東博のお仕事
当館の運営に関わる仕事を、さまざまな角度からご紹介します。
ミュージアムの基幹を担う
今、世界各地のミュージアムは、収蔵品の増加に収蔵スペースが追いつかない「収蔵危機」の問題に直面しつつあります。当館も例外ではありません。収集が必要な文化財を適切に受け入れ続けるためには、課題を先送りにせず、着実にリスクを減らしていくことが重要です。
そのためにまずは収蔵状況の調査により現状を把握し、必要に応じて保管場所の変更や収蔵棚の増設などの措置を講じています。またそうして確保したスペースに、文化財害虫などが発生しないよう、餌となり得る塵や埃の発生状況にも目配せをする必要があります。近年は外部からの保存環境への影響を減少させるため、館内での土足通行区域の見直しを行うなど、職員の業務の安全性と利便性に配慮しつつ、収蔵環境の維持と改善に取り組んでいます。
登録室ではこうした収蔵庫の管理業務のほかにも、収蔵品台帳の整備、文化財の収集と保管に関する諸手続き、学芸全般の運営事務、収蔵品撮影などさまざまな業務を行っています。いずれも文化財を適切に管理していくために不可欠かつやりがいのある仕事です。業務の性質上、私たち登録室員は来館される皆様と直接お目にかかる機会はほとんどありませんが、関係部署と連携しながら、今日も館内のどこかで東博の未来に向けた課題解決に努めています。
当館のような人文系の博物館が何を収蔵しているのかというと、極論すればそれは「人類の過去」です。およそヒトの思考は、一瞬でも過去に起きた出来事や経験、つくられたものなど、過去の生成物にもとづきます。過去が私たちの考えや行動を支えているわけです。過去を収蔵する博物館が社会に存在する意義は、こういうところにあるのかもしれません。そんな人類の過去に囲まれたこの仕事が、私はたまらなく大好きです。
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保存科学課や調査研究課の職員とともにガラス乾板の状態を確認
