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特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」 入場者10万人達成!

特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」は、2012年4月11日(水)午後、10万人目のお客様をお迎えいたしました。
これまでご来場いただいたお客様に、心から感謝申し上げます。

10万人目のお客様は、東京都よりお越しの石居達也さん(20歳)です。
東京国立博物館長 銭谷眞美より、展覧会図録と公式グッズのカレンダーを贈呈いたしました。

ボストン展10万人突破
左から、石居さん、銭谷眞美館長
2012年4月11日(水) 東京国立博物館平成館にて


石居さんは「国宝 阿修羅展」がきっかけで仏像を好きになったとのこと。
今回も「仏像を見るのが楽しみです」とお話くださいました。
快慶作 弥勒菩薩立像など、名品をお楽しみください。
石居さん、有難うございました。

日本に残っていれば国宝や重要文化財の指定を受けてしかるべき作品の数々。
作品保護の観点から、今後5年間は公開されませんので、大変貴重な機会です。

本展覧会は2012年6月10日(日)まで開催中です。
ゴールデンウィークは混雑が予想されますので、どうぞお早めにご来館ください。

カテゴリ:news2012年度の特別展

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posted by 小島佳(広報室) at 2012年04月11日 (水)

 

開花情報(ツバキ・サクラ)

みなさま、こんにちは!
トーハクにも春が到来し、様々な花が見頃を迎えています。
その中から、おすすめをピックアップしてご紹介いたします。

ツバキ
ボストン展を見たあとに、開放中の庭園へ行く途中で立ち寄っていただきたいのが、通称「ツバキロード」です。

ちょっとわかりにくいのですが、これがツバキロードです!
ちょっとわかりにくいのですが、これがツバキロードです!

最近、先輩から教えてもらった場所なのですが、自動販売機などで隠れて気づかない方も多いかも・・・。
でも、こんなに素敵なツバキが見られます。

もうすぐ満開!色が濃くて鮮やかなベニオトメ
もうすぐ満開!色が濃くて鮮やかなベニオトメ

八重咲きのフクリンイッキュウ
八重咲きのフクリンイッキュウ

混色が美しくてうっとり・・・コモミジ
混色が美しくてうっとり・・・コモミジ

小振りでかわいいキンギョツバキ
小振りでかわいいキンギョツバキ

私が好きなのはオオニジです。花の径は15~20センチの大輪!
春の嵐にも負けず、美しく咲き誇っていますので、是非ご覧になってくださいね。



自分の重みで花がみんな下を向いてしまうほどの大きさ。とても華やかです。


サクラ
続いて、サクラです。ご存知の方も多いと思いますが、トーハクの庭園では多様なサクラが楽しめます。
ソメイヨシノ、エドヒガンシダレ、ショウフクジザクラ、オオシマザクラ、ミカドヨシノなどが満開です。

満開まであと一歩!池のほとりで見られるショウフクジザクラ
池のほとりで見られるショウフクジザクラ

満開まであと一歩!池のほとりで見られるショウフクジザクラ
東洋館側入り口付近の「白い桜コーナー(仮)」では、オオシマザクラも見頃です。

庭園をはじめ、トーハクの構内にはツバキやサクラ、そのほかたくさんの花々が咲いています。
みなさま、トーハクへいらした際には、あちこち散歩してみてください。

ある朝の成果。びっくりするほど落ちています。
こちらも満開!エドヒガンシダレ

 

 

カテゴリ:博物館でお花見を

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posted by 安藤 香織(列品管理課 登録室) at 2012年04月07日 (土)

 

今週末は、博物館でお花見を!

♪はーるがきーたー はーるがきーたー どこにきたー

ユリノキちゃん@庭園
お庭にきーたー♪
庭園、春草廬脇より本館をのぞむ。現在エドヒガンザクラは7分咲きです)

ユリノキちゃん@展示室
展示室にきーたー♪
国宝 花下遊楽図屏風 狩野長信筆 江戸時代・17世紀 本館2室にて4月15日(日)まで展示中)

ユリノキちゃん@庭園カフェ
カフェもーきたー♪
(庭園内のさくらカフェ MOTOYA EXPRESS ※庭園開放中止の場合はお休みです)

 

『ユリノキちゃん、その歌、ちょっとゴロが悪いほ…

あらトーハクくん!
じゃあ、トーハクくんならどんな歌をうたうの?

トーハクくんとさくら

『さくらー さくらー いまさきほこるー


森山直太朗さんの「さくら」ね!ステキ!今の季節にピッタリね!

