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1089ブログ

上野の山で動物めぐり~ツノのある動物~

「国際博物館の日」(5月18日)を記念して、恩賜上野動物園と国立科学博物館と連携して行う、「上野の山で○○めぐり」も今年で13回目。
3館園それぞれの持ち味を生かした上野ならではの大人気イベントです。

これまではサルやゾウなど、特定の動物をテーマにしてきましたが、今年はガラッと見方を変えて、動物がもつ特徴に焦点を当てたテーマでツアーを実施しました。

今年のテーマは・・・動物の「ツノ」!
5月12日(日)にツノのある動物をテーマに上野動物園→国立科学博物館→東京国立博物館(トーハク)の順にめぐりました。
【今年のツアー日程はコチラ


参加者への説明の様子

まずは上野動物園。動物解説員の小泉祐里さんと「生きている動物のツノ」を観察します。


上野動物園でエゾシカを観察

エゾシカ(シカ科)のツノは毎年春に生え変わります。今年は3月30日に抜け落ちました。頭をみると新しいツノがすこしのび始めている様子がわかります。このツノは秋までのび続けるそうです。


上野動物園でカモシカを観察

いっぽう、カモシカはシカという名前がついていますが、実はウシの仲間(ウシ科)です。ウシ科のツノは生まれたときから生え変わらないのだそう!


上野動物園でシカのツノの生え方について解説中


バーバリーシープやクロサイのノの標本を実際に触ってみます

ひとことで「ツノ」といってもさまざま。動物たちそれぞれにいろいろな特徴があり、ツノの太さや硬さ、枝分かれの数、重さや形のちがいなどをじっくり観察していき、続いて国立科学博物館へゴー。

国立科学博物館 研究員の藤田祐樹さんに「絶滅動物のツノ」をテーマに、お話を伺いました。


国立科学博物館でジャイアントバイソンの標本を見学

動物園で観察した、今も生きている動物たちと絶滅した動物のツノを見比べてみたり、骨格を見ながらどのようにツノを使っていたか探っていきます。


国立科学博物館でアルシノイテリウムの標本を見学

次にトーハクへ移動し、平成館企画展示室で展示中の親と子のギャラリー「ツノのある動物」(~2019年5月26日(日)まで) を教育講座室の阿部楓子さんが紹介しました。

美術工芸品や道具に使われたツノや、恐ろしさや神聖なものの象徴としてのツノ、ヒトが想像した空想の動物など、ツノはいろいろな姿で登場します。


トーハクでヒトがそうぞうしたツノについて解説中


東京国立博物館で展示室内を見学

最後は本館地下みどりのライオンに移動して、参加者のみなさんに3つの施設で見たツノをヒントに「こんなツノがあったらいいな」と思うツノをグループごとに描いてもらいました。


理想のツノを描画中

カラフルに装飾されたツノ、重厚なツノ、日除けのように広がったツノ、はたまた植物が生えたツノなど、新たなアイディアや発見を取り入れた、楽しいツノがたくさん発表されました!
解説を担当してくださったみなさんもあっと驚くような楽しいワークショップとなりました。


まとめの様子

多くの文化施設が並立する上野ならではのこのツアー。さて来年のテーマはどうしましょうか。
平成館企画展示室で展示中の親と子のギャラリー「ツノのある動物」(~2019年5月26日(日)まで) では会場のアンケート欄にて来年のテーマを募集中です。
みなさんの斬新(ざんしん)なアイディアをお待ちしております!
来年もどうぞお楽しみに。

 

カテゴリ:教育普及催し物

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posted by 竹下みき(教育講座室) at 2019年05月16日 (木)

 

松林図の世界を間近で体感! ~高精細複製品によるあたらしい屛風体験

こんにちは、文化財活用センターの小島です。
まもなく新しい年を迎えますが、みなさま新年はどのように過ごされますか?

