からだが動く自在エビをつくるワークショップ
2014年11月29日(土)と30日(日)、ファミリーワークショップ「からだが動くエビを作ってみよう」が行われました。
7組ずつ、計14組の小学生とそのご家族37名が参加されました。
このワークショップは、本館1階13室に展示されている「自在置物」(2015年2月8日(日)まで展示)をテーマにしています。
自在置物とは、鉄や銅、銀などで龍、蛇、鳥、甲殻類などをリアルに作り、体の各パーツを自由自在に動かせるようにしたものです。
この日、自在置物についてお話をしてくださったのは、金工を専門とする研究員の伊藤さん。
まず、全員で本館13室に自在を見に行きました。
龍、鯉、伊勢海老、鷲といった、鉄などで作られた本物そっくりの迫力の自在置物を見ます。
そのあと、5室、6室に行き、同じく鉄を材料に作られた刀や甲冑を見ました。
この甲冑を作っていた職人さんが、のちに戦が少ない時代になり、自在置物を作るようになったということです。
そのあと本館地下の教育スペース「みどりのライオン」に戻り、今度は銀で作られた伊勢海老とそのパーツを見せてもらいました。
また、動画で自在置物を実際に動かした様子も見ることができました。
こんなに細かいパーツが組み合わさり、しかも体が動くなんて、すごい技術です。
展示室では見られない、自在に動くさまに釘付けです
そしてとうとう、参加者の皆さんもエビづくりに挑戦。
今日は、さきほど見た銀製の伊勢海老のパーツから型紙を起こしたエビをアルミシートで作ります。
まずは、型紙に沿ってアルミシートから各パーツを切り抜きます。
これを説明にしたがってつなぎ合わせていきます。
作業分担しなくては、時間内に出来上がりません!
全部で64にものぼる細かいパーツを、折り曲げ、貼りあわせ、金具でつなぐのは、忍耐力のいる作業です。
難しいところはお父さんやお母さん、あるいは器用な人が担当。
細かいところは、手の小さいお子さんの方が得意な場合もあります。
自在エビは、家族全員が力を合わせなくては完成しません。
これこそ本当の意味で、「ファミリーワークショップ」と呼ぶべきプログラムかもしれません。
毎年、なかなか時間内に仕上がらないことも多い自在エビワークショップ。
今年参加されたご家族の皆さんは、なんと皆さん時間内に完成させて帰られました!
個性ゆたかなエビがたくさん
最後のパーツである触角をつけ終わり、周りにいたスタッフが拍手で完成を祝福したあるご家族のお父さんは、「このワークショップは、達成感が半端じゃないですねえ~」と一言。
達成感いっぱいの笑顔です
自在置物に込められた作り手の精緻な技を想像し、次に展示室で作品に対面したときには、作り手へのリスペクトなしには見られない、そんな気持ちにさせるワークショップでした。
美しいエビが出来上がりました!
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posted by 藤田千織(教育普及室主任研究員) at 2014年12月10日 (水)