こんにちは。ボランティア室の神辺です。
今年も東博ボランティアデー(通称ボラデー)が12月1日(金)、2日(土)に開催され、盛況のうちに幕を閉じました。神辺は今年4月よりボランティア室に配属となり、初めてのボラデー運営でした。ボラデーについて事前に「ともかくボランティアさんたちの熱量が半端ない」というふんわり怖い情報を得ており、しかしその熱量への具体的な対策は思いつかないまま、ボランティア室最大のイベントかつボランティアの祭典であるボラデーの初日を少々緊張して迎えました。
今回はそんな初々しい目で見たボラデー2日間の様子をレポートいたします。
そのまえに「トーハクボランティアデーって何?」という方、1089ブログ11月21日(火)「ボランティアデーと平成30年度からのボランティア募集のお知らせ」を先にお読みくださいませ。
ちなみにトーハクボランティアによる自主企画グループは全部で16種類ありますが、今年のボラデーにはそのうち14種類のグループが参加しました。
それでは、平成29年度のボランティアデーレポート、時系列でどうぞ。
| 12月1日(金)―1日目 | |
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9:30 前日夕方の天気予報で台東区の降水確率30%だったのに、朝からしっとりと小雨。しかも寒い。運慶展の熱狂、開館前の正門の長打の列は今はもう、影も形もありません。祭典のスタートとしては少々心細いですが、ボラデーの幕開けです。まずは庭園茶室ツアーの整理券配布からスタート! 庭園茶室ツアーは18名限定の人気のツアー。30分ほどでめでたく整理券配布終了。 |
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10:00 鈴木ボランティア室長によるボランティア募集説明会(1回目)開始。 トーハクボランティアの目的や具体的活動について詳しく説明するため、来年度トーハクボランティアに応募予定の方には必聴の内容です。 募集案内はこちら |
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10:20 ガイドツアートップバッターは考古展示室ガイドです。 ボランティアガイドツアーは「初めて来館された方にも楽しんでもらう」「作品以外のトーハクの魅力を知るきっかけづくり」が目的です。そのため、わかりやすい言葉づかいや話し方を心がけています。 |
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10:30 考古展示ガイドが順調に進んでいることを見届けて、ボランティア活動紹介ツアーにかけつけます。案内人は現役のボランティア。トーハクボランティアの活動の中心であるお客様へのご案内と教育スペースでのお客様の対応を実際にご覧いただきます。 ツアー参加者はボランティア活動に興味深々の様子。楽しくおしゃべりしながらのツアーです。「トーハクボランティアに合格する秘訣は?」なんていうトンデモ質問も飛び出します。 |
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11:00 朝イチで整理券を配布した庭園茶室ツアーが出発です。庭園にある5つの茶室をめぐります。 皆様、庭園の美しい紅葉と茶室の趣向を堪能されていました。 |
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12:00 鈴木ボランティア室長によるボランティア募集説明会(2回目)開始。 室長の最初のひとこと「昼食ではなく説明会を選んだ皆様ようこそ」 |
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12:00 たてもの散歩ツアーも正午スタート。本館、東洋館、表慶館など建物に着目するツアーです。 いつの間にか雨もやみ、前庭から本館の外観についてご案内。トーハクで一番大きな重要文化財、本館。「正面玄関の屋根には鳳凰の形をした鬼瓦があります」とのこと。 |
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12:30 本日2回目のボランティア活動紹介ツアー。 ボランティアが手にしている旗は各ボランティアの手作りです。 |
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12:50 天候を気にしながら樹木ツアースタート。館内の木々について紹介します。 トーハクのシンボルツリー、ユリノキはすっかり葉も落ちてしまいましたが、庭園には常用樹、落葉樹いろいろあり、鮮やかです。 |
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ツアーは説明者だけでなく、お客様がはぐれないよう最後尾にもガイドのパネルを持ったボランティアがいます。樹木ツアーなのでパネルもかわいいもみじのかたち。 |
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14:10 野外でのガイドのあとは本館ハイライトツアーです。本館2階「日本美術の流れ」を案内します。 本館7室は屏風と襖絵の展示室。円山応挙筆波涛図をご紹介。「応挙56歳、画家の魂の漲る力作です。どうぞ、この大きなうねりの波の中にご自身を置いて、部屋全体が波に満たされていることを想像してみてください。」ボランティアさんのトーク、しびれます。 |
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美しく色づいたイチョウを横目に見つつ、今度は法隆寺宝物館へ。 |
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15:00 法隆寺宝物館ガイドの始まりです。本日はガイドツアー以外にお客様はなく貸し切り状態。贅沢な時間です。 第6室に展示中の「商山四皓 文王呂尚図屏風」は大きな作品。ボランティアさん、身振り手振りを交えてダイナミックにご紹介。 |
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15:50 再び本館。本日最後のガイドは彫刻ガイドです。 サポートのボランティアさんはガイドツアーに参加されないお客様への配慮も欠かしません。スペースを空け、通路も確保します。 |
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16:00 彫刻ガイドをちょっと抜け出し、鈴木ボランティア室長によるボランティア募集説明会(3回目)へ。 トーハクの広報大使トーハクくんが見守っています。 これにて、初日終了。 |
| 12月2日(土)―2日目 | |
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9:30 昨日とは打って変わって晴天の朝! 本日はガイドツアーが11種類! それに加えてお茶会もあります。週末ということで多くのお客様の来館を期待しつつ、まずはお茶会の整理券配布からスタートです。 |
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学生さんから年配のご夫婦までいろんな方が整理券をもらいにいらっしゃって、あっという間に一席目満席。二席目も残り3席。 |
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10:00 本日も始まりました、鈴木ボランティア室長によるボランティア募集説明会(通算4回目)。 朝から大勢の方が集まってくださいました。 |
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10:20 浮世絵ガイドが始まりました。 酉の市や忠臣蔵など師走の風物詩がテーマで、馴染みがある地名もでてきて、皆さん「わかるわかる」とうなずいてらっしゃいます。 |
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10:30 浮世絵ガイドから10分後、ボランティア活動紹介ツアーが出発です。案内人の皆さん、本日も張り切っています! トーハクボランティアについて知りたければ、まず説明会を受け、紹介ツアーに参加する、というのがおススメコース。大半の方がそのコースを選択。 |
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10:55 もうすぐ11時。11時は2つのガイドツアーとお茶会が同時スタートです。ガイド集合場所である本館エントランスはガイドの呼び込みとお目当てのガイドへ向かうお客様で活気があります。 そこへ広報大使ユリノキちゃんとトーハクくんも登場。現場はいっそう華やいだ雰囲気に。 |
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11:00 樹木ツアー、英語ガイドそしてお茶会。 まずはお茶会の様子を見に、応挙館へ参りましょう。 |
