本館 16室
2009年1月27日(火) ~ 2009年3月15日(日)
明治2年(1869)、明治政府は徳川幕府の文教施設であった開成所(かいせいじょ)・昌平坂学問所(しょ うへいざかがくもんじょ)・医学館(いがくかん)などを併合して大学校を設立し、幕府の書籍類を収めました。明治5年(1872)、文部省は湯島聖堂で博覧会を開催し、これが博物館(現在の東京国立博物館)の創立とされています。その際、これらの書籍類を一般公開するために、湯島聖堂の脇に書籍館(しょ じゃくかん)が設けられました。書籍館が明治7年(1874)に移転・改称し浅草文庫となると、14万点の蔵書は、大部分が所管の官庁に返却されましたが、博物館の業務に関わる資料は、当館に引き継がれています。書籍館と呼ばれたのはたった二年間でしたが、多くの資料に「書籍館」の印記が残されています。
今回はそのなかから、福沢諭吉が編集した『西洋事情(せいようじじょう)』など、当時の外国事情をうかがうことのできる資料や、『上代衣服考(じょうだ いいふくこう)』などの有職故実(ゆうそくこじつ)書、『化学器械図説(かがくきかいずせつ)』などの自然科学書、また、初代博物館館長となった町田久成(まちだひさなり)が書籍館に寄贈した「塵袋(ちりぶくろ)」(重要文化財)や、開拓使や外務省、司法省が寄贈した資料などさまざまな資料を紹介します。
さらに、当館の創立と関連深い湯島聖堂博覧会の様子をお伝えします。書籍館や博覧会の資料から、博物館の歴史のはじまりを御覧ください。