「博物館でお花見を」の会期も後半に入りました。
庭園の桜も先週から徐々に咲き始め、今週初めには満開の見ごろを迎えました。
エドヒガン(左)と、庭園入口のミカドヨシノ(右)
春らしい気温となった3月27日(金)の夜間開館日には、庭園の桜ライトアップが行われ、多くのお客様が夜桜見物に訪れました。
ライトアップされたヤエベニヒガン(左)と茶室転合庵(右)
お天気が少々心配ですが、明日4月3日(金)も桜ライトアップが行われます(19:30まで)。
庭園ではカフェも18時まで営業(ラストオーダーは17:45)していますので、夜桜を眺めながら温かい飲み物でおくつろぎいただけます。
18時からは茶室・転合庵前でシタールのコンサートも行われます。
「作品鑑賞や庭園散策で腹ぺこ!」という方には、建物も美しくライトアップされている前庭の屋台や、構内のレストラン(ゆりの木、ホテルオークラガーデンテラス)もご利用ください。
(ラストオーダーは屋台が19:30、レストランが19:20。屋台は、天候により中止、または途中で閉店する場合もあります)
ライトアップされた表慶館と屋台
週末は桜セミナーやぬりえワークショップ、コンサートなど当日参加OKのイベントもあります。
また、特別展「みちのくの仏像」もいよいよ4月5日(日)で会期終了となります。
上野公園は大賑わいですが、トーハクでは少しゆったりと桜をお楽しみいただけると思います。
ぜひ、お出かけ下さい。
| 記事URL |
posted by 奥田 緑(広報室) at 2015年04月02日 (木)
3月に入っても寒暖の差が激しい日が続きましたが、ようやく、春らしい気温に落ち着きつつあるようです。
トーハクでは、明日3月17日(火)より、春の恒例「博物館でお花見を」(~4月12日(日))、「春の庭園開放」(~4月19日(日))が始まります。
今年は、期間中の3月23日(月)、30日(月)は特別開館し、3月27日(金)、4月3日(金)は庭園ライトアップ(19時30分まで)を行います。
東京の桜の開花は、3月26日(木)、満開は4月2日(木)との予想が出ていますので、ライトアップもタイミングがよさそうですね。
「博物館でお花見を」では、桜をモチーフにした作品の展示のほか、鑑賞ガイド、ワークショップ、コンサートなどイベントももりだくさんです。
国宝 花下遊楽図屛風 狩野長信筆 江戸時代・17世紀(3月17日(火)~4月12日(日)、本館2室にて展示)
2年ぶりの公開となります。
こちらも恒例のさくらスタンプラリー。「博物館でお花見を」パンフレット(A4二折)がスタンプラリーの台紙になっています。
桜のマークを目印に展示室を巡ると、5つのポイントでスタンプを集めることができます。
スタンプを全部集めると、オリジナル缶バッジをプレゼント!
今年のバッジのデザインは、花よりだんご!?のトーハクくんです!
トーハクくんのように「花よりだんご」な方におすすめしたいのが、こちら。
構内のレストラン(ゆりの木、ホテルオークラガーデンテラス)はもちろん、庭園にはさくらカフェも出店します。
そして今回は、表慶館で開催の特別展「コルカタ・インド博物館所蔵 インドの仏 仏教美術の源流」にちなみ、表慶館前にカレーを中心とした屋台が登場します!
4月26日(日)まで、曜日ごとに2~4台の屋台が出店いたしますので、ぜひご利用ください。
さらに、ミュージアムショップでは、「博物館でお花見を」期間中(3月17日(火)~4月12日(日))、千鳥屋総本家の「舟橋硯箱もなか」(6個入り 1,080円)を1日5箱の限定販売(本館ショップのみの取扱い)をいたします!
箱や桜の包装紙も素敵。もなかも作品の形を再現しています。
現在、本館12室で展示中の国宝「舟橋蒔絵硯箱」をモチーフにした老舗の逸品です。
国内の直営4店のみでしか販売されていないというレアもの。作品の鑑賞とあわせて、お土産にどうぞ。
この春はトーハクの展示室で華やかな作品を、庭園で可憐な桜を愛で、レストランやカフェ、屋台でお腹も春爛漫気分にひたってみてはいかがでしょうか。
| 記事URL |
posted by 奥田 緑(広報室) at 2015年03月16日 (月)
毎年恒例の「博物館でお花見を」が始まりました。
もう少しすれば、博物館の庭園で、ソメイヨシノだけではない、多くの種類の桜を見ることができます。
花の咲く時期はもちろん、形、色合いもことなります。
トーハクのお花見はこれだけではありません。
この時期になると、本館の展示室には桜を表した作品が多く展示され、様ざまなイベントが開催されます。
まさに日本美術の殿堂・トーハクならではの世界一贅沢なお花見です。
本館では、時代を越えて、作品のジャンルを越えて桜が表された作品が作られ伝えられてきたことに驚きます。
桜の種類も描き方も全く違う!