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さきほどの本館エントランスの喧噪とは打って変わって、応挙館は静寂のひととき。「東博流ですのでお作法は気にせずにどうぞ。」という案内役のボランティアさんの言葉にお客様の緊張が少し緩みます。 舞台裏では陰点の真っ最中。 |
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そおっと襖をしめて、さて次は樹木ツアー。 昨日にひきつづき大勢参加されています。菩提樹の名前の由来や楠の香りなどパネルや木の見本を使っての紹介はわかりやすいです。毎日見ている庭園の木々なのに知らないことばかり(汗) |
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樹木ガイドの皆さんの博識に感心しつつさてお次は英語ガイドへ。本館2階へGO! 英語ガイドは本館2階の展示品からハイライトとなる作品を選び英語で説明します。 参加者はうなずいたり、笑ったりしながら興味深く作品を見ています。和やかな一体感があるツアーです。 |
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11:30 続いては東洋館ガイドです。ボランティアデーのためのスペシャルツアー「世界遺産を巡る旅」を行っています。 目を見張る大盛況ぶり。ツアーサポートのボランティアさんがパネルを掲げて作品の場所を示してくれています。 |
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11:55 東洋館から室長の募集説明会のため本館へ向かう途中、これから始まる刀剣ガイドのチラシを配布するボランティアさんに遭遇。 なんだかまるで舞台女優のよう。 |
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優しい親子連れがチラシを受け取ってくれました♪ お待ちしておりま~す。 |
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12:00 鈴木ボランティア室長によるボランティア募集説明会(通算5回目)開始。 博物館と来館者をボランティアがつなぐ♡ という説明、その通りだなぁとしみじみ納得。 |
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12:10 トーハクボランティアの意義を再確認しつつ刀剣ガイドへ。 こちらも大盛況。参加人数が多いため2階5・6室から見るグループと1階13室から見るグループに分かれます。 |
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スムーズなツアーを行うため、お客様を誘導したりトーク時間を計ったり、別グループの動きを確認したりとトークを行わないサポートのボランティアさんも活躍しています。 |
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12:30 本日2回目のボランティア活動紹介ツアー。 ボランティア自身の経験を交えてお話します。ツアー参加者からの質問とそれに対する返答が時間いっぱい続きます。 |
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13:00 近代の美術ガイドとお茶会二席目がスタート。 トーハクには明治以降の優れた美術品も所蔵しています。それでは近代の美術ガイドを聞きに本館の18室に参りましょう。 後ろのお客様も作品を見ることができるようにしゃがんでくださる前列のお客様。お客様の優しい対応にちょっと感動。 |
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心温まりながらお茶会のため再び応挙館へ。 お茶会ではお点前終了後、応挙館にまつわるエピソードに関するある演出を行います。 隣の部屋の襖があいて、皆さま興味深げに何かをご覧になっています。どのような演出か気になる方、ぜひ次回のお茶会にご参加ください。 |
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13:25 お茶会は続いておりますが、陶磁ガイドが始まるためいったん本館へ。 本館テラス脇のモトヤカフェからコーヒーのいい香りが漂ってきます。燃えるような紅葉を見ながら池のほとりでコーヒーブレイク…いかん、いかん誘惑を断ち切り、本館へ戻ります。 |
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13:30 陶磁ガイド、本日はお着物のガイドさんもいます。 |
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14:00 お次は大人気の本館ハイライトツアー。本日も大入りです。 9室能装束の展示室「能と歌舞伎」にて、能「三井寺」の能面について「人生経験を経た中年の女性を表す面で、若い女性の面よりも頬のふくらみがなく、髪がやや乱れ、憂いをふくみ・・・」とのこと。アラフォーの神辺、能面にがぜん親近感がわきました。 |
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14:40 急ぎ1階11室の彫刻ガイドへ。 「阿弥陀如来は西の果ての極楽浄土から迎えにきてくれます」とのこと。トークをするボランティアさんの姿は見えませんが、わかりやすいトークが聞こえてきました。 |
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15:10 彫刻ガイド終了後、法隆寺宝物館へ急ぎます。 こちらにも軽食の屋台。コーヒーの良い香りが鼻孔をくすぐります。 |
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法隆寺宝物館第1室の灌頂幡について「現存する古代の灌頂幡はこの作品以外はすべて織物で作られています」とのこと。 |
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16:00 鈴木ボランティア室長によるラストのボランティア募集説明会(通算6回目)が始まりました。 皆さん熱心に耳を傾けてくださっています。この回は若い女性の参加者が多いなあ。 |
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同時に考古展示室ガイドもスタートです。これがボラデー最後のガイドツアーです。 通常とは違う夕刻のガイドにもかかわらず、大勢の方が集まってくださいました。未来の考古博士の姿もあります。土偶、銅鐸、埴輪、古墳…簡潔にテンポよい解説です。 |
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考古展示室ガイドをもって2日にわたるボラデー全ての説明会、ツアーが終了しました。研究員のギャラリートークとは一味違った、初めて来館された方にも楽しんでもらう作品紹介や建物や樹木ガイドを通じて新しいトーハクの魅力をお伝えできたのではないかと思っております。またブログではお伝えしきれませんでしたが、トーハクボランティアの中心的であり日々の活動でもある「ご案内」「お客様対応」のボランティアさんも大活躍でした。 説明会、紹介ツアー、ガイドツアーに参加くださったお客様がボラデーを通じてトーハクボランティアのことを知っていただき、親しみを感じてくださったなら幸いです。 トーハクボランティアのみなさまお疲れ様でした。 |
平成30年度ボランティア募集中
応募にはこちらの募集案内をお読みの上、郵送でご応募ください。
応募期間は12月11日(月)~1月11日(木)までです。
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posted by 神辺知加(ボランティア室) at 2017年12月11日 (月)
ボランティアデーと平成30年度からのボランティア募集のお知らせ
毎年12月の初めにおこなう、ボランティアのイベント満載の日、東博ボランティアデーが近づいてきました。
今年は12月1日(金)と12月2日(土)に開催します。
この2日間は、ボランティアによるさまざまなガイドツアーなどを行いますので、トーハクを楽しみたい方やボランティア活動に興味がある方は、ぜひご来館ください。
ボランティアデーはどんなイベントがあるの?
この2日間は、ボランティアのグループによるガイドツアーなどのイベントがたくさんあります。
12月1日は7種類の、12月2日には、なんと12種類ものガイドツアー等があります。
各展示館や分野別のガイド、樹木やたてものなどのガイドのほか、お茶会などもあります。
どれも初めての方にもわかりやすく、お気軽にご参加いただける内容でお楽しみいただけます。
また、いつものガイドツアーとは一味違った、ボランティアデーならではのご案内を計画しているグループもあります。
ボランティアと一緒に館内をめぐったり、作品を見たりすることで、今まで気づかなかったトーハクの楽しみ方を発見できるかもしれません。
出入りは自由ですので、お好きなものにいくつでも参加してみてください。
※一部、当日先着順の定員制があります