トーハクではお正月の定番「博物館に初もうで」が開催され、1月2日(水)から1月14日(月・祝)には国宝「松林図屛風」が2年ぶりに本館2室(国宝室)で展示されます。

国宝 松林図屏風
国宝 松林図屛風 長谷川等伯筆 安土桃山時代・16世紀
2019年1月2日(水)~1月14日(月・祝)、本館2室(国宝室)にて展示


松林図屛風は日本の水墨画の最高傑作と称えられる作品で、松の樹が勢いのある筆の動きと墨の濃淡だけで描かれています。霞の間から松が見え隠れする様子や、冷たく湿った大気などその場の雰囲気が表現されています。

今回の「博物館で初もうで」(2019年1月2日(水)~2019年1月27日(日))では国宝の展示に合わせて、本館1階の特別4室にも高精細複製品の「松林図屛風」を展示します。松林図の世界を体感いただくために、高精細複製品にプロジェクションマッピングで映像が映し出される体験型の展示です。

オープニング映像の一場面
オープニング映像の一場面
 
屏風には晩冬の松林の一日は映し出されます。朝もやの中から松林が浮かび上がり、陽の光によって松の色が変化し、雪が降り積もり、夜を迎えます。みなさまの記憶の中に現れる光景と重ねてみることで、作品の音や空気を感じることができるかもしれません。

朝もやの中の松林
朝もやの中の松林
 
屏風の前には20枚の畳を敷き詰めた広間があります。ぜひ、靴を脱いで、畳に座り、作品の世界にはいりこんでゆっくりと情景をお楽しみください。

そして、1月14日(月・祝)までは体験型展示をお楽しみいただいた後に、国宝の松林図屛風をもう一度ご覧いただければ、とてもうれしく思います。ぜひこの機会に、松林図の世界をお楽しみくださいませ。

高精細複製品によるあたらしい屛風体験「国宝 松林図屛風」は1月2日(水)から2月3日(日)の間、本館特別4室で展示しています。

カテゴリ:催し物絵画

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posted by 小島有紀子(文化財活用センター研究員) at 2018年12月26日 (水)

 

カンシャ・カンシャー・カンシェストの3日間、トーハク感謝DAY2018

さて、早いもので今年も12月となり、クリスマスが目前に迫ってきました。
今年のご予定はお決まりですか?
突然ですが、昨年同様トーハクのクリスマスは「トーハク感謝DAY」となりました。

いや、そもそもトーハクとクリスマスに何の関係があるのだ、と
昨年も自らに問うた深淵なる命題がそこには横たわっているわけですが、そのあたりはさて置き、今年「も」クリスマス、トーハクは入館無料!
正確に言うと、年内最後の開館となる12月23日から25日の3日間は入館無料!
クリスマスムードに便乗しようなどという、よこしまな気持ちは一切ありません。
今年「も」たまたまクリスマスと被っただけです!

というわけで、トーハクが年内最後の開館となるこの3日間、すべての来館者の皆様に感謝を込めてお贈りする「トーハク感謝DAY 2018」。
昨年よりもちょっぴりパワーアップした各種催しを簡単にご紹介させていただきましょう。



まずは今年もやります、クリスマスコンサート
もちろん無料でお楽しみいただけます。館員一同の感謝の気持ちを音楽に託したものですが、まさにクリスマスシーズンぴったり。
出演は、ジュスカ・グランペール、園田亮さん、Kさんがなんと日替わりで館内各所を駆け巡ります。


ジュスカ・グランペール(ギター・高井博章さんとバイオリン・ひろせまことさんのアコースティックデュオ)


園田亮(ソノダオーケストラ、ピアニスト・キーボーディスト・作曲家・編曲家)


K(韓国・ソウル出身のJ-POPシンガーソングライター)

約30分という短い時間ですが、一流アーティストの無料コンサートを館内各所でお楽しみいただける贅沢な機会!
ダイワハウス工業の協力により、12月23日(日・祝)は法隆寺宝物館が燈火器によって幻想的な空間に変わります!
実施時間・場所などの詳細はウェブサイトでご確認ください。

25日までご覧いただける日中平和友好条約締結40周年記念 特別企画「中国近代絵画の巨匠 斉白石」へもぜひお立ち寄りください。
中国近代絵画の巨匠・斉白石(せいはくせき)の人と芸術を紹介する作品の数々が東京で見られるのも、残りわずかとなっております。

25日はトーハクくん、ユリノキちゃんも年内最後のごあいさつに登場予定。


登場はいずれも本館エントランス 11:30~、13:15~、14:45~(各30分程度)
 
ただいまお休みを頂戴している本館1階のミュージアムショップも、感謝DAYにあわせて現在急ピッチで改修を行っております!
展示を見終わって最後にお立ち寄りいただき、心に残った作品や楽しかった1日を思い出せるお手伝いを誠心誠意させていただきます。
 
また、普段は12:30~15:30の間だけ行っております託児サービスについても、トーハク感謝DAY2018の期間はご利用時間を10:00~13:00、14:00~17:00に拡大いたします。

