紀 | I-3323 | |||
| 白縷単狩衣 | 1領 | 江戸時代・19世紀 | 文化庁蔵 | ||||
| 厚板 白地中格子模様 | 1領 | 奈良・金春家伝来 | 江戸時代・19世紀 | I-3211 | |||
| おすすめ | 狩衣 紺地雲龍丸模様 | 1領 | 上杉家伝来 | 江戸時代・18世紀 | I-2843 | ||
| 厚板 紅萌黄段片輪車鱗輪宝模様 | 1領 | 江戸時代・19世紀 | 文化庁蔵 | ||||
| おすすめ | 半切 紅地立涌巴槌車模様 | 1腰 | 江戸時代・18世紀 | I-2858 | |||
| 赤頭 | 1頭 | 奈良・金春家伝来 | 江戸時代・19世紀 | I-3318 | |||
| おすすめ | 能面 黒髭 | 1面 | 「徳若作」銘 上杉家伝来 | 江戸時代・18世紀 | C-1468 | ||
| 水衣 茶地格子模様 | 1領 | 奈良・金春家伝来 | 江戸時代・18世紀 | I-3296 | |||
| 萌黄無地熨斗目 | 1領 | 奈良・金春家伝来 | 江戸時代・18世紀 | I-3227 | |||
| 角帽子 紺地獅子丸宝尽模様 | 1頭 | 奈良・金春家伝来 | 江戸時代・18世紀 | I-3298 | |||
| 紺縷水衣 | 1領 | 奈良・金春家伝来 | 江戸時代・18世紀 | I-3290 | |||
| 角帽子 藍地鉄線模様 | 1頭 | 奈良・金春家伝来 | 江戸時代・18世紀 | I-3305 | |||
| 能狂言絵巻(上巻)《春日龍神》 | 1巻 | 筆者不詳 | 江戸時代・18世紀 | A-10185-1 | 前期(4/8-5/17)、後期(5/19-6/28)、巻替(5/18) |