ボランティアデーだけの「活動紹介ツアー」
さらに、この日は特別に、ボランティアが自分たちの活動内容を皆さんにご紹介するツアーも行います。
各活動場所でどのような活動をしているか、お客様からどんな質問があるのか、ボランティア活動にどんなことにやりがいを感じているかを、少人数のグループに分かれてご案内します。それぞれのボランティアの本音を聞くことができるでしょう。
博物館でのボランティア活動に興味をお持ちの方や、トーハクに興味がある方は、このツアーも、ぜひお勧めです。

トーハクボランティアって、どんな人たち?
トーハクボランティアは現在、全部で約140人いて、3年間の任期で活動しています。
普段は、来館者の方へのご案内や、体験コーナーのサポートなどを中心に活動しています。
ボランティアによっては、それに加えて、講演会やワークショップ、スクールプログラムなどのサポートをしたり、ガイドツアーなどのクラブ活動に入ったりしています。
ボランティアはトーハクが大好きで、たくさんの楽しみ方を知っています。
来館者の方たちにも楽しんでいただこうと、笑顔でご案内しています。
「今日は何を見ようかな」、「一番近いお手洗いはどこ?」「今日の感動を誰かと分かち合いたい」、そんなときはぜひ、館内のボランティアに気軽にお声がけください。

