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1089ブログ

2022年は創立150年の年だほ!



さーて、今日も見るほ、トーハクのウェブサイト。どんな展示があるかなほ。おや、見慣れないページがあるほ。東京国立博物館創立150年記念特設サイト

トーハクくん、忘れちゃったの?トーハクは1872年に開館したから、2022年に創立150周年を迎えるのよ。だから、その記念の年に向けて、公開した特設のウェブサイトよ。

すっかり忘れていたほ。令和にもなったし、開館した明治がかなり昔に感じられるほ。

そうね、本当に長い歴史だよね。

そうだほ。とってもおめでたいことだほ!2022年はみんなでトーハク創立150年をお祝いしたいほ。

お祝いすることも大事だけど、この長い歴史を未来に守り、伝えることもとても大事なことだよね、トーハクくん。

そうだったほ。10年後も、20年後も100年後も、いろんな文化財をみたいほ。

そういう思いは特設サイトの最初に書いてあるから、読み直してみてね。そんな思いを表現した、キービジュアルも作成して、紹介しているわ。


東京国立博物館創立150年記念キービジュアル

おっ、この創立150年記念ロゴもおしゃれだほ。なんの模様だほ?


東京国立博物館創立150年記念ロゴマーク

これも特設サイト内に説明があるけど、トーハクの作品や本館のとかの装飾に使われている「唐草文」をモチーフにつかった記念のロゴよ。

なるほどだほ、この葉っぱみたいな模様がトーハクのどこに隠れているか探してみるほ。

東京国立博物館創立150年記念動画」はもう見たかな?

気分的には150回くらい見たほ!

くるくる場面が展開して、迫力とスピードがあったわね。それと、トーハクのかっこよさを発見できるような動画のような気がするわ。

創立150年に向けて、気分があがってきたほ。あと、なにか具体的にイベントとかするほ?

イベントやコラボレーショングッズの制作など計画中よ。今後、特設サイトで紹介されるから、楽しみに待とうね。イベントもいいけど、トーハクといったらやっぱり総合文化展や特別展が大きい見どころだよね。

そうだほ! もしかして特別な展示をするほ?

そうね。総合文化展では、創立150年記念の特集を23件実施予定よ。研究員が特にイチオシする作品を紹介する特集や、普段なかなか展示する機会がない作品を紹介する特集などいろいろあるわ。


見返り美人図 菱川師宣筆 江戸時代・17世紀
特集「未来の国宝―東京国立博物館 書画の逸品―」にて展示予定。展示時期未定

見たことがない作品はもちろんだけど、見たことがある作品でも何だかわくわくして見ることができそうだほ。

そして、2022年の秋には東京国立博物館創立150年記念「国宝 東京国立博物館のすべて」を開催するよ。

タイトルすごいほ。本当にすべて見られるほ!?

そうよ。展示替えはあるけど、現在所有する国宝89件をすべて展示して、ほかにもトーハク150年の歴史を関連する作品や再現展示などで紹介するのよ。


国宝 檜図屛風 狩野永徳筆 安土桃山時代・天正18年(1590)
 
国宝 檜図屛風 狩野永徳筆 安土桃山時代・天正18年(1590)




重要文化財 鷲置物 鈴木長吉作 明治25年(1892)

すべて見られるような気がしてきたほ。

公式Twitterとかでも隔週木曜日に歴史や古写真を紹介する企画を始めたから、予習にちょうどいいかも! #TBT にご注目ください。

特設サイトや公式SNSなどで今後も最新情報をお届けするほ。ご期待くださいほ!

 

 

カテゴリ:トーハクくん&ユリノキちゃん東京国立博物館創立150年

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posted by トーハクくん&ユリノキちゃん at 2021年11月24日 (水)

 

特別展「ポンペイ」見どころを紹介するほ!