『あのね、4月7日(土)のイベント「J-WAVE SPRING FESTIVAL@トーハク」で、直太朗さんがライブに来てくれるんだほ。
公開収録やお茶会などなど、楽しみなコンテンツがいっぱいだほー!

(詳細はJ-WAVEのホームページをご覧ください。)

それじゃ、今週末はお花見がてら東京国立博物館でキマリね!

博物館でお花見を」と、春の庭園開放は4月15日(日)までです。
みなさんも是非遊びにいらしてください。

カテゴリ:news催し物博物館でお花見を

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posted by ユリノキちゃん at 2012年04月06日 (金)

 

ガイドツアー「東博桜めぐり」

この冬は寒さが厳しく長かったためか、風の暖かさ・植物の芽吹き・鳥のさえずり…ほんのちょっとしたことにいつも以上に春を感じます。
トーハクの庭園の桜もようやく咲きはじめました。毎年かわらず花を咲かせてくれる様子にうれしくなります。

今年も実施するトーハクの「博物館でお花見を」(~2012年4月15日(日))。トーハク屋内外の桜をご案内するガイドツアーとして「東博桜めぐり」を実施します。皆様をご案内するのは生涯学習ボランティアによる自主企画ガイドツアーグループのメンバーです。毎月定期的に行っているものを、期間中は特別バージョンとして、館内の桜はもちろんのこと、桜やお花見にちなんだ作品もご案内します。

いくつかのガイドツアーの見所(聞き所)をご紹介いたしましょう。
法隆寺宝物館ガイド(4月6日(金)、4月7日(土)開催予定)では、桜にちなんだ作品とエントランスから見える桜をご案内します。さらに、特別3室の伎楽面もご案内する盛りだくさんの内容です。


法隆寺宝物館エントランスからの眺め、左手の木がカンザン


次に浮世絵ガイド(4月8日(日)、4月15日(日)開催予定)。本館2階10室の浮世絵をご案内します。この時期の10室は桜が満開です。ボランティアと一緒に作品の中の桜を愛で、江戸時代のお花見の様子を少しのぞいてみてください!


飛鳥山花見 勝川春潮筆 江戸時代・18世紀(~2012年4月15日(日)展示)


陶磁ガイド(4月14日(土)開催予定)では、本館1階13室の陶磁をご案内します。器の中には桜が咲き乱れています。ボランティアとどんな桜が咲いているか散策して、お気に入りの桜を見つけてみてください。


陶磁ガイドの様子


本館ハイライトツアー(4月7日(土)、4月12日(木)、4月14日(土・手話通訳)開催予定)は、本館2階の桜の名所をご案内します。どんな名所があるかは当日のツアーにご参加いただいてからのお楽しみ。


本館ハイライトツアーの様子


是非とも屋外で咲く桜を愛でたいという方には、樹木ツアー(4月7日(土)、4月11日(水)開催予定)・庭園茶室ツアー(4月12日(木)開催予定)・たてもの散歩ツアー(4月7日(土))がお勧めです。桜はもちろん、この時期見ごろの樹木や、お茶室や建物などトーハクのもう一つの見所をご案内します。

  
(左)昨年の北側庭園のエドヒガンシダレの様子、庭園茶室ツアーや樹木ツアーでご案内できることもあるでしょう
(中)たてもの散歩ツアーで本館エントランスの大時計をご案内している様子
(右)本館1階テラスのモザイク、たてもの散歩ツアーでご案内します



ボランティアによるガイドツアーでは、博物館はこむづかしくてちょっと苦手・・・という方やどのように作品を見ればいいの?という方に、作品や博物館の見所や魅力を一緒にめぐりながらご案内しています。どうぞお気軽にご参加ください。

今回ご紹介したもの以外にも考古展示室ガイド・彫刻ガイド・英語ガイド(日本美術の流れ)・たんけんマップツアー・お茶会・こどもたちのアートスタジオなどがあります。毎月定期的に実施していますので、日時などの詳細は当館ウェブサイトTOP催し物ガイドツアーのページや博物館ニュースでご確認ください。

カテゴリ:催し物博物館でお花見を

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posted by 田島夕美子(ボランティア室) at 2012年04月05日 (木)

 

『至宝とボストンと私』 #2 染織

染織作品が美しく華をそえる展覧会後半。こんなに絢爛できらびやかなキモノを実際にまとっていたかと思うと、なんだかうっとりします。
『至宝とボストンと私』第2回目は、工芸室主任研究員の小山弓弦葉(おやまゆづるは)さんと、染織のコーナーを見てみましょう。

染織 展示室の様子

特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」展示室の様子



『お江戸女子も流行にビンカン』

広報(以下K):どの作品も本当に素敵ですね…。この中で、小山さんのイチオシの作品はどれですか?