(左) 色絵桜樹図皿 鍋島 江戸時代・18世紀(本館13室にて5月25日(日)まで展示)
(右) 八重桜 歌川広重筆 江戸時代・19世紀(本館10室にて4月20日(日)まで展示)
それをみて思うのは、日本人は本当に桜が好きなんだなぁ、ということ。
蕾が膨らむと本格的な春の訪れに心が躍り、満開の桜の下でお花見を楽しみ、散り行く姿に儚さを覚え、地に積もる花びらに雪を思い出し、葉桜にはやってくる夏を感じる。
日本人は様ざまな桜の姿を愛でてきたのでしょう。
そしてその姿を作品に表しました。
桜にどんな思いをこめて表したのか、どんな色や描き方であらわしたのかに注目し、自分だったらどう描いたかを想像するのも作品を楽しむためのポイントでしょう。
そこで今回、「桜ワークショップ ぬり絵 日本のデザイン、色づかい」を開催します。
3月29日(土)、30日(日)、4月5日(土)、6日(日)の4日間、11時~15時限定の企画(平成館ラウンジ)です。
展示作品をもとに、オリジナルぬり絵ポストカード4種類をつくりました。
作品とぬり絵シート。同じものが描かれているのに色がないだけで印象が違う!
(左)袱紗 萌黄繻子地桜樹孔雀模様 江戸時代・19世紀(本館10室にて4月20日(日)まで展示)
皆さんだったら、展示作品をどのような色で描くでしょうか。
もちろん、本館で桜スタンプラリーを楽しみながらの作品鑑賞や庭園散策の前でも後でも結構です。
ぜひ、作者が桜にこめた思いや表現方法を考えながら、皆さんも思いをこめてぬり絵に挑戦してください。
※ワークショップ詳細はこちら。各日とも、お一人様1枚限り、ぬり絵シートがなくなり次第終了となりますのでご注意下さい。
| 記事URL |
posted by 川岸瀬里(教育普及室) at 2014年03月28日 (金)
この冬は予想外の大雪に見舞われ、トーハク庭園の桜も枝が折れるなど影響を受けました。
ようやく、3月中旬にさしかかったところで、春らしい気温に戻りつつあります。
春の庭園開放(2014年3月8日(土)~4月13日(日))はすでに開催中ですが、
今年の東京の桜の開花予想は3月25日、満開は4月2日頃とのこと。
庭園の桜も懸命につぼみを膨らませているところでしょう。
つぼみを膨らませたオオシマザクラ
恒例のさくらカフェもオープン。池のほとりのベンチでゆっくりおくつろぎいただけます。
左:さくらカフェではコーヒー、ココアなど飲み物のほか、パンケーキやクッキー、マフィンなどもご用意
右:自家焙煎ドリップコーヒー(350円)と、桜マドレーヌ(200円)
そして明日、3月18日(火)から、恒例の「博物館でお花見を」が始まります。
桜をモチーフにした作品の展示や、ワークショップ、コンサートなど、まさに春爛漫の企画となっています。
館内にて配布している「博物館でお花見を」パンフレット(A4二折)をご覧ください。
こちらは、さくらスタンプラリーの台紙にもなっています。
展示室では、桜のマークを目印に、名品の中に咲く桜をご鑑賞いただけます。
そのうち、5つのポイントでスタンプをご用意しています。全部集めるとオリジナル缶バッジをプレゼント!
今年は、かわいらしい仏像のデザインとなっています。
モデルは本館11室に展示されている桜材でできた如意輪観音菩薩坐像(奈良・西大寺蔵)です。
そして、今年のメインビジュアルはこの作品。
ひときわ華やかに展示室を彩ります。
源氏物語絵合・胡蝶図屏風 狩野晴川院〈養信〉筆 江戸時代・19世紀(4月20日(日)まで本館8室にて展示)
また、本館10室(浮世絵)では、3月25日(火)から4月20日(日)まで、すべて桜が描かれた作品の展示となります。
江戸の美人たちがお花見を楽しむ姿をご覧ください。
そのほか、
東博句会「花見で一句」、桜コンサート「桜の街の音楽会」、桜ワークショップ、ギャラリートーク、
ボランティアによるガイドツアーなど当日参加いただけるイベントが盛りだくさん。
(イベント情報は「博物館でお花見を」ページの関連事業欄でご確認ください)
また、WEBサイトでは、桜の名品の人気投票を行っています。
展示室でお気に入りの作品をみつけたら、ぜひ一票を。
ひとあし早い満開の桜たちが、皆様のご来館をお待ちしております!
