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宇豆柱(うづばしら) トーハクへ!

10月10日(水)より開幕する特別展「出雲-聖地の至宝-」(2012年10月10日(水)~11月25日(日))の準備が着々と進んでいます。
先日、京都国立博物館の特別展覧会「大出雲展」(2012年7月28日(土)~9月9日(日))でも出品されていた「宇豆柱」がやってきました!

「宇豆柱」とは、出雲大社などの大社造りを構成する9ヵ所の柱のうち、
正面中央の棟持柱(むねもちばしら)にあたり古くからそのようによばれてきました。

この「宇豆柱」は、平成12年(2000)出雲大社より出土したもので、出雲大社本殿遺構の棟を支えていた柱材です。


出雲大社境内遺跡模型(島根県立古代出雲歴史博物館蔵)
赤い丸の部分が発掘された宇豆柱です


3本の杉の大木を束ねて1つの柱としており、1本の直径が1.3m、高さ約1.3m、推定重量1.5トンもあります。


重要文化財 宇豆柱
鎌倉時代・宝治2年(1248)
出雲大社境内遺跡出土(島根県・出雲大社蔵)

「宇豆柱」は、1本、1本頑丈な木枠に入れられて運ばれてきました。



木枠を外し、美術用梱包材をとると・・・

ついに、「宇豆柱」がお目見えしました!
とても大きく迫力があります。

早速、島根県立古代出雲歴史博物館と当館の保存修復の担当研究員がライトをあてながら細部まで点検しています。



点検が終わると、すでに設置済みの展示ケースに入れます。



まず、木製の台を展示ケースの高さまでリフトで上げます。
そして、「宇豆柱」の台座の下にはシートをかませすべりやすくし、展示ケースになめらかにすべらすようにして慎重に少しずつ少しずつ押していきます。


声をかけあいながら作業をする人、そして周りでは、固唾をのんで見守る人々

1本の柱を展示ケースに入れるのに2時間近くかかりました。
3本柱を展示ケースに入れ、発掘されたときと同じように周りに石をつめて設置終了です。


全体の雰囲気はぜひ展覧会場でご覧ください!

3本そろっての展示だと迫力が増し見ごたえたっぷりです。
会場でぜひご覧いただきたいのが、柱をたてた当時の人々の「手の跡」です。
運搬時に縄を掛けるのに用いたと思われる孔(画像:上の左の柱)や表面を削った手斧の跡を見ることができます。

「宇豆柱」は特別5室の中央に展示します。
どうぞお楽しみに!

カテゴリ:2012年度の特別展

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posted by 江原 香(広報室) at 2012年09月29日 (土)