小山(以下O):この作品です。
小袖 白綸子地松葉梅唐草竹輪模様
小袖 白綸子地松葉梅唐草竹輪模様 (こそで しろりんずじまつばうめからくさたけわもよう)
江戸時代・18世紀 


K:どうしてこの作品を選んだのですか?

O:デザインがとてもユニークなんです。
小袖は自分の体に直接まとうものですので、自分の身を守る意味もあって、伝統的に吉祥模様(鶴や亀、松竹梅などのおめでたいモチーフ)が多く用いられます。
こうした技法をこらし、贅を尽くした総模様のキモノは、元は特権階級のだけのものでしたが、江戸の泰平の世になり、町人が経済力をつけてきたことで、お金持ちの商家のご婦人も着飾ることが出来るようになってきました。
現代にもファッションの流行があるのと同じように、時代の流れとともに、デザインはどんどん変化してゆきます。

K:現代に生きる私たちが見ても、斬新なデザインですね。

O:ええ、江戸時代前期のある時期から、大胆に変化しました。これにはあるきっかけがあります。
一説によれば、寛永に大きな火事があり、江戸の大半を焼くという大変な事態に見舞われてキモノが焼けてしまい、大量につくる必要が出てきました。細かい模様はそれだけ時間がかかりますから、大振りの模様のキモノがたくさんつくられたといわれています。
そう言われてもおかしくないくらい、大きな変化があったのです。

K:思わぬところからデザインが発展したのですね…。
しかしデザインが大振りとはいえ、一つ一つの技法はとても複雑で手が込んでいます。何がデザインされているのですか?

O:これも松竹梅が描かれていますが、デザインが面白くてただの吉祥模様とはひと味違いますね。

小袖 白綸子地松葉梅唐草竹輪模様(部分)

竹は普通まっすぐに描かれますが、この作品では輪っかのように描かれ、まるでダンスしているかのようにリズミカルに配置されています。

小袖 白綸子地松葉梅唐草竹輪模様(部分)

輪と対比させるように、直線的な雁木模様(雁の列のようなぎざぎざの模様)が配され、その上に丸い梅と唐草を組み合わせた模様が散っています。

K:竹と梅ですね。松はどこに描かれているのですか?

O:雁木模様の鋭角の先端に注目してください。

小袖 白綸子地松葉梅唐草竹輪模様(部分)

松葉の付け根部分がデザインされているのがわかりますか?雁木の縁部分が松葉になっているのです。

K:あっ、本当ですね!すごい!言われなかったら気付かなかったかも知れません。お友達に自慢します!
ところで、竹が輪っかになっているのは、なにか意味があるのですか?

O:特に意味はなく、竹をデザイン化したのだと思います。梅も丸っこく描かれていてかわいらしいです。日本人は角がない、ということで丸を好むようですね。
遠くから見てもインパクトのある模様、色使い。江戸時代の方も、現代の若い方たちと同じように流行に敏感で、ファッショナブルだったのです。


『女性の人生を映すキモノ』

K:お恥ずかしい質問ですが、このキモノは誰かが着ていたものなんですよね?

O:もちろんです。

K:こんなにきらびやかで美しいキモノを普段から着られる人って、いったいどこのお嬢様だったのだろうと羨ましく思います。

O:これは、「お嬢様」のキモノではないんです。留袖になっていますので「奥様」のキモノです。

K:わあぁ(恥)!

O:女性は結婚すると、振袖の長い袂を切り、脇も詰めます。「留袖」とは、「袖を留めた」キモノという意味なのです。
江戸時代では、既婚女性が脇を留めていないキモノを着ることは恥ずかしいこととされました。

K:そうだったのですね!そんなことも知らず申し訳ありません!

O:いえ、意外とご存知でない方も多くいらっしゃると思います。
袖に注目してみてください。

     小袖 白綸子地松葉梅唐草竹輪模様(部分)

模様が途中で途切れているでしょう?これは以前に振袖だったものを、所有者が結婚して袖を詰めたものと考えられます。
なんだか女性の人生が見えてくるようですね。

K:デザインだけでなく形にも注目してみると、キモノへの理解がより深まりますね。
模様にも意味があり、形にも物語がある。そういう目で鑑賞すると、キモノにぐっと近づける気がしました。
小山さん、どうも有難うございました!

 

小山研究員

専門:染織 所属部署:工芸室


次回のテーマは「刀剣」です。どうぞおたのしみに。

All photographs © 2012 Museum of Fine Arts, Boston.
 

カテゴリ:研究員のイチオシ2012年度の特別展

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posted by 小島佳(広報室) at 2012年04月03日 (火)