• 国宝の所蔵件数が90件に

     2025年、伎楽面(ぎがくめん)が新たに国宝に指定されました。当館では、奈良県東大寺山古墳出土品以来8年ぶりの国宝誕生です。これで当館が所蔵する国宝の件数は合計90件になります。文化財保護のため、それぞれ展示日数を制限していますので、展示スケジュールは、当館ウェブサイトの年間スケジュール「国宝の展示予定」のページをご覧ください。

    (市元塁)

    【国宝とは】

    美術工芸品や考古・歴史資料などの有形文化財のうち、特に重要なものが重要文化財に指定され、なかでも「世界文化の見地から価値の高いもので、たぐいない国民の宝たるもの」が国宝として指定されます。

  • 本館11室がリニューアルオープン

     本館1階にある日本彫刻の展示室として親しまれてきた11室は、2025年4月8日(火)に展示をリニューアルしました。入口では、高さ3メートルにおよぶ金剛力士立像(仁王)がお出迎え。にらみをきかせ、展示室を護(まも)ってくれているようです。奥に進むと、大型の作品を展示する展示台の向かいに、最新の展示ケースが3台並びます。高透過ガラスとケース内照明で、作品の細部や彩色までお楽しみいただけます。20年ぶりに刷新された展示室、ぜひともご覧ください。

    (西木政統)

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    本館11室の展示風景

  • ユネスコ「世界の記憶」国際登録決定

    特別企画 増上寺の三大蔵―徳川家康寄進の三種の大蔵経―

    • 本館特別1室
    • 4月28日(月)~6月22日(日)

     東京・芝の浄土宗大本山増上寺には、徳川家康によって寄進された「三大蔵」とよばれる三種の大蔵経が所蔵されています。中国の宋、元、そして朝鮮半島の高麗の時代に、木版によって印刷された仏教経典の一大集成です。
     このたび、増上寺の三大蔵はユネスコ「世界の記憶」に国際登録されました。これを記念し、東京国立博物館、増上寺、浄土宗は、この三大蔵をご紹介する特別企画を開催しています。
     多くの方々に増上寺の三大蔵を知っていただく機会となれば幸いです。

    (土屋貴裕・六人部克典)

    • 南宋時代の貴重な数多の経典
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      ◎宋版大蔵経 第一箱(大般若波羅蜜多経 巻第一~巻第六十)(そうはんだいぞうきょう だいいちはこ(だいはんにゃはらみったきょう かんだいいち〜かんだいろくじゅう))

      中国 南宋時代・12世紀刊 東京・増上寺蔵

      宋版大蔵経(5356帖、94箱)のうち1箱目の経箱には60帖が納められています

    • 徳川家との繋がりを表す大蔵経
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      宋版大蔵経 仏説無量寿経 巻上(そうはんだいぞうきょう ぶっせつむりょうじゅきょう かんじょう)

      中国 南宋時代・12世紀刊 東京・増上寺蔵

      三大蔵には徳川家や増上寺の伝来を示す三つ葉葵紋の朱印が捺されます

  • 令和6年能登半島地震・令和6年奥能登豪雨復興支援事業
    「ひと、能登、アート。」
    文化財(アート)がつなぐ。
    Art for the Noto Peninsula

     このたび当館では2024年に能登地域で被災された皆様に寄り添い心を癒し励ますため、東京所在の各文化施設と連携して支援事業を行います。所蔵する文化財を通して復興に向けた祈りのメッセージを届ける機会となるよう、多岐にわたるプログラムを計画しています。
     詳細は決まり次第、順次当館ウェブサイトなどでおしらせします。

    本事業に先立ち、2025年1月2日(木)から1月13日(月・祝)まで本館2室(国宝室)に設置した募金箱にいただきました御厚志、総額380,712円を2月17日(月)に石川県へ寄附しました。御支援いただいた皆様方に心から感謝申し上げます。
(注) ●は国宝、◎は重要文化財(重文)、○は重要美術品(重美)を表します。特に表記のないものは東京国立博物館蔵です。