平成30年度ボランティア募集中
ボランティアデーでは、平成30年4月から3年間活動する、新規ボランティアの募集説明会も行います。
活動の内容や応募の注意点を職員がお話します。
ご質問もお受けしますので、これから応募を考えている方は、あわせてご参加ください。
応募にはこちらの募集案内をお読みの上、郵送でご応募ください。
応募期間は12月11日(月)~1月11日(木)までです。
ボランティアの祭典のような、にぎやかな2日間になります。
初冬のひととき、ボランティアデーのトーハクで楽しんでみませんか?
| 記事URL |
posted by 鈴木みどり(ボランティア室長) at 2017年11月21日 (火)
秋深まる今日この頃。皆様いかがお過ごしでしょうか。保存修復室の横山です。
今年も、秋の庭園開放(2017年10月24日(火)~12月3日(日))の季節がやって参りました。毎年楽しみにしてくださっている方も、初めて庭園を訪れる方も、今年はぜひ、茶室「九条館」の前へお越しください。
トーハクファンの方は、きっとすぐに「おや? こんなところにこんなものがあったかな?」と気づかれるでしょうし、長年お付き合いくださっているディープなファンの方は、「お! 戻ってきたのか!」と思っていただけるかもしれません。九条館の前に、修理を終えた「大燈籠」が実に“8年ぶり”(修理期間も含めて)に、戻ってきました!

修復を終え8年ぶりに設置された大燈籠
この燈篭は、れっきとした東博の館蔵品(列品:G-4218)です。
京都で、現在も代々続く陶家・清水六兵衛家の四代(1848-1920)によるもので、陶製です。四代が61歳のときに作り、昭和13年(1938)に五代によって寄贈されました。陶製の燈籠という、器にとどまらない四代の作風の幅の広さを伝えるものとして、大変貴重な作例です。
近くでご覧いただければ、その大きさ、迫力に驚かれることでしょう。
総高は、2メートル30センチ強。宝珠、傘、火袋、中台、竿、基礎部、の大きく6つの部分から成り、総重量は1トンを超える、大変堂々とした作品です。
大燈籠をめぐる、この8年にはいろいろなことがありました。語りだすと、ちょっと長~くなってしまうのですが、およそ次のようなことが起こっていました。
【2009年10月】
日々、外で風雨に晒される状況から、燈籠の亀裂等劣化が進行
加えて不安定な地盤の状況により、いつ倒壊してもおかしくないことが指摘されていた
そこで、現場調査を実施し、いったんこの場所から撤去することが決まる