特別展「ポンペイ」ポスター

ほほーい!ぼく、トーハクくん。博物館ニュースはこれからの展示や今の展示を知るのに便利だほ。おっ、これはなんだほ、2022年1月14日(金)から4月3日(日)まで特別展「ポンペイ」っていう展覧会が開催するほ。「ポンペイ」ってなんだほ?
「ポンペイ」はイタリアの南のほうにあった、古代都市の名前よ。
古代都市!?どれくらい昔ほ?
約2000年前くらいにあった都市だわ。でもね、紀元後79年にポンペイの近くのヴェスヴィオ山が噴火して、町は地中に埋まってしまったの。
・・・(絶句だほ)
でもね、その埋まってしまったものの発掘は18世紀ごろからはじまって今も続いているの。発掘した膨大な遺物をコレクションしているのがナポリ国立考古学博物館。そのナポリ国立考古学博物館の至宝約150点をこの展覧会で紹介するのよ。
長い間埋まっていたなら、ボロボロになっていると思うほ。展示できるものがあるほ!?
見てごらん。


通称「青の壺」

とてもきれいだほ。細かい模様もあってすごいほ!
カメオ・ガラスと呼ばれる技法で制作された容器で、完全な形のまま残っているのはとても貴重らしいわ。
どんな作品がくるかわくわくしてきたほ。こういうポンペイの人たちが使っていた作品を展示するほ?
ポンペイの街にあった施設に関係するものや、暮らしや仕事ぶりがうかがえるもの、ポンペイが栄えた歴史を示すものなどが展示されるのよ。
ポスターに書いてある「そこにいた。」ものを見つけられそうな気がしてきたほ。ユリノキちゃん、ほかの作品も教えてほ!
じゃあ、いくわよ!まず、ポンペイの街の施設に関係する作品よ。


辻音楽師

チラシに載っている作品だほ。まん中の人はカスタネットみたいなものもっているほ。
喜劇の仮面をかぶって、楽器を演奏する小さな楽団が、どこかの家を訪問している場面らしいわ。今の日本だと想像しにくい場面だけど、ポンペイがあった地方は演劇が盛んだったのよ。
ほー。ということはなんだほ?
演劇の会場となる劇場が賑わう様子を想像できない!? 次は、ポンペイの人びとに関係する、こちらの作品よ。


書字板と尖筆を持つ女性(通称「サッフォー」)

女の人の絵だほ。何かメモしようとしているほ?
そうね、筆をもっているし、何か考えているような表情だわ。ナポリ国立考古学博物館で最も有名な肖像の一つなのよ。
とてもかしこそうにもみえるほ。頭の髪飾りも金に見えて、豪華だほ。
次は暮らしに関係する作品よ。


パン屋の店先


炭化したパン

パン屋さんとこれはパン?2000年前にもパン屋さんがあったなんてびっくりだほ。
当時も主食はパンだったのよ。この絵に描かれたものと似た形のパンを発掘できたから、あわせて展示するの。最後はポンペイが栄えた歴史に関係する作品よ。


踊るファウヌス

誰だほ?
牧神ファウヌスとされるブロンズ像よ。ポンペイで最も大きくて、とっても古い家から発見されたの。この像があったからこの家は「ファウヌスの家」と名づけられたのよ。ほかにも「竪琴奏者の家」、「悲劇詩人の家」っていう、ポンペイが栄えた歴史を示す家に関連した作品や、その頃の家の様子の一部を会場内に再現するのよ。
すごい気合の入れようだほ。
すごいのよ。「ポンペイ」展は日本、そして世界のいろいろな博物館で開催しているけど、特に「ファウヌスの家」に関連した作品がナポリ国立考古学博物館を出て、まとめて展示されることがとても珍しいの。最大の見どころだと思うわ。
ユリノキちゃん、なんか今回はいつにもまして詳しいほ。なんかずるしているほ?
あれ、トーハクくんは10月18日(月)に開催した報道発表会に行かなかったの?私はそこに行って予習したのよ。
がーんだほ。見逃したほ。
展覧会公式Twitterでも作品を紹介しています。皆様そちらもぜひご覧くださいね。

※所蔵表記のない作品図版はすべてナポリ国立考古学博物館蔵 Photos©Luciano and Marco Pedicini
※日時指定券は2022年1月5日(水)より販売開始予定。
「日時指定券」の事前のご購入・ご予約(オンラインのみ)をお勧めしています。会場でも当日券をご購入いただけますが、混雑状況により入場をお待ちいただく場合や、当日券の販売が終了してている場合があります。
詳細は展覧会公式ウェブサイトでお知らせします。

 

カテゴリ:トーハクくん&ユリノキちゃん「ポンペイ」

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posted by トーハクくん&ユリノキちゃん at 2021年10月29日 (金)

 

「春夏秋冬/フォーシーズンズ 乃木坂46」開幕したほ!



