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1089ブログ

閉幕御礼!本展のバトンは九州へ


伝教大師1200年大遠忌記念 特別展「最澄と天台宗のすべて」
の東京会場は、21日(日)をもちまして、無事に閉幕いたしました。
ご来場いただいた皆さま、誠にありがとうございました。

ご来場かなわなかった皆さまには、
1089ブログ、天台宗による「伝教大師最澄1200年魅力交流」で活動されている学生さんの瑞々しいレポート、ご来場いただいた皆さんのSNSなどで、会場の様子をご覧いただけましたら幸いです。

今回は東博展覧会史上最多と言ってもよいほど多くのご秘仏にお出ましいただいておりました。
お寺のご本尊にお出でいただくのも実はとてもハードルが高いのですが、それが秘仏、ましてや寺外初公開ともなると、さらに難しくなるのはご想像のとおりです。

巡回展とはいえ、東京国立博物館から九州国立博物館、京都国立博物館にもお出でになる仏像は、東博出展の仏像の3割に満たないのですが、九州、京都にも魅力的な仏様やご宝物が多数出展されます。
各会場の展示作品はこちらの展覧会公式サイト内「3会場出品目録」に掲載しておりますので、ご確認ください。


重要文化財 護法童子立像
鎌倉時代・13世紀 滋賀・延暦寺蔵
来春、九州国立博物館、京都国立博物館にて展示予定


さて、秘仏。
秘仏というのは、皆さんご承知のとおり、普段、拝観することの叶わない秘された仏像や仏画などのことを指します。
長野の善光寺の御本尊や浅草寺の御本尊のような、厨子の扉が開かれることのない絶対の秘仏から、60年に一度、50年に一度、12年に一度、厨子の扉が開かれる秘仏まで、その秘されっぷりはさまざまです。

秘仏という存在がいつごろ生まれたものか、ご存知でしょうか。
ご本尊を秘する事例が出てくるのは、およそ平安時代の9世紀半ばごろのこととされています。
その理由は、密教の経典のなかには本尊は秘するべきことが説かれていたり、あるいは神仏習合が進み、直接見てはならないとする神へのタブーの観念が影響したなど、様々な理由が考えられています。
秘仏という存在も歴史的のなかで生み出されたものなのですね。

重要文化財 薬師如来立像
平安時代・11世紀 京都・法界寺蔵
本展が寺外初公開である法界寺の秘仏本尊。来春、京都国立博物館にて展示予定


この度の秘仏ご開帳も、伝教大師最澄のご遠忌という歴史的な機縁によるものでした。
このご縁のバトンを九州国立博物館へつなげたいと思います。

皆さま、ありがとうございました!

 

重要文化財 伝教大師(最澄)坐像
鎌倉時代・貞応3年(1224) 滋賀・観音寺蔵
来春、九州国立博物館にて展示予定

※本展は下記のとおり巡回します。詳細は
展覧会公式サイトをご確認ください。
九州国立博物館=2022年2月8日(火)~3月21日(月・祝)
京都国立博物館=2022年4月12日(火)~5月22日(日)


カテゴリ:仏像2021年度の特別展

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posted by 皿井舞(平常展調整室長) at 2021年11月26日 (金)