そして、今年のトーハク感謝DAY2018最大のポイント、スタンプラリー「トーハク探偵:トーハクの秘密を探せ!」についてご紹介しましょう。

特別展を見終わった後、総合文化展をすべて見るには中々体力と時間が…という方、彫刻や刀剣などお好きなジャンル以外は何かきっかけがないと…いう方にとって、5つの建物にまたがる総合文化展の会場をすべて回るのはハードルが高いと思います。
(かく言う私も全ての展示室を制覇するには時間がかかりました…)

そんな皆様にとって改めてトーハクの魅力を感じていただこうと、全ての展示館をめぐるスタンプラリーを実施いたします。
各展示館のどこかに1つずつあるスタンプには、展示物以外でもこんなところにも注目してほしいと思ったポイントが描かれています。


デザイナーの樽見星爾さんとイラストレーターのたかはたまさおさんによる素敵なコラボです。

普段皆様が何気なくご覧になられている展示室や建物に隠された「トーハクの秘密」。
トーハク探偵たちと発見すれば、ちょっとドヤ顔でご家族やご友人に自慢できること間違いなし!

全てのスタンプを集められた方には各日先着1,000名様に来年の干支である「猪」を描いたポストカードをプレゼントいたします。


重要文化財「埴輪 猪」モチーフにした可愛いポストカード

いかがでしたでしょうか。
今年もトーハクは感謝の気持ちを込めて、皆様が素敵な思い出を残せる様、精一杯お手伝いをさせていただきます。
おひとりでも、カップルでも、ご家族でも、年の瀬とクリスマスをお楽しみいただけますよう、クリスマスイブイブ、クリスマスイブ、クリスマスの3日間、トーハク感謝DAY2018に皆様のご来場を心よりお待ちしております。

カテゴリ:news催し物

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posted by 岡部孝之(総務課) at 2018年12月19日 (水)

 

トーハクボランティアデー、終了しました!

12月1日(土)・2日(日)、トーハクボランティアデーが開催され、ボランティア募集説明会と活動紹介ツアー、たくさんのガイドツアーが実施されました。

ボランティア募集説明会も開催されたことから、トーハクボランティアとして活動してみたい、どんな活動か知りたい、という方のご参加も多くありました。
また、お目当てのガイドツアーを目指して、もしくはたくさんのガイドツアーに参加してみたいとの思いでご来館された方もあったようです。

トーハクボランティアデーがどんなイベントかは、ボランティアデー紹介のページや、1089ブログ11月26日記事「今年も行います!トーハクボランティアデー」をご覧ください。


トーハク職員による募集説明会

募集説明会では、トーハクボランティアの活動内容や応募時の注意点などをご説明しました。
「ボランティア」のイメージは人それぞれ。館によって、組織によって、ボランティアの考え方や活動のあり方は少しずつ異なります。
そこで、ボランティア室長から「トーハクのボランティア」の考え方・特徴をお話ししました。




ボランティアと一緒にまわる活動紹介ツアー

トーハクのボランティアは、本館19室のみどりのライオンや、東洋館オアシスなどの体験コーナーで体験のサポートや、本館エントランスや本館17室でのご案内を基本的な活動として行っています。
それらの活動場所を現役ボランティアとともにめぐり、実際に活動者がいる場合は、活動しているボランティアからもお話を聞いてもらいました。
活動紹介ツアーの参加者の方は、トーハクボランティアへの応募を考えている方も多く、活動の実際について、具体的にご質問されていました。

 


ガイドツアーも2日間で網羅!

トーハクのボランティアには16の自主企画ガイドグループがありますが、そのうち、15のグループがこの2日間でガイドツアーやワークショップを実施しました。
いつもはばらばらの日程で実施されるガイドツアーが、この2日間に集中して実施されることもあり、ガイドツアーをはしごされるお客様も。
ガイドツアーの参加人数も50人~100人に至るものもありました。ご参加の人数が多く、作品が見えにくい方もあったかもしれません。しかし、ボランティアの熱いガイドがみなさまの作品鑑賞の一助になっていればと思います。
たくさんのお客様にご参加いただき、ボランティアのみなさんも、生き生きと活動していたように思います。

  


ボランティアデーは特別バージョンのワークショップもありました。
アートスタジオグループ実施の勾玉づくりのワークショップは、通常は子ども向けに実施していますが、この日はボランティアデー特別バージョンとして、大人向けに実施しました。