ほほーい! ぼくトーハクくん9月4日(土)から表慶館で「春夏秋冬/フォーシーズンズ 乃木坂46」が開幕したほ!
早速見に行こうよ、トーハクくん。事前予約はしておいたわ。

ありがとうだほ、ユリノキちゃん。表慶館エントランスホールにきたほ。ユリノキちゃん、ところでどんな展覧会だほ?


表慶館エントランスホール

春夏秋冬の花が表された7点の日本美術を乃木坂46のメンバーと重ね合わせて紹介する展覧会なのよ。
ほ?具体的にどうやってほ?
メンバー一人ひとりを日本美術の花に見立て、それに基づいて行ったパフォーマンスの映像を流すのよ。映像の近くには関連する日本美術の複製品があって、複製と映像のある展示空間そのものを作品とみなしているわ。
会場では複製の作品のみ展示しているほ?
そうよ。だけど、これまでトーハクでは見たことのないような展示が体験できて、今まで文化財に興味がなかったような人にも、文化財の魅力を感じていただけると思うわ。
ぼくはもともと文化財が大好きだほ!だけど、この展示もなんだかわくわくしてきたほ。さっそく展示室にいくほ。屛風と大きなモニターがあるほ。


複製作品:国宝 花下遊楽図屛風 狩野長信筆 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵
パフォーマー:齋藤飛鳥

「花下遊楽図屛風」に描かれた桜を連想させるようなパフォーマンスが映し出されているのよ。このモニターの前にはスリットカーテンがあって、まず、そのカーテン越しにパフォーマンスを見るわ。
「花下遊楽図屛風」にかいてある幕の間から宴会を覗く人の気分で見れるみたいだほ。

トーハクくん、ほら「夏秋草図屛風」の複製があるわよ。


複製作品:重要文化財 夏秋草図屛風 酒井抱一筆 江戸時代・19世紀 東京国立博物館蔵 
パフォーマー:(左)山下美月、(右)久保史緒里

僕も見たことあるほ。右側はにわか雨にうたれる夏草、左は強い風に吹かれている秋草がかかれていると聞いたことがあるほ。
季節の移り変わりと自然の何気ない一瞬が感じられるわね。パフォーマンスからもそれが感じられるわよ。

2階にも行くほ。同じ動きが繰り返されている映像が流れているほ。


複製作品:重要文化財 秋草図屛風 俵屋宗雪筆 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵 
パフォーマー:生田絵梨花

屛風に描かれている秋草がぐるぐるつながっているようにも見えるのを、表しているのかもしれないね。

あっ、こっちには、小さいモニターがたくさんあるほ、なんだほ?


複製作品:重要文化財 四季花鳥図屛風 伝雪舟等楊筆 室町時代・15世紀 東京国立博物館蔵 
パフォーマー:星野みなみ、与田祐希

ゴーグルとかをかけなくても裸眼で3Dの映像を見ることができるのよ。様々な場面で変わっていく季節が順に表現されているわ。


3D映像のミニジオラマ

屛風にかいてある四季が体験できるみたいだほ。
そうね。ちなみに9月28日(火)から11月7日(日)まで、本館3室では複製のもとになった作品が展示されるわ。ほかには「夏秋草図屛風」が10月5日(火)から10月17日(日)まで、「秋草図屛風」が10月5日(火)から11月14日(日)まで本館8室で展示されるわ。表慶館のあと、本館に行って実際の作品も楽しんでもらいたいわ。

ユリノキちゃん、ほかにも花が描いてある作品がみたいほ。

会期中に本館で展示している花をテーマにした日本美術15件を公式サイトのこのページでも紹介しているわ。表慶館の中にもその紹介パネルがあって、QRコードから作品情報を見られるようにしているのよ。


パネルイメージ

四季を「いま」見られるなんて、すてきだほ!紹介はもう終わりにするけど、このほかにも展示はまだまだあるほ。僕たちが見た日はあいにくの雨だったけど、ほかの展覧会よりも雨を意識しながら見れた気がして、なんだか新鮮だったほ。
表慶館には自然光が差し込む場所もあるからかもしれないね。晴れの日に行ったらまた違う雰囲気かもしれないから、それも楽しみだわ。
ユリノキちゃん、11月28日(日)まで開催しているからまた行くほ!