修復前の大燈籠 表面の旧修理痕、ズレや傾きが目立つ
【同年11月】
本館裏へ、解体して移動(担当は、重機を専門とするチーム!)
【2010年~13年】
修理に向けた調査・検討を重ねる
前例のない修理のため、修理仕様の決定、業者選定等にも慎重を期す
この間、3.11も発生。もし、従前の場所にそのままあったとしたら…(ドキり)
【2014年春】
会議に諮り、修理業者を決定
大型彫刻の修理を数々手掛けてきた「明舎(みんしゃ)」(代表:藤原徹氏(山形県))が行なうことになる
【2014年11月】
修理に向け、山形へ出発

大燈籠の搬出作業
【~2016年9月末】
明舎にて修理を実施
クリーニング、旧修理材の除去、新たな充填、補強等が施される
【2016年12月】
修理を終えた大燈籠を東博へ輸送
すぐに再設置を予定するものの、今後のさらなる安定性を確保するため、地盤の水平工事を行なうことになる
【2017年春】
設置箇所の地盤工事を実施
【同年6月】
満を持して、大燈籠を再設置!
2tトラック、クレーン、足場セッティングによる大掛かりな作業となる

大燈籠を再設置 1つずつパーツを持ち上げていきます
【同年10月】
秋の庭園開放にて一般お披露目
…本当に、いろいろなことがありました(しみじみ)。
大きな作品を安全に扱うことの難しさ、天候に左右される屋外作業の大変さを感じることの連続でした。
たくさんの人の手を経て、ようやく戻ってきた大燈籠。これからも庭園を彩るシンボルの一つとして、訪れた皆さまにあたたかく見守っていただければと思います。
なお、この燈籠にどういった修理が行なわれたのか、その詳細は、来春の「東京国立博物館コレクションの保存と修理」(2018年3月)でご紹介します。こちらもぜひ、お楽しみに!
| 記事URL |
posted by 横山梓(保存修復室研究員) at 2017年10月18日 (水)
現在、本館19室 みどりのライオン体験コーナーで展示中の工程見本「紅型ができるまで」はご覧になりましたか?
今回、その制作を行った東京藝術大学大学院インターンによる紅型体験のワークショップを8月10日に子ども向け、22日に大人向けで行いました。
子どもたちは、同じ型紙を使って染める工程体験し、大人たちはさらに型紙を彫るところから染めまで体験しました。
今日はその様子をご紹介します。

ワークショップのはじめには、紅型とはどんなものなのか? どのように制作されるのか? を知るために展示室へ作品の鑑賞へ行きました。
まず向かったのは、本館16室 アイヌと琉球 琉球の暮らし。
そこには、工程見本の原品「紅型衣装 白木綿地牡丹模様」が展示されています(9/3で展示終了)。
一面に色鮮やかな模様が染められた華やかな作品です。
紅型って知っていますか?
沖縄には行ったことはありますか?
何色使われていると思いますか?
どんな模様がありますか? などなど
藝大生の問いかけに対し、会話をしながらじっくり鑑賞していきます。

模様が繰り返しているのがわかりますか?
“模様の繰り返し??” 目を凝らして探します。
そう、この作品の模様は、1枚の型紙を繰り返し使ってできています。
模様の繰り返しの継ぎ目を見つけると、型紙を置いた位置がわかります。

継ぎ目を探そうと必死です
次に本館19室 みどりのライオン体験コーナー 「紅型ができるまで」の工程見本を見に行きました。
ここでは、紅型の制作工程の説明を受け、ますますやる気が高まります!