| 記事URL |
posted by 奥田 緑(広報室) at 2014年03月17日 (月)
中国や朝鮮半島では、「花」といえば「梅」「桃」をまずイメージしてきたようですが、私たち日本人にとって「花」といえば、何といっても「桜」でしょう。今でもそうですし、いにしえよりそうでした。
たとえば百人一首に選ばれた有名な和歌。
入道前太政大臣こと藤原公経(1171~1244)が詠んだ「花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは 我が身なりけり」(花をさそって散らす嵐の吹く庭には、雪のような桜吹雪が舞っているが、本当に古りゆくものは、雪ではなくわが身であったなあ)
あるいは、平安朝のあの小野小町が詠んだ「花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」(桜の花はむなしく色あせてしまった。長雨が降っていた間に。私の容姿もむなしく衰えてしまった。日々の暮らしの中で、もの思いしていた間に)
これらの和歌では、「花」というだけで桜を意味しています。
一方、今。
皆さんのお財布を開けていただくと、千円札の表裏のあちこちや百円玉の表(豆知識:年号のある方が裏なのだそうです)には桜の花がデザインされていることが確かめられるでしょう。日本の象徴としての「桜」。私たちは桜とともに毎日生活しているのです。カラオケに行けば、「サクラ」ソングはたくさん歌えますが、「梅」や「桃」のナンバーを見つけるのは難しいかもしれません。
これは余談でした。
私たち日本人が「桜」が大好きなのは、どうしてなんでしょう。
ひとつには、「白」という色への愛好があるからではないでしょうか。千円札の裏にも描かれた「富士山」(祝、世界遺産登録!)も、雪をまとった白い山のイメージでした。日本の芸術・美術の特質の一つとしても捉えられている「雪月花」は、どれも白い色です。単純明快、シンプルなその姿という共通点もあるでしょう。
もうひとつの理由。服部嵐雪の有名な俳句「梅一輪一輪ほどの暖かさ」がしめすように、梅は少しずつ花を開いていき、けっこう長い期間、楽しめます。これに対して桜は、パッと一気に咲きます。けれども、楽しめる期間は限られていて、先にあげた和歌にも詠われていましたが、風に吹かれて、まるで吹雪のように舞い、一気に散ってしまいます。その変化の派手さ、いさぎよさ、それがゆえのはかなさが、好まれてきたのではないでしょうか。
今年も当館では、3月18日(火)から4月13日(日)まで「博物館でお花見を」と題して、皆さんのお越しをお待ちしています。
近世絵画では、住吉派(住吉如慶、具慶)や狩野派(狩野主信、養信、永敬、永岳)などが描いた優品を出品。それぞれの作品には、満開の桜や舞う花びらが描かれています。描かれた桜をみると、白い絵の具がふんだんに使われ、画面の中で際立ち、輝いています。
(左)源氏物語絵合・胡蝶図屏風の展示風景 (右)桜の花は皆こちらを向いています。
たとえば狩野晴川養信(1796~1846)の「源氏物語絵合・胡蝶図屏風」(4月20日(日)まで本館8室にて展示)の画面には、金地に美しい緑や青、赤などの濃い色彩が乱舞していますが、そのなかで純白の桜の花が、ひときわ輝いています。一歩近づいてご覧いただくと、桜のひとつひとつの花が皆こちらを向いていることに気づかれるでしょう。桜の花が、まるで旅行のときの集合写真のように「カメラ目線!」なのです。これを「装飾的」といってしまえば、それまでですが、現実に咲く桜を見上げたときのように、斜めや裏側など、いろんな向きに描かれたとしたら、ずいぶんと華やかさが失われるのではないでしょうか。桜の華やかさの演出、そのために絵師が選んだ描き方、そのようにみる方が作品の魅力をつかまえられるのではないかと思います。
「花より団子」の私ですが、春はやはり花で楽しみたいものです。外でも展示室でも。
そういえば、お団子も白いですね。
「博物館でお花見を」関連展示
本館日本ギャラリー 桜めぐり
会期中(3月18日(火)~4月13日(日))、桜をモチーフにした作品には桜のマークがつけられています。
スタンプラリーも実施しますので、展示室で桜を探してみてください。
| 記事URL |
posted by 山下善也(絵画・彫刻室主任研究員) at 2014年03月10日 (月)