※入館は事前予約制です。詳細は公式ウェブサイトをご覧ください。

カテゴリ:催し物トーハクくん&ユリノキちゃん

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posted by トーハクくん&ユリノキちゃん at 2021年09月13日 (月)

 

聖徳太子1400年遠忌記念 特別展「聖徳太子と法隆寺」開幕したほ!



ほほーい! ぼくトーハクくん、7月13日(火)から開幕した聖徳太子1400年遠忌記念 特別展「聖徳太子と法隆寺」を見にいくほ!
事前予約はしたかな。日時指定券の予約が必要だから、忘れずにね.。
ばっちり予約したほ。ところで、聖徳太子といえば、みんなも冠位十二階、憲法十七条、遣隋使などの言葉と一緒に一度は聞いたことがある人は多いと思うほ。
そうだね。聖徳太子は政治制度を整えて、仏教を深く研究して、日本の文化を大きく飛躍させたのよ。
そして、その聖徳太子が創建したのが法隆寺だほ。
世界最古の木造建築があって、建築・美術・文学などあらゆる分野において、日本を代表する文化財を守り伝えてきたわ。
看板とかに書いてある言葉「和を以て貴しとなす」、これも聞いたことあるほ。
憲法十七条の1つ目の言葉だわ。仏教の教えよりも先にこの言葉がくることからも、聖徳太子の人柄が想像できるような気がするわ。

さっそく会場に行くほ。これは聖徳太子だほ?


重要文化財 如意輪観音菩薩半跏像(にょいりんかんのんぼさつはんかぞう) 平安時代・11~12世紀 奈良・法隆寺蔵

聖徳太子が創建した大阪の四天王寺のご本尊を模刻した作品よ。もともとのご本尊は今はないけど、平安時代以降、聖徳太子を観音の化身とする信仰があって、その模刻像が多数つくられたのよ。
これも聖徳太子のイメージの一つってことほか。だから最初にあるのかもほ。

トーハクくん、これはわかるかな。


聖徳太子二王子像(模本)(しょうとくたいしにおうじぞう もほん) 狩野<晴川院>養信筆 江戸時代・天保13年(1842) 東京国立博物館蔵

見覚えあるほ!聖徳太子と聞くと、これをイメージするほ。
御物「聖徳太子二王子像」の模本なのよ。幕末の幕府御用絵師、狩野<晴川院>養信が模写したわ。昔のお札でもこのイメージが使用されていて、長い間みんなに親しまれてきたのよ。

これはなんだほ。どこにも聖徳太子がいないほ。


夾紵棺断片(きょうちょかんだんぺん) 飛鳥時代・7世紀 大阪・安福寺蔵

これは聖徳太子の棺(ひつぎ)かもしれない作品よ。
なんでだほ?
ポイントは横幅らしいわ。この横幅は夾紵棺としては最大の大きさで、大阪の叡福寺(えいふくじ)の北古墳にある、聖徳太子の石製の棺台が唯一設置することが可能な大きさと指摘されているのよ。
ところで、夾紵棺ってなんだほ?
織物を漆で固めて作った棺のことよ。この夾紵棺断片は45層もの絹が貼り重ねられているらしいわ。

これはいつもは法隆寺宝物館で展示している国宝の「灌頂幡」だほ。


国宝 灌頂幡(かんじょうばん) 飛鳥時代・7世紀 東京国立博物館蔵

ほかにも普段は法隆寺宝物館に展示されている作品がこの展覧会で展示されているわ。特別展会場に展示されていると、普段とは違った見方ができるかもしれないわ。
見終わったら、法隆寺宝物館の展示室に行くのもおすすめだほ。『8Kで文化財 国宝「聖徳太子絵伝」2021』を実施しているほ!あっ大きい布があるほ。


国宝 天寿国繡帳(てんじゅこくしゅうちょう) 飛鳥時代・推古天皇30年(622)頃 奈良・中宮寺蔵 8月9日(月・休)まで展示

聖徳太子が亡くなった後に行くことになった国と伝えられる「天寿国」の様子が緻密な刺繍で表されているわ。聖徳太子周辺の信仰が絵画的表現として反映されている貴重な作品よ。

あっ、かわいらしいお像があるほ。


聖徳太子立像(二歳像)(しょうとくたいしりゅうぞう にさいぞう) 鎌倉時代・徳治2年(1307) 奈良・法隆寺蔵

聖徳太子が数えで二歳の時に、「南無仏」(なむぶつ)と唱えた伝説上の姿を表しているわ。
2歳には見えない、キリっとした眉毛と鋭い目だほ。これも聖徳太子だほ?


