10展示デザイン
博物館の活動は、展示や催し物、文化財の調査研究や保存、情報アーカイブなど、多岐にわたります。
当館の運営に関わる仕事を、さまざまな角度からご紹介します。

荻堂 正博(おぎどうまさひろ)
展示企画グループ デザインチーム(総合部門デザイン班)

音が好きで近年はフィールドレコーディングにはまっています。

安全で美しい展示を追求する

 ミュージアムで、しゃがみこんだり天井をみ上げたり、不思議な動きをしている人がいたら、それは展示デザイナーかもしれません。展示は、なにを、どこに、どう置いて、どう照らすかで、意味やみえ方が全く変わります。そのような「印象」や「居心地」を演出して、博物館を訪れた人に驚きや、緊張、安らぎといった体験を整えるのがデザインチームの役割です。展示のデザインとひとことでいっても実際の業務は多岐にわたります。展示空間の設計、作品を収める展示ケースの設計、作品を乗せる展示台、作品や空間を照らすライティング、展示室内のグラフィックなどの展示に関わるものから、ポスター、チラシ、チケットといった広報物のデザイン、さらに館内の案内サイン、来館者が快適に過ごせる休憩用家具の選定なども行っています。

 こうした幅広い業務に携わるなかで、最近個人的に関心を持っているのが、作品を支えるための展示用の支持具「マウント」です。マウントは、作品の位置や角度を演出し、地震等による転倒を防止する、安全かつ美しく展示するための基礎的な存在です。海外の主要なミュージアムにはマウント製作の専門職員が在籍し、館内に金属、木材、アクリルなどを加工できる本格的な工房を備えていることが一般的ですが、日本はまだその体制や技術においておくれをとっている状況にあります。そこで、最先端の現場を学ぶため、アメリカのスミソニアン国立アジア美術館へ技術研修に行ってきました。現地のすばらしい設備と高度な技術に触れた経験は、今後の展示づくりへの大きなヒントになりそうです。

  • 3Dプリンターで製作したモックアップを使って、広重展の照明テストを行っている様子

  • スミソニアン国立アジア美術館の工房でのマウント製作風景