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1089ブログ

トーハクくんがいく!~「インドの仏」バースデー記念~

ハッピバースデー ディア おしゃか様~♪
トーハクくん???
ハッピバースデー トゥー ユー~♪
なあに? いきなりどうしたの?
今日、4月8日はおしゃか様の誕生日なんだほ!
ああ、灌仏会(かんぶつえ)ね。そういえば、特別展「コルカタ・インド博物館所蔵 インド仏 仏教美術の源流」の会場では、先着100名様にポストカードをプレゼントしていたわ。


緻密で美しい「仏伝『誕生』」のポストカード

ぼくはこれから表慶館に行くんだほ。バースデー記念に、「インドの仏」展を担当している小泉さんが、展覧会を案内してくれることになったんだほ!
トーハクくんだけなんて、ずるいじゃない!
もう約束しちゃったほ。行ってくるほー!(ダッシュ)
もー、トーハクくんってば!



ユリノキちゃんに怒られる前に表慶館にやってきたトーハクくん。
さて、どんな展覧会なのでしょう?
なお「インドのイム」ではありません。「」です


小泉かちょー! 今日はよろしくお願いします。
やあ、トーハクくん。よく来たね。
でも・・・実は「インドの仏教美術」って、よく知らないんだほ。わからないことだらけだほ。
まあ、そういう人は多いよね。
今回の展覧会、なにがそんなにスゴイんだほ?
やっぱり、バールフットの作品が見られることかな。完全にボクの趣味だけど、これを日本で見られるのはスゴイ!
バールフット???
古代初期を代表する仏教遺跡ね。
基本的にはコルカタ・インド博物館に行かないと見られないものだから、これがトーハクに来るなんて夢のようだよ!!


バールフットの作品は、最初の展示室に展示されています


バールフットの浮彫彫刻に前のめりな二人
※今日の小泉課長はテンション高めです


(大興奮なんだほ・・・)古代初期ってことは古いんだほ?
そうだね、紀元前2世紀頃のものだから・・・埴輪よりもざっと500年から600年は古いね。
!!!
バールフットの作品には、仏教美術の最初の造形が見てとれる。世界で最初の仏教美術、まさにここが源流だね。ボクなんかは、ズバリインドっぽい造形が魅力だと思っているよ。
あと、この作品にも感動しちゃったなー。


仏伝「出家踰城(しゅっけゆじょう)」
ロリアン・タンガイ出土 クシャーン朝・2世紀頃


しゅっけゆじょう・・・? む、むずかしいほ。
これは、出家を決意したシャカが住んでいた宮殿を抜け出した時の様子を表した作品だよ。
感動ポイントがわからないんだほ・・・。
そうだなぁ、教科書で見た作品を実際に見たときの感動に近いかなぁ。
というのはね、この作品はボクたち仏教美術を研究している者にとっては、超有名な作品なんだ。それほどの作品をトーハクで見られる日がくるなんて! しかも自分で展示しちゃったよ! これはもう感動するね。


仏教美術では有名だという本作品。お見逃しなく!

(ますます大興奮なんだほ・・・。)
他にも、お経はなかなかおもしろいと思うよ。獅子王が描かれた作品は、ストーリーがおもしろくて、ボクは好きなんだよね。


大乗荘厳宝王経(だいじょうしょうごんほうおうきょう)
バレンドラ・ブーミ派 14世紀頃


どんな物語なんだほ?
主人公の獅子王と彼が率いる隊商が嵐に遭って難破しちゃうのね。そこを童女たちが助けれてくれるんだけど、実は童女の正体は羅刹女(らせつにょ)という人喰いなんだ。それに気がついた獅子王たちは逃げ出そうとする訳なんだけど・・・。まあ、続きは展示室でのお楽しみにしておこうか。


羅刹女に食べられてしまった人のがい骨に、トーハクくんもびっくり!


展示室の解説パネルで、お経に描かれたストーリーを紹介しています

いやあ、女の人はこわいんだほ(しみじみ)。
トーハクくんもわかっているじゃない(しみじみ×2)。
それはさておき、解説パネルといえばこっちのパネルも見て欲しいな。



アミダくじ?
そうそう、「五護陀羅尼経(ごごだらにきょう)」に登場する如来と明妃(みょうひ)を、できるだけ身近に感じてもらいたくて、アミダくじにしてみたんだ。
トーハクくんはどれに当てはまる?
えーと、「やっぱり長生きしたい」、「虫にさされやすい」、「ヘビにかまれたくない」・・・(なかなか強引だほ)。
あ、「実は意志がヨワい」! これだほ!
たどっていくと・・・トーハクくんにふさわしいのは阿閦如来(あしゅくにょらい)だね。何事にも打ち勝つことを意味する印を結んでいるんだ。
あしゅく如来さん、よろしくっす! だほ。



楽しんでもらえて良かったよ。
いやー、実はお客様に引かれたらどうしようって内心ドキドキだったんだよね。でも、蓋を開けてみたら好評でほっとしたんだ。
ほかの解説パネルもわかりやすかったほ!


どうかな、展覧会のスゴさ、これでわかった?
ほー! インドの仏教美術おもしろいほー!
ずいぶんざっくりとまとめたね。
でも・・・でも・・・いろんな作品が登場しておもしろかったほ。
いまトーハクくんが言ったとおり、展覧会には時代を超えたいろんな作品が展示されているからこそ、仏教美術の流れをたどるができるんだ。
「仏教美術の源流」だほ!
そうなんだけど、何も仏教美術が単独で変化していったわけじゃないからね。その背後には仏教の変化、流れがあって、さらにその背景には社会のダイナミックな流れがあるんだよ。
それを、仏教美術を通じて知ることができるのも、この展覧会のスゴイところかな。
(いやはや、ずいぶん壮大な話になったもんだほ)
まあ、展覧会を通じて「インドの仏教美術」っておもしろいなって思ってもらえるのが一番かな。トーハクくんみたいにね。
小泉さん、今日は「インドの仏」展を案内してくれて、ありがほーございました。
帰る前に、ユリノキちゃんに何かおみやげを買っていくといいんじゃない? 何せ、女の人はこわいからね。
ほー・・・。


ポスターやグッズも話題の「インドの仏」展。
「ご来館を待ってるほー」
※くどいようですが「イム」ではありません。「」です

カテゴリ:研究員のイチオシ2015年度の特別展

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posted by トーハクくん at 2015年04月08日 (水)