聖徳太子像(孝養像)(しょうとくたいしぞう きょうようぞう) 室町時代・弘治2年(1556) 奈良・法隆寺蔵 8月9日(月・休)まで展示

聖徳太子が16歳の時に、お父さんの用明天皇が病気になった時、治るようお祈りしていたというお話にもとづく肖像画よ。
ユリノキちゃん、こっち、こっち、とても立派なお像があるほ。


国宝 聖徳太子および侍者像(しょうとくたいし じしゃぞう) 平安時代・保安2年(1121) 奈良・法隆寺蔵

これは真ん中にあるのは聖徳太子のお像で、周りには聖徳太子の子どもの山背大兄王(やましろのおおえのあに)や聖徳太子の仏教の先生の恵慈法師(えじほうし)などがいるわ。聖徳太子はきりっとした表情だけど、周りの人はどこかユーモアのある表情に見えるわね。
いろんな年齢の聖徳太子が見れたほ。ほかの人は、例えば肖像画だとおじいちゃんの時のみとかで、いろんな年齢の姿をあらわした作品は少ないと思うけど、どうしてだほ?
うーん、想像だけど、様々な年での伝説や実績が語り継がれてきたからじゃないかしら。そういった様々な伝説や実績が、作品としての表現につながったのかもね。
ほー。さすが、日本の歴史上での有名人物だほ。お、塔の上に水晶がのっているほ。なんだほ?


南無仏舎利(なむぶつしゃり) [舎利塔]南北朝時代・貞和3~4年(1347~48) [舎利据箱]鎌倉時代・13世紀 奈良・法隆寺蔵

聖徳太子立像(二歳像)の作品で、聖徳太子が二歳の時に「南無仏」と唱えた伝説があるって話したけど、続きがあって、その時に聖徳太子の手からこぼれ落ちたのが、お釈迦様の遺骨と伝えられていて、それが納められているのよ。

すごい伝説だほ! あっ、こっちには大きな鈴みたいなものがあるほ。


重要文化財 五大明王鈴(ごだいみょうおうれい) 中国 唐・8~9世紀 東京国立博物館蔵

聖徳太子ゆかりの7種の宝物のひとつで、密教の法具らしいわ。8月11日(水)からの後期展示ではこの7種の宝物すべてをみることができるのよ。

楽しみだほ。こっちにはおみこしみたいなものがあるほ。


舎利御輿(しゃりみこし) 室町時代・15~16世紀 奈良・法隆寺蔵

聖徳太子がお亡くなりになった日、旧暦の2月22日には法隆寺で聖霊会(しょうりょうえ)という儀式をするんだけど、このおみこしは十年に一度とかの大きな儀式で使用されるものよ。
周りにあるお面は何か関係あるほ?仮装大会でもするほか?
このおみこしをかつぐ人たちがレプリカのお面をつけるわ。儀式の様子をイメージして展示したのよ。

ポスターとかで見たことあるお像だほ。


国宝 薬師如来坐像(やくしにょらいざぞう) 飛鳥時代・7世紀 奈良・法隆寺蔵

めったに法隆寺の外に出ることがない、今回大注目の作品よ。優しく微笑んでいるような表情、台座にまで垂れている衣、光背の唐草模様、見どころ満載だね。

これもすごいほ、お像が中から飛び出ているみたいだほ。


国宝 伝橘夫人念持仏厨子(でんたちばなぶにんねんじぶつずし) 飛鳥時代・7~8世紀 奈良・法隆寺蔵

もともとは厨子の中にある阿弥陀三尊像を別々に展示しているのね。このお像は、とても薄い銅で作られているみたいで、その技術が生み出す曲線の美しさに要注目ね。

ふー、たくさん見たほ。あらためて聖徳太子って凄い人だなって思ったほ。そして、その聖徳太子ゆかりの宝物を守り伝えてきた法隆寺も凄いお寺なんだと思ったほ。
聖徳太子に思いを寄せることで、今の世界、未来の世界を生きるヒントが見つかるかもしれないわ。


※会期は9月5日(日)まで、会期中展示替えがあります。
※入館は事前予約制。詳細は展覧会公式サイトにてご確認ください

カテゴリ:トーハクくん&ユリノキちゃん2021年度の特別展

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posted by トーハクくん&ユリノキちゃん at 2021年07月19日 (月)

 

お待たせしました。特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」開幕だほ!



