コラム6
これまでの結びつきを礎に、未来へ。
―節目の年の日韓文化交流
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日韓国交正常化から60周年にあたる2025年度は、両国においてこれを記念した共同事業が数多く実施されています。当館でも長年にわたって学術交流を重ねてきた韓国・国立中央博物館と協力し、重要なパートナーである日韓両国のさらなる相互理解の深化にむけた取り組みを行っています。
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当館と国立中央博物館は2002年に学術交流に関する協定を締結して以来20年以上、多岐にわたり緊密な連携を図っています。その成果のひとつとして、両館選りすぐりの所蔵品計62件を通じて日本文化を紹介する展覧会「日本美術のとびら―四つのまなざし」(6月17日~8月10日)が国立中央博物館で開催されました。会場では縄文から江戸時代までの各作品が日本文化を捉えなおす4つのテーマに即して展示されるとともに、選択した和歌の世界の情感を体感できるデジタルコンテンツも設置され、多くの来場者が日本の美術と文化について理解を深めたとのことです。
これに先立ち同館で行われた開会式・報道内覧会には、当館館長をはじめとする関係者が出席し、共同開催にあたっての韓国側の協力に謝意を表すとともに、日韓両国の文化交流の重要性を再確認し、両館のさらなる協力関係の発展を企図する機会となりました。
当館においても今秋の「てくてくコリア―韓国文化のさんぽみち―」で所蔵作品を通して韓国文化を紹介するほか、来年2月には国立中央博物館の所蔵品を紹介する展覧会を計画中です。こうした取り組みが両国の歴史・文化・美術への理解を深めあうきっかけとなるよう、当館からも引き続き情報発信を行ってまいります。
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「あはれ」「あそび」といった作品に内包される心情を切り口とした展示(常設展示館 306号室)
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「日本美術のとびら―四つのまなざし」開会式・報道内覧会の様子
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当館藤原誠より国立中央博物館前館長・金在弘氏へ当館の特別展グッズを贈呈