工程見本を前にこれから体験することをイメージトレーニング?
そして、待ちに待った紅型体験です!
大人の方は、型紙を彫る工程から始めます。
型紙には、本来は柿渋を塗った和紙を用いますが、今回は扱いやすいプラスチックが原料の紙を使用しました。
いくつか用意してある古典紅型の模様の中からどれを選ぼうか、皆さん楽しそうでした。

シューッ サクサクサク 型紙を彫る音しかしません
皆さん一気に集中モード
型紙を彫ったら、布に型紙をのせ、その上から防染糊を置きます。
ここは難しいので、藝大生が担当しました。

糊を乾燥させたら染めの工程です。今回は、トートバッグに染めていただきました!
はじめの一色は、子どもも大人も緊張でなかなか差せません。
しかし、藝大生にアドバイスを受けながら思い切って一差し…!
一差しすると、皆さん再び火が付き黙々と色を差していきます。
紅型の色差しでは、刷毛を使い顔料を暖色系から寒色系へと順番に染めます。
子どもたちは、工程見本の原品と同じ模様、同じ色で染めました。
大人の方は、自分の選んだ模様をどんな色にしようかと、配色計画を立てながらの制作でした。
![]() 丁寧に丁寧に。色の境目が難しいです |
![]() 色加減に悩みます |
体験はすすみ…

染め上がりです。なかなかの達成感だったようです。
ワークショップはここまでで、色の定着と糊を取る工程は、藝大生が大学のアトリエで行いました。
さてどんな仕上がりになっているのか…!
\じゃん!!/
![]() 子ども向け |
![]() 大人向け |
華やかですね~
紅型の特徴であるぼかしも皆さんお上手でした。
展示見学もあり、盛りだくさんのワークショップでしたが、皆さんこだわりを持って制作してくださいました。
体験を通して紅型を身近に感じていただけたのではないか思います。
担当した藝大生たちにとっても、一緒に手を動かしながら直接参加者の皆さんにお伝えでき、充実した機会となりました。
参加者の皆さんには、ぜひ素敵な紅型のトートバッグを持ってお出かけしていただけると嬉しいです。
なお、ワークショップは終了しましたが、工程見本「紅型ができるまで」のギャラリートークを藝大生が10月まであと6回行います。
このギャラリートークでは、調査や工程見本の制作を通してわかった技法や表現についてお話いたします。
足をお運びいただけましたら幸いです。
| 記事URL |
posted by 岡田和佳奈(ボランティア室) at 2017年08月31日 (木)
皆さん、親と子のギャラリー「びょうぶとあそぶ」は、もうごらんになりましたか?
畳の上で、ガラスケース越しではなく、国宝「松林図屏風」の高精細複製を映像プロジェクションと共にお楽しみいただく体験型の展示です。この展示に関連し、ダンス・パフォーマンスイベント「びょうぶとおどる」が7月に開催されました。

ダンサー・振付家の酒井幸菜さん
踊ってくださったのは、ダンサーの酒井幸菜さん。「びょうぶとあそぶ」の展示や映像、音楽を事前にじっくり鑑賞され、振り付けを考えて下さいました。本番までのあいだに、なんども会場のステージでの練習を行いました。
当日。開始時間には、第一会場の畳ステージ前にマットが敷かれ、たくさんのお客さまが待ち受けていました。ダンス・パフォーマンスの開始アナウンスが流れ、映像が始まります。実はこの時、ダンサーの酒井さんは、第一会場の入り口から、アプローチ「松林の道」を通り、少しずつステージに近づいてきています。もうここから、ダンスが始まっているのですね。

松林の中を進んでいきます
畳のステージに酒井さんが登場すると、場の空気が変わりました。
踊る酒井さんが、映像の中を滑空する烏のように見えたり、松林の中で風に揺れる一本の松の木の精に見えたり、あるいは羽衣をまとった天女のようにも見えます。そうなると、この松林は、羽衣伝説のある三保の松原のようにも見えてきます。

投影される風景の中の、桜や紅葉、雪といった季節の移り変わりも、周囲を飛び回る烏も、海辺の風も、波の音も。松林図屏風の周りにあって、長谷川等伯が見たかもしれないさまざまなものを、ふたたび丁寧に集めてそっと屏風の中に置いて見せてくれる、そんな時間でした。

20分弱のイベントですが、背後に流れる映像は、このイベントに合わせて編集されました。音楽も、会場の音楽を担当された高橋琢哉さんによって新規に作曲されたものです。
松林図屏風の前のぜいたくな時間を、ぜひ体験してみてください。
ダンス・パフォーマンス「びょうぶとおどる」は8月15日(火)にも11時と14時の2回、行われます。
「びょうぶとあそぶ」公式サイトでは、 このほかにもびょうぶの楽しさが広がる情報を発信中。ぜひ、アクセスしてみてください。
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posted by 藤田千織(教育普及室長) at 2017年08月10日 (木)