ほほーい!ぼくトーハクくん。特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」がついに開幕したほ!

2020年の夏に開幕するはずだったけど、延期になって、やっと開幕となりました。皆様大変お待たせしました。

ユリノキちゃん、早く会場に行くほ! ぼくがユリノキちゃんの分まで事前予約しておいたほ。

さすがだね、トーハクくん。さっそくギガがお出迎えしてくれているわ。

鳥獣戯画 エントランスバナー 写真
バナーだほ!

ポップな雰囲気で、わくわくするほ!

まずは今から400年程前に鳥獣戯画を写した模本と国宝「鳥獣戯画 甲巻」をスクロールしている映像がある部屋から始まるわ!

鳥獣戯画 スクロール動画 写真
本物を見る前に映像で予習ができるほ

次の部屋は、皆様お待ちかね、国宝「鳥獣戯画」の部屋ね。ここで国宝の4巻をすべてみることができるわ。

国宝「鳥獣戯画」は4巻もあるほ? カエルさんとウサギさんが出てくるものだけかと思っていたほ。

国宝「鳥獣戯画」は全4巻あるのよ。トーハクくんが言っているのは、みんな大好きな「甲巻」のことだね。
ほかには、日本にいる動物と、外国の動物や空想の動物が描かれた動物図鑑のような「乙巻」。
前半は人物戯画、後半は動物戯画が描かれた「丙巻」。
二重のパロディとヘタウマに注目、最後まで飽きさせない「丁巻」があるのよ。

ほーすごいほ。でも2015年の特別展「鳥獣戯画─京都 高山寺の至宝─」では前半部分と後半部分を途中で巻き替えていて、半分ずつしか見れなかったほ。今回はどうなんだほ。

いい質問だわ。今回は、全4巻、全場面を展覧会中一挙公開しているの。前半部分と後半部分を見比べたり、違う巻を見比べたりしながら、すべてを見ることができるのよ。

すごいほ。わくわくするほ! おや、なんだか博物館では見慣れない装置があるほ。空港とかでは見たことがあるほ。

鳥獣戯画 動く歩道 写真

トーハクくん、これも今回の大きなポイント、国宝「鳥獣戯画 甲巻」は動く歩道にのって鑑賞するのよ。

なんでだほ?

絵巻を、博物館の展示のように広げた状態で見ることは、昔の見方とは異なっているの。もともと、手元で少しづつ広げては巻いてを繰り返して見ていたのよ。

先の場面に何がくるかわからなかったほ?

そうよ。場面を動かしながら見ていたから、次はどんな場面がくるのかな、とわくわくしながら見ていたのよ。だから、絵巻のもともとの鑑賞方法を皆様に体験してもらいたいと思って、動く歩道を設置したのよ。

ほー。そのために動く歩道を設置するなんてすごいほ。

動く歩道のおかげで、みんな作品の近くで同じ時間で見ることができるね。

鳥獣戯画 動く歩道 写真
国宝「鳥獣戯画 甲巻」の待機列には18:30分以降はお並びいただけませんのでご注意ください

ほー、思ったよりゆっくり見ることができたほ。甲巻の次は、乙巻、丙巻、丁巻のコーナーだほ。鑑賞のポイントはなんだほ?

甲巻との線の違いを見比べたり、巻物前半と後半を見比べたり、自分が好きな動物を探したり、描かれた人々が何をしているのか想像したり、自由に楽しんでもらいたいわ。

鳥獣戯画 乙丙丁展示室 写真
乙巻、丙巻、丁巻の展示風景だほ!

鳥獣戯画 乙作品 写真
国宝 鳥獣戯画 乙巻 平安時代・12世紀 京都・高山寺蔵
空想上の霊獣、麒麟の場面

鳥獣戯画 丙作品 写真
国宝 鳥獣戯画 丙巻 平安時代~鎌倉時代・12~13世紀 京都・高山寺蔵
目比べ(にらめっこ)と腰引き場面

鳥獣戯画 丁作品 写真
国宝 鳥獣戯画 丁巻 鎌倉時代・13世紀 京都・高山寺蔵
大木を運ぶ、木遣りの騒動に振り返る人々の場面


国宝「鳥獣戯画」満喫したほ~。第2会場にきたほ。断簡(だんかん)と模本のコーナーがあるほ。どんなコーナーか簡単に解説してほ。

断簡は、国宝「鳥獣戯画」の一部が本体から切り離され、掛け軸などに仕立て直されたものよ。模本には、国宝「鳥獣戯画」の本物では今は失われている場面も写されているの。
国宝「鳥獣戯画」の4巻と、これらの断簡と模本もあわせて、もともと存在していた「鳥獣戯画のすべて」を紹介するコーナーなのよ。

