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日本美術のつくり方2

  • 『小袖 白縮緬地衝立鷹模様 町屋用 江戸時代・18世紀』の画像

    小袖 白縮緬地衝立鷹模様 町屋用 江戸時代・18世紀

    本館 特別2室
    2010年6月15日(火) ~ 2010年7月25日(日)

     この作品、いったいどうやってつくったんだろう? 材料は何でできているの?
    日本の伝統的な美術作品を見ていて、疑問に思うことはありませんか?

       夏休み恒例の「親と子のギャラリー」シリーズ。今年は、昨年に引き続き、伝統的な日本美術の技法4つについてご紹介します。「どうやってつくるか」を知る ことは、作品を楽しみ、理解するための大きな手がかりになるはずです。ぱっと見ただけでは分からない、作品制作のひみつを、専門家に依頼してつくった工程 見本や、写真パネルなどを参考に、さぐっていきます。そのあと、同じ分野の作品を別の展示室で見ると、今までよりももっと作品を身近に感じることができる はず。

       子どもから大人まで楽しんでいただける展示です。

主な出品作品

*所蔵の表記の無いものは、当館蔵品です。
重要文化財 法華経(久能寺経) 安楽行品 平安時代・12世紀
平家納経(模本) 妙荘厳王本事品 第二十七 田中親美作 大正14年(1925) 原品=長寛2年(1164)
小袖 白縮緬地衝立鷹模様 町屋用 江戸時代・18世紀
金銅迦陵頻伽文華鬘(模造) 山脇洋二作 昭和時代・20世紀 原品=平安時代・12世紀
関連事業
ワークショップ
つくってみよう日本美術!参加型のワークショップを開催します。
絹地に、筆や刷毛を使って実際に色を挿し、きもののような華やかな模様をつくり出してみませんか?
ファミリーワークショップ「友禅染に挑戦!」
平成館小講堂 2010年7月17日(土) 10:00~12:30 
大人向けワークショップ「友禅染:色挿し体験」
平成館小講堂 2010年7月17日(土) 14:30~17:00 
月例講演会
「友禅 技法の歴史」
平成館大講堂 2010年7月24日(土) 13:30~15:00  当日参加
キラキラきれいな模様のつけ方 ― 料紙(りょうし)装飾 ―
 書跡作品の中には、書いてあることは難しくて読めないけれど、紙に刷られた模様と文字のコンビネーションがとても美しいものがあります。このように飾られた料紙と呼ばれる紙は、どのようにつくられるのでしょうか。
金銀の切箔(きりはく)や砂子(すなご)などの技法についてご紹介します。
 
法華経久能寺経
重要文化財 法華経(久能寺経) 安楽行品 平安時代・12世紀
  平家納経模本
平家納経(模本) 妙荘厳王本事品 第二十七(部分)
田中親美作 大正14年(1925) 原品=長寛2年(1164)
 
木を貼り合わせて作る仏さま 眼が光るのはなぜ? ― 寄木造(よせぎづくり)と玉眼(ぎょくがん) ―
十一面観音菩薩立像
十一面観音菩薩立像 鎌倉時代・13世紀
  
 日本の仏像のほとんどは木で造られています。その造り方には「一木造(いちぼくづくり)」と「寄木造」があります。そのうちのひとつ、寄木造ってどんなものでしょう。どうしてそんなつくり方が工夫されたんだろう。そんな疑問に答えます。

それから仏像の目が光って見えるものがあるのは知っていますか?どうやってつくるのかな。
玉眼断面図 玉眼断面図 玉眼断面図
 玉眼・寄木造工程模型 明古堂作 平成21年(2009)
仏像の断面を見れば、眼が光る仕組みもよくわかる! なぜ光るのか、その秘密は会場で確かめてください
  
糊と絵具で描いていくよ ― 友禅染(ゆうぜんぞめ) ―

小袖 白縮緬地衝立鷹模様 町屋用 江戸時代・18世紀
 きものに模様を染める技法のひとつである友禅は、筆で色を挿したりぼかしたりして、絵画のようなこまかい模様を染められるのが特徴です。模様の輪郭線となる色と色の境目に、色がにじまないようにあらかじめ糊で線をひき、色をつけた後で糊を落とすと、そこが白く細い線として残ります。繊細で華やかな友禅染がつくられる過程を、工程見本でご覧ください。
 
小袖白縮緬地衝立鷹模様
糊で線を引く
色がにじまないようにあらかじめ糊で線をひきます。
  色をつける
色をつけた後で糊を落とします。
 
 
彫り方ひとつで線もいろいろ ― 線彫・鋤彫・透彫(せんぼり・すきぼり・すかしぼり) ―
金銅迦陵頻伽文華鬘模造
金銅迦陵頻伽文華鬘模造(模造) 山脇洋二作 昭和時代・20世紀 原品=平安時代・12世紀
 金属に細い線で文様が描かれている作品があります。硬い金属に、どうやって細かい線を彫る(刻む)か知っていますか。実は、毛彫(けぼり)、蹴彫(けりぼり)などと呼ばれるいろいろな彫り(刻み)方があるんです。鋤彫、透彫と呼ばれるその他の技法とあわせてご紹介します。