海外(かいがい)ミュージアムに

学ぶ、つながる、その後

  •  当館は今年度、(公財)上廣倫理財団(うえひろりんりざいだん)の助成を受けて、文化の拠点として名高い海外ミュージアムの先駆的な取り組みやコロナ禍以降の変化などを調査し、改めてネットワークを構築する目的で職員を派遣しています。

  •  今回の調査で私たちのグループはドイツ、オランダ、ベルギーのミュージアム20館以上を訪れました。

     オランダのアムステルダム国立美術館で、アジア美術展示を担当するメンノ・フィツキ氏に伺った「大切なことは、来館者がいちばん知りたいことは何かを追求すること」という考え方が、とても印象的でした。その意識の高さに学び、今後の仕事に活かしたいと思いを新たにしたところです。

     広大な各施設を周るなかで、ふと気になったのは当館の休憩事情です。東京ドーム2.2個分の広さという東博の敷地には6つの展示館があり、丁寧にみていたら数時間はあっという間です。しかし文化財の安全のため展示室では飲食禁止、ちょっと休憩と思ったタイミングに、屋内で水分をとりつつ休憩できる場所は相当限られていました。

     そこで帰国後に関係部署と相談し、屋内でも文化財に影響のないところでは、水筒・ペットボトルなどフタが閉まる容器からの水分補給は可とするエリアを増やすこととなりました。こまめな水分補給で休憩をとりつつ、心ゆくまで東博の展示をお楽しみください。

    (髙木結美)

  • 大規模リニューアルを経て、2013年に再開館したアムステルダム国立美術館

  • 今年夏から増えた当館の「水分補給可」エリア