鳥獣戯画 断簡展示 写真
断簡の展示風景(第2会場)

鳥獣戯画 模本写真 写真
鳥獣戯画模本(住吉家旧蔵本) 巻第5 安土桃山時代・慶長3年(1588) 東京・梅澤記念館蔵

鳥獣戯画 全貌パネル 写真
国宝「鳥獣戯画」復原パネル

最後は、明恵上人と高山寺を紹介するコーナーよ。

国宝「鳥獣戯画」を持っている高山寺のことは知っているほ。明恵上人って誰だほ?

明恵上人はたくさん勉強して、修行を頑張った鎌倉時代を代表するお坊さんよ。その明恵上人が高山寺を鎌倉時代にたてなおしたのよ。

なんだかすごそうな人だほ。

修行のために右耳を切ったり、自分が見た夢の日記をかき続けたり、海で拾った石をお釈迦様から自分にたどり着いたものだと大切にしたりと、色々なエピソードがあるわ。

鳥獣戯画 夢記 写真
重要文化財 夢記 明恵筆 鎌倉時代・承久2年 京都・高山寺蔵 展示期間:4月13日(火)~5月9日(日)

あっ、すごいリアルなお像があるほ。

鳥獣戯画 明恵上人像 写真
重要文化財 明恵上人坐像 鎌倉時代・13世紀 京都・高山寺蔵

28年ぶりにお寺の外で公開したのよ。まるでそこにいるような存在感だね。

みてみて、これなんだほ?

鳥獣戯画 たつのこ 写真
龍子 京都・高山寺蔵

これは乾燥した状態のタツノオトシゴだわ。明恵上人はお釈迦様にあこがれていて、天竺(てんじく:インドの旧名)への旅を計画していたの。この「龍子」(たつのこ)も異国を象徴するものとして、明恵上人が大切にしていたのかもしれないのよ。

鳥獣戯画 子犬 写真
重要文化財 子犬 鎌倉時代・13世紀 京都・高山寺蔵

「子犬」も明恵上人が手元に置いて、かわいがっていたものだったそうよ。

見ごたえ十分だったほ。もう1回見たいほ。

トーハクくん、90分以内を目安に観覧するようお願いが出ているから、守りましょうね。

そうだったほ!それなら図録で展覧会を振り返るほ。

図録もすごいのよ。国宝「鳥獣戯画」の全4巻の全場面がほぼ原寸大で載っていて、鳥獣戯画の謎に迫る最新研究だけでなく、冒頭には入門編、応用編の2つのステップの解説があって、鳥獣戯画をより楽しめるようになると思うわ。

鳥獣戯画 図録 写真
図録 3,000円(税込) A4判、474ページ

この図録の厚さ!!すごいほ。最後までギガアツイ!展覧会だったほ。

トーハクくん、会場の外、平成館1階には高山寺紹介コーナーと8K映像コーナーがあるのよ。あと、本館特別1室・特別2室・14室では特集「鳥獣戯画展スピンオフ」が開催されているから、それも見ましょうね。


タイトルディスプレイ


館14室展示風景


藍釉兎 中国 唐時代・8世紀 横河民輔氏寄贈 東京国立博物館蔵 本館14室にて6月6日(日)まで展示

ユリノキちゃん!平成館企画展示室では4月27日(火)から5月30日(日)まで、親と子のギャラリー「動物のうごき」が開催されるから、それも要チェックだほ!

ほかにも、「博物館で動物めぐり」というタイトルで、本館、東洋館、平成館考古展示室の各展示室でも動物をモチーフにした作品を展示しているのよ。

動物にたくさんあえるほ!トーハク、ギガアツすぎるほ!ユリノキちゃん、二人で最後のあいさつするほ!

特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」は5月30日(日)まで、入場には事前予約が必要です!

カテゴリ:トーハクくん&ユリノキちゃん2021年度の特別展

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posted by トーハクくん&ユリノキちゃん at 2021年04月16日 (金)