このページの本文へ移動

1089ブログ

2021年 新年のご挨拶

新年、あけましておめでとうございます。
新しい年を無事迎えられましたことをお祝い申し上げますとともに、新型感染症に苦しんでおられる方々に心よりお見舞い申し上げます。

当館は今年も2日から開館いたします。
入館には事前予約が必要で、感染症予防対策もしっかり行い、皆さまをお迎えいたします。


新春恒例の干支をテーマにした特集展示は「ウシにひかれてトーハクまいり」です。人の傍らでさまざまな営みを支えてきた牛にまつわる歴史と文化を紹介します。
また、今年で18回目となる台東区書道博物館との連携企画 特集「清朝書画コレクションの諸相」では、当館蔵の高島槐安(かいあん)収集品を中心に清朝宮廷の水墨画や書の名品などを公開します。

毎年、海外の研究者を招いて開催していた北米欧州ミュージアム日本美術専門家連携・交流事業は、今年はリモート開催となりました。今月末に行う国際シンポジウムは「日本美術がつなぐ博物館コミュニティ ウィズ/ポストコロナ時代の挑戦」と題し、オンライン配信いたします。

春は、特別展「鳥獣戯画のすべて」からスタートです。昨年から延期となっており、楽しみにお待ちいただいた方も多いのではないでしょうか。人気の甲巻は当館初の試みとして、動く歩道でご覧いただく予定です。皆さまにできる限りストレスなくご鑑賞いただけるよう工夫してまいります。
また、この展覧会に関連して、特集「鳥獣戯画展スピンオフ」を本館で行うほか、会期中は館内の全展示室で動物をモチーフとした作品を展示、作品にあらわされた動物をめぐって楽しめる企画を考えています。さらに、年末から工事をはじめた庭園は桜の季節には皆さまに入園いただけるよう現在メンテナンス中です。

夏は、聖徳太子の1400年遠忌を記念して「聖徳太子と法隆寺」展を開催します。奈良・法隆寺から「薬師如来坐像」にお出ましいただくほか、飛鳥時代以来の貴重な文化財、聖徳太子ゆかりの品々が揃います。

秋は「最澄と天台宗のすべて」展です。伝教大師最澄の没後1200年を記念する展覧会で最澄直筆の書や、平安仏画の優品をご覧いただくよう準備しております。

昨年お正月のブログの中でご紹介した特別展や催し物のいくつかは、残念ながら実現が叶いませんでした。今年も、ここでお知らせした特別展を含め、さまざまな行事を計画していますが、状況に合わせて、開催等を検討し、皆さまに安心して博物館をお楽しみいただけるよう万全を尽くして参ります。感染症が存在する現状を受け入れながらも魅力的な博物館とは何かを模索し、皆さまをお迎えしたいと思います。

一方、実際に博物館にお越しになれない皆さまにも博物館を楽しんでいただけるよう、ウェブサイトでの情報提供やブログの充実、YouTubeでのギャラリートークなど動画の配信にも力をいれる所存です。

さまざまな博物館の楽しみ方ができるよう、そして少しでも皆さまのこころが豊かになりますよう、努めてまいります。

今年モウ東京国立博物館をよろしくお願いいたします。


東京国立博物館長 銭谷眞美  

カテゴリ:news

| 記事URL |

posted by 銭谷眞美(館長) at 2021年01月01日 (金)