もちろん通常の活動もやってました

ボランティアデーイベントがたくさん実施されているなかでも、通常の活動も行っていました。
館内各所でのご案内や体験活動のサポートなど実施しておりました。

 


12月1日(土)には月例講演会が開催されました。
こちらでは、トーハクボランティアのイベント班のメンバーがイベント運営補助の活動をしていました。
写真は、講演会の資料準備の様子です。




トーハクボランティアは、トーハクが大好きで、その魅力を皆様にも味わっていただきたいと思い、活動しています。
現在、平成31年度から3年間活動するボランティアを募集しています。
応募方法はこちらの募集案内をお読みの上、郵送でお送りください。
応募期間は12月10日(月)~平成31年1月10日(木)(17:00必着)です。
みなさまのご応募お待ちしております。

カテゴリ:教育普及催し物

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posted by 永田香織(ボランティア室アソシエイトフェロー) at 2018年12月10日 (月)

 

今年も行います! トーハクボランティアデー

12月1日(土)・と2日(日)にトーハクボランティアデーを開催します。
この2日間、東京国立博物館のボランティアによるさまざまなイベントがあります。
ボランティアと一緒にトーハクを楽しみたい方、ボランティア活動に興味がある方、ぜひご来館ください。

そもそもトーハクボランティアって?
トーハクボランティアは、約150人、3年間の任期で活動しています。
年齢は10代から70代後半まで、それぞれの興味や関心もさまざまです。

そんな中でも大切な共通点があります。
それは、みんなトーハクが大好きなこと!
そして、来館者の皆様にも楽しんでいただきたいと思っていることです。



どんな活動をしているの?
本館入り口や、平成館への渡り通路付近などで、腕章をつけたボランティアを見かけたことはありませんか?
来館される方たちが迷わないよう、また、より充実した時間が過ごせるようにご案内しています。
また、本館19室のみどりのライオンや、東洋館オアシスなどの体験コーナーで、皆さんに楽しんでいただこうと、お声がけやサポートをしています。

そのほかにも、講演会やワークショップ、スクールプログラムなどのサポート、ボランティアのクラブ活動にあたるガイドツアーなども行っています。

 

ボランティアデーはどんなイベントがあるの?
ボランティアデーでは、クラブ活動にあたる「自主企画グループ」も大活躍します。
ある分野を好きなボランティア同士が集まり、自分たちで勉強会をし、ガイドツアーなどを行います。
現在16グループが活動し、そのほとんどが、ボランティアデーに参加します。

各展示館のハイライトや分野別のガイド、樹木やたてもの、庭園茶室ツアーなどの屋外でのガイドのほか、お茶会やワークショップなどもあります。
どれも初めての方にもわかりやすく、お気軽にご参加いただける内容でお楽しみいただけます。
2日間にわたって、さまざまなガイドツアーがあるので、ぜひ、お好きなガイドに、いくつでも参加してみてください。
※一部、当日先着順の定員制や、事前申込制のイベントがあります

 

ボランティアデーだけの「活動紹介ツアー」
興味はあるけれど、私でもできるかな、どんなやりがいがあるのかな、もう少し具体的に活動を知りたいと思っている方は、ぜひ、この日だけの「活動紹介ツアー」にもご参加ください。

ボランティア活動を行っている場所をめぐりながら、ボランティアが活動内容をご紹介するツアーです。
お客様からどんな質問があるのか、どんな準備をしたほうがよいのか、ボランティア活動を始めてどんなことを感じているかなど、具体的に聞くことができます。
少人数でめぐりますので、和気あいあいとした雰囲気で、気軽に質問もすることができます。
現役ボランティアの本音を聞いて、応募前に、不安を解消することができます。




平成31年度ボランティア募集中
ボランティアデーでは、平成31年4月から3年間活動する、新規ボランティアの募集説明会も行います。
活動の内容や応募の注意点を職員がお話します。
これから応募を考えている方は、あわせてご参加ください。
応募にはこちらの募集案内をお読みの上、郵送でご応募ください。
応募期間は12月10日(月)~平成31年1月10日(木)までです。

ボランティアのお祭りのような、にぎやかな2日間です。
初冬のひととき、ボランティアデーのトーハクで楽しんでみませんか?

 

カテゴリ:news教育普及催し物

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posted by 鈴木みどり(ボランティア室長) at 2018年11月26日 (月)