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特別展「青山杉雨の眼と書」予告。ただいま記念講演会、受付中

今年の夏、トーハクの特別展は、凛とした「書」の世界に浸っていただきます。
これに先駆けて、先月、平成館大講堂では特別展「青山杉雨の眼と書」の報道発表会が行われました。


同展覧会は、杉雨の生誕100年を記念する大規模な回顧展です。

昭和から平成まで活躍した書家・青山杉雨(あおやまさんう 1912-1993)。
様々な書体に通じ、伝統的な書から新しい表現まで多彩な作品を生み出したほか、
多くの後進を育てたり、専門誌を発行するなど日本の現代の書壇を牽引して、
その功績から、平成4年(1992)には文化勲章を受章されました。


青山杉雨 (C)読売新聞社

報道発表会では、その人物像をより知っていただくための対談が行われました。


登壇者3人によるフリートークの対談。右から、杉雨のご長男である青山慶示様、
杉雨が設立に寄与した謙慎書道会の理事長である樽本樹邨(たるもとじゅそん)様、
日本書跡を専門とする当館副館長 島谷弘幸


杉雨の直弟子として指導を仰いだ樽本様から、
弟子たちの個々の長所を見いだし伸ばすことで、数々の書展で入選者を輩出したという、
師匠としての指導方法や、書に関する優れた鑑識眼についてお話いただいたかと思うと、
青山慶示様から、実はあまり多くを語らないシャイな一面があったことや、
夫婦二人三脚での創作活動の様子など、家族ならではのエピソードが語られました。
ゆかりのある方ならではのお話で、杉雨の功績を改めて実感しながら、親近感を覚えることができる内容でした。
皆様には展示や記念講演会を通じて、その魅力を実感していただけることと思います。
◆記念講演会
①7月21日(土)13:30~15:00 「青山杉雨の素顔」 島谷弘幸(東京国立博物館副館長)ほか
②8月11日(土)13:30~15:00 「青山コレクション」 富田淳(東京国立博物館列品管理課長)ほか
事前申込み制ですので、ぜひお早めに情報をご確認、お申込みください。

今回の展覧会の開催にあたっても、生前の杉雨を知る方々のご協力によって、
代表作が一堂に会することになりました。さらに杉雨の書斎を再現するなど、その素顔の魅力も伝える展覧会です。


報道発表会でも、展覧会の概要を説明。スクリーンに映されているのは
ポスターデザインにも使われている杉雨の代表作「黒白相変」
(昭和63年(1988) 東京国立博物館蔵 青山慶示氏寄贈)


その展示は、三部構成。

第1部は、「青山杉雨の眼 中国書画コレクション」。
杉雨が、いわゆる「眼習い」として創作活動に生かした、優れた中国書画の作品を展示します。

第2部は、「青山杉雨の書」。
すぐれた「眼」を持つ杉雨によって生み出された作品の数々をご覧いただきます。

第3部は、「青山杉雨の素顔」。
書斎を飾った硯や水滴なども多数展示しますが、見どころは杉雨の書斎の再現。
ご家族のご協力により、実際の家具などをお借りしています。

詳しい展示や作品のみどころは、担当の研究員によるブログを順次公開いたします。
同展覧会にお越しになる前に、ぜひチェックしてみてください。
特別展「青山杉雨の眼と書」は、7月18日(水)より開催いたします。

カテゴリ:news2012年度の特別展

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posted by 林素子(広報室) at 2012年06月06日 (水)