本館 18室
2009年3月3日(火) ~ 2009年4月12日(日)
今回で第3回目となる黒田清輝作品の特集陳列は、留学期の作品を中心に展示します。
黒田は法律家を目指して17歳でフランスに渡航しますが、9年後には画家として帰国することになります。画家黒田清輝はフランスで誕生し、成長したのでした。
黒田の日記に、黒田が趣味で描く絵に、画家山本芳翠(やまもとほうすい)、藤雅三(ふじがぞう)、美術商林忠正(はやしただまさ)が画才を見出し、画家 になるように勧めたという記述があります。芳翠はサロンの画家ジェロームに、藤はコランに師事して絵を学んでいました。藤がコランのもとへ通う際、フラン ス語の通訳として同行したのが縁で、黒田もコランの門下となります。同じくコランに入門した久米桂一郎(くめけいいちろう)と共同でアトリエつきのアパー トを借りて修業に励みました。
このたびは、初期のデッサンやサロンで初入選を果たした作品≪読書≫など留学期の諸作を紹介し、黒田の画家への歩みを跡づけます。また、東京藝術大学大学美術館のご協力を得て、師コランの作品や、留学中に交遊のあった日本人画家たちの作品もあわせて紹介します。/担当研究員:山梨絵美子